日本と同じ秋の味

日本で馴染みのあるものを海外で見つけると、お!っと嬉しくなるものです。

ポルトガルに行くとなんだか懐かしく感じる、初めて来たのに…
と言う人が結構いるのですが、もしかしたら食材や季節の香りが似ているからかもしれません。

日本で秋と言えば、「柿」を思い出す人も多いのではないでしょうか。

日本の柿 今が旬ですね。

実はポルトガルでもこの柿を食べることができます。

ポルトガルのスーパーで初めて柿を見た時、まさか売っているとは思わずとても驚きました。日本の果物っぽい桃やさくらんぼは、英語でもピーチとチェリーと言うくらいなのでポルトガルにあっても違和感がないのですが、柿はその見た目からすごくアジアっぽいというか日本っぽいのです。

ポルトガルの庭先になる柿

この写真、日本の秋を感じるのは私だけでしょうか。
ちょっと手をのばして採りたくなるような、そんな雰囲気ですよね。

ポルトガルでは柿のことをディオ―シュピロ(dióspiro)と呼びます。が、ブラジルではカキ(Caqui)と呼ぶので、日本語と同じですね。同じポルトガル語ですが、外来語でも呼び方が異なるのはちょっとおもしろいです。カキノキ属という意味のある学名で呼ぶポルトガル人と、そのままの名前で呼ぶブラジル人。もしかしたら、伝わった時代が違うのかもしれません。

そのため、ポルトガル人にカキCaquiと言ってもほとんどの場合通じませんが、実はフランスではKakiと呼んでいるらしくフランスに住んでいたポルトガル人にはKakiで通じました。実際に最近オープンしたお洒落なマーケットで、Caquiと表記されているのも見ましたよ。

柿は日本書紀にも登場するほど日本では古くから栽培されている果物ですが、
その昔ポルトガル人が日本に来た際、持って帰ったのかもしれません。

実際に約450年前に日本に来たポルトガルの宣教師ルイス・フロイスは、彼の歴史書『日本史』で織田信長に干しイチジクをもらったと記しているようです。実はこれが干し柿で、当時柿を知らなかったフロイスがヨーロッパで主流だったイチジクと勘違いしたのでは、と言われています。

日本には甘柿と渋柿がありますが、ポルトガルでは面長な渋柿が主流の様です。

渋柿が多いためか、とても柔らかくなるまで待って食べるのがポルトガル流です。スプーンで食べたりちょっと工夫してムースにしたり、ケーキにしたり。

少し調べてみると、渋柿の方がタンニンの含まれる量が多く美容効果が高いようです。熟して美味しい柿、美容効果まであるとはなおさら毎日食べたくなりますね!ちなみに、渋柿が主流ではありますが、ポルトガルでは干し柿をあまり見たことがありません。干しイチジクはたくさん売っているので作ったら人気が出そうですがどうでしょうか。でも、ポルトガルで干し柿を食べたら、外国にいることを忘れてしまいそうですね。

柿を使ってポルトガル風のお菓子ができないかなと探してみると、「柿と干しイチジクのパウンドケーキ」を見つけました!おそらくこのケーキはポルトガルでも珍しいものかと思いますが、作ってみたらとっても美味しかったです。ほんのり柿の甘さが薫りレモンとシナモンがアクセントになっています。

ポルトガルの庭先で採れた柿 ちょっと面長です

和と洋のコラボ、イチジクとナッツで合わせるところがポルトガルっぽいです。

私はパウンドケーキの型で焼いてみました。材料は半分の量で作りました。

【材料】※参考
熟した柿 4~6個、小麦粉 350g、砂糖 200g、レモン1個(皮だけ使う)
卵 2個、バター 115g、干しイチジク 適量、くるみ 適量、重層 小さじ1
シナモン 小さじ2、ベーキングパウダー 小さじ2、バニラエッセンス 小さじ1

ポルトガル発?のレシピ、是非みなさんもお試しください♪
では、また次回!