ユニークなリスボンの地区、モウラリア

2月も半ばになりました。
寒い日が続いているので、ぽかぽか陽気の春が待ち遠しいですが、
春になったら私がやりたいこと、それは街歩きです。

ポルトガル人は車やトラムで移動することが多い気がしますが、
可愛い街並みはぷらぷらと散歩するのが一番です。

ポルトガルの首都リスボンは、別名7つの丘の街と呼ばれそれぞれの地区に特徴があり、知れば知るほど面白いところです。私は第2都市ポルトがとても好きで友人も北部の出身が多いのですが、最近はできるだけリスボンに立ち寄るようにしています。

そこで私が見たリスボンの興味深いエリアをご紹介します!
テージョ川の散歩道についてはこちらをご覧ください。 リスボンについたらまずはロシオ駅付近から散策する人が多いのではないでしょうか。

立派な白い建物のロシオ駅

ここから南のテージョ川方向に進んでいくと、レストランやショップが並ぶとても賑やかなアウグスタ通りがありますが、今回私が紹介したいのは北東方向にあるモウラリア地区(Mouraria)です。初めてリスボンに行かれる方は少し驚かれるかもしれませんが、リスボンでは他国から移り住んできた人が多く暮らしています。アフリカやアジア、中東やアメリカなど実に多種多様です。そしてリスボンの中心地で彼らの多くが暮らしているのが、このモウラリア地区なのです。

この地区、以前は治安が悪く今でもポルトガル人はあまり行きたがらないのですが、最近は整備され観光客でも入りやすいエリアになりました。リスボンの異なる顔を見てもらいたいと現地の若者による無料ツアーが開催されています。私もポルトガル人の友人と参加しました。無形文化遺産の「ファド(Fado)」が生まれた地としても重要な場所なので、前々から行ってみたいなと思っていたのです。

ツアーはサン・ドミンゴ教会の近くから始まりました。国際色豊かな象徴でしょうか、壁には様々な言語でリスボンと書かれています。(写真右下)

まずはモザンビークで食べられているナッツの紹介がありました。このエリアでは道でナッツやフルーツを販売している女性を多く見ます。

ここで購入したカシューナッツ、美味しかったです♪

モウラリア地区の道はとても細く、くねくねと曲がっているので車もあまり通りません。

小さい通りが多いところはリスボンらしいです。ツアーのメンバーのほとんどがポルトガル人でした。

イスラム教徒の方も多く、ガイドさんには「ここからはモスクだから入れないよ」とか、「ここの食材はハラル認証されているよ」とか教えてもらいました。モウラリアという名前は元々「ムーア人の」という意味があるようです。

ハラルマークも看板にかかれています。

地下道にはアラビア文字を壁に描き、モウラリアの特徴が出ています。

アジア人も多く暮らしていて、なじみ深い食材にも出会いました。

ポルトガルの一般的なスーパーではあまり売られていない大根

日本料理に必要な調味料も

昔から、異なるルーツを持つ人々が暮らしていたモウラリア地区。
建物はリスボンの他の地区とそんなに変わりませんが、ポルトガル以外の文化も混ざってとても不思議な気持ちになります。ここで無形文化遺産と言われる民衆の音楽「ファド」が生まれたのも必然だったのかもしれません。

モウラリア通り(Rua da Mouraria)からカペラォン通り(Rua do Capelão)に入るところにはポルトガルギターの石碑があります。

まっすぐ進むとファドに大きな影響を与えたアーティストたちが

この通りは19世紀頃、酒場や売春婦が多く存在していたそうでファドもその中から生まれたとガイドさんに聞きました。現在は整備され綺麗ですが、以前はルア・スージャ(汚い通りという意味)と呼ばれていたとか。

2013年に26人のアーティストの肖像画像が飾られました。日本でも有名なアマリア・ロドリゲスの若き頃。

19世紀に生きたファド歌手マリア・セヴェラ(Maria Severa)が暮らした家は今も残っています。

ちなみにこの近くには、NHKの「世界入りにくい居酒屋」で紹介されたレストラン(Restaurante Zé da Mouraria)があります。

遅めのランチで行きましたが、外まで並んでいて入れませんでした。

リスボンの落書きはクオリティが高いものも結構あり、ファドもこの通り。

マダレナ通り(Rua da Madalena)の脇道の階段を登ると素晴らしいアートに出会えます(Escadinhas de São Cristóvão)

いつもとはちょっと違うリスボン、いかがでしたか。
整備が進んでいるモウラリア地区ですが、治安がいいわけではないので、訪れる時はツアーに参加することをおすすめします。

街角でファドが聞けるツアーもあるようです。
私はアルファマ地区を散策しているとき、ちょうどそんなツアーに出会いました。

素晴らしい歌声でどんどん人が集まってきました。

早く春がきますように♪
ではまた次回!