歴史を肌で感じたい!美しい町ポンテ・デ・リマ

ポルトガル北部、リマ川に沿って栄えた小さな町、ポンテ・デ・リマ。
その名前を初めて聞いたのは、19歳の時でした。当時、一緒に住んでいたソニアから「私はポンテ・デ・リマ出身なの」と教えてもらった時、その名前をなかなか発音できず笑われたものです。Ponte de Lima。スペインから流れるリマ川に沿って広がる町で、「リマの橋」という意味があります。その名前の通り、この町には美しい中世の橋が今でも大事に使われています。

町のシンボルリマ川とローマ橋

ポンテ・デ・リマの歴史はとても古く、1世紀のローマ時代までさかのぼります。ローマ軍が軍事使用を目的に、最初にこの地に橋を建設されたと言われています。その当時に建設されたアーチ5つは、現在もその姿を残しています。その後、1125年にポルトガル初代国王の母であったテレサがこの地をテラ・デ・ポンテと名付けました。そして13世紀後半のデニス国王の時代までに手が加えられ、1316年には現在の形に近い橋が完成したと言われ、既にサンティアゴ巡礼の道として使われていたそうです。14世紀に入るとペドロ1世が町の建設をするように命じ、ポンテ・デ・リマとして栄えることになります。ちなみにペドロ1世は、侍女であったイネスとの永遠の愛を誓ったことで有名な王様です。
16世紀にはマヌエル1世の命により橋が更に補強され、その状態で1989年まで使われていました。現在も修復されながら中世の橋が維持されています。

1780年に描かれたポンテ・デ・リマの様子。

城壁で囲まれた町と橋がとても素敵です。そして町の姿が現在と大きく変わらないこともみることができます。歴史や古いものを大切にするポルトガル人らしい町ですね。絵に描かれている噴水は今でも町の広場にあります。実はこの噴水、私の思い出の場所でもあります。2006年に初めてポルトガルを訪れた時、ポルトの空港からすぐにポンテ・デ・リマへ車で移動し、この広場に下ろしてもらったのです。その時、ちょうどクリスマスの時期だったのでイルミネーションが綺麗で、ソニアのご両親が気を利かせ立ち寄ってくれたのでした。私にとっては、まさに初めて踏んだポルトガルの土地でした。 少し調べてみると、この噴水は1603年に建設され1929年までは絵で描かれていた位置にあったようですが、その後、橋の近くまで移動されたようです。

さて、ポンテ・デ・リマには、1826年から続くフェイラシュ・ノヴァシュ(Feiras Novas)というお祭りが毎年9月に開催されます。当時の国王ペドロ4世が、悲しみの聖母を祭るために開催したのが始まりと言われています。お祭りの時期には屋台が川沿いにズラリとならび、連日たくさんの人が訪れ、音楽にダンス、様々なイベントが催されとても盛り上がります。特に花火が上がる夜は道という道に人が溢れ、身動きできないほどの盛り上がりを見せます。

昼間は音楽隊に出会うことができます

夜になるに連れて人が増えるのはポルトガルならでは。道に人が溢れます。

この女の子がフェイラシュ・ノヴァシュのシンボルです。

今年(2019年)は、9月4日から9日の開催です。このお祭りの他にも花祭りや馬祭り、牛祭りなどもあります。また、ワインではヴィーニョ・ヴェルデの地域になりますので、微発泡で爽やかなワインを楽しむことができます。

ポルトからはバスで1時間半ほど、8ユーロ前後です。ポルトからヴィアナ・ド・カステロまで電車で行き、そこからバスに乗継ぎ行くこともできます

ポンテ・デ・リマはとても小さい町ですが、お庭や木々、広場などがとても綺麗に整備されています。昔ながらの可愛い町に行ってみたい!という方は是非訪れてみて下さいね。

普通の日の夜は、明かりが少なくてロマンチックです。

それでは、また次回!