ポルトガルの家

海外に行くと必ず見てしまうのが家。
その国の気候や人々の暮らしに深い繋がりがあるので、子供のころから海外の家を見ることがとても好きでした。

日本でもファドの女王として知られるアマリア・ロドリゲス。
亡くなった後も彼女の歌声は聞く人を魅了し続けていますが、そんなアマリアの歌の中に”Uma Casa Portuguesa”という歌があります。ポルトガルの家や家庭の温かさをたっぷり伝えた曲で、聴く人の心を優しく包み込んでくれます。

訪れる人をいつも同じ優しさで迎え入れる温かさ、テーブルにはパンとワインが並び庭には薔薇や春の花の香りがふんわり。

今日はそんなポルトガルの家についてご紹介します。
ポルトガルは日本の4分の1程しかない小さい国ですが、南北に細長いため気候や文化が少しずつ違います。そのため、家の造りも地域によって特徴があります。

まず北部ですが、石やアズレージョ(ポルトガルのタイル)が外壁に多く使われています。
冬は寒いので多くの家庭に暖炉があり、屋根からは煙突が出ています。また郊外では広い庭があり、ワイン作りのためのブドウやオレンジ、レモン、リンゴなどの果物からイモやニンジンの野菜、鶏などの家畜がいます。

北部のお家 綺麗に手入れされている庭

北部は昔、貴族が多く住んでいたこともありお屋敷並みの家もあります。
また北部の女性は家庭的と言われ、いつでもゲストを迎えられるように家の中や庭をしっかり手入れしています。私の友人も毎日ゲストハウスのように整えています。

第2の都市ポルトの中心部は、街全体が世界遺産に指定されていますが、基本的には3階~5階建てのアパートメントが多いです。
魔女の宅急便の世界の中に入ったようでロマンチックでわくわくしますが、エレベーターなどはなくまだまだ改装が必要な建物が多いため、実際のところ地元の人たちは少し郊外にあるアパートに住んでいます。

ポルトの歴史地区の家々

改装してホテルにしている建物もあるので、観光の際には利用してみたいです。

ポルトから少し南に位置するアヴェイロではとてもユニークな家があります。

アヴェイロのPalheiro(パリェイロ)

ポルトガルのヴェネツィアと呼ばれるアヴェイロですが、
19世紀ごろからビーチに人が集まるようになり、当時の政治家ジョゼ・エステヴァ(José Estevão)が最初に青と茶色のストライプ模様の家を建てました。

後に漁師の道具置き場としてこのような小屋が多く建てられ使用されるようになりましたが、20世紀近くになるとお洒落な家として人気が出たため、より目立つよう派手な色に塗り替え、夏のゲストハウスとして貸し出しました。とてもユニークですよね。今はセレブが所有するほど高い家になったようです。キャンディみたいで可愛い街並みです。

さて、首都リスボンは都会らしくアパートで暮らす人がほとんどです。
もちろん歴史地区ではポルトのようなアパートもたくさんありますよ。

リスボンも坂の街です

それから近代的な建物があるエリアではデザイナーマンションもあります。

ヨットをモチーフにしたマンション

ポルトガル南部の家は白い壁とフラットな屋根が特徴です。
年間を通して最も温かく家で過ごすよりビーチに行く人が多いからでしょうか。
北部よりは家の中に時間とお金をかけていない印象があります。

フラットな屋根

白い壁にとにかく映えるブーゲンビリア。ポルトガルらしいですね。

いかがでしたか?
ポルトガルに行く際は色々な家を見てみて下さいね。
グループで旅行する際は、一軒家を借りてみるのも楽しいですよ。
ホテルに泊まるよりずっと安いので、ポルトガル人は一軒家を5~6人で借りて旅行しています。現地での暮らしを味わいたい人にはお勧めです。

ではまた次回!