ANIMAL WOOLってなに?
たくさんあるウール以外の「毛」
wool(ウール)と言えば、一般的には羊の毛(羊毛)をさしますが、広くは動物の毛(獣毛)全般を含むこともあります。わかりやすく区別するために、獣毛を「animal wool(アニマルウール)」と呼ぶようにしてます。しかしながら、アンゴラやアルパカ、キャメル(らくだ)などもウールに含むことがあるのでさらにわかりにくいことになります。(スチールウールが鉄わたなので「もじゃもじゃのわた状のもの」をさすのかもしれません。わかりません。)
羊の毛は「wool(ウール)」それ以外の毛は「hair(ヘア)」とする場合もあるようです。
「animal wool(アニマルウール)・hair(ヘア)」とはどんな種類があるのでしょうか。
獣毛の代表的な品種
- 兎科(ウサギ)
- アンゴラ兎(アンゴラ兎毛)
- 家兎
- 野兎
- 山羊科(ヤギ)
- アンゴラ山羊(モヘア)
- カシミヤ山羊(カシミヤ毛)
- その他の山羊(アイベックス山羊・チャングラ山羊など)
- らくだ科
- らくだ
- ふたこぶらくだ(キャメル毛)
- ひとこぶらくだ
- リャマ
- ピキューナ(ピキューナ毛)
- アルパカ(アルパカ毛)
- リャマ(リャマ毛)
- グアナコ
- その他の毛
- ポッサム(フクロギツネ)
- ミンク・チンチラ等毛皮に使用される動物の毛
アンゴラ兎(アンゴラ兎毛)
アンゴラ兎からとった毛で光沢が良く柔らか。毛には縮み(縮れ)がないので、それだけで紡績することは困難で、羊毛と混ぜて使われることが多いです。長さは1年1回剪毛のもので10~13cm。太さは0.01~0.03mmくらい。色は純白で柔らかく滑らかですが、強度も比較的劣るのが欠点です。
アンゴラ山羊(モヘア)
トルコ原産のアンゴラ山羊からとった毛です。毛は長く(100~300mm)、羊毛のようにスケールが飛び出していないため、絹のような光沢があり、強く、弾力性に富んでいます。30~50%くらいの羊毛と混紡するのが適当で、服地の他、ニット、ショール、帽子、装飾用織物に使われます。
カシミヤ山羊(カシミヤ毛)
ヒマラヤ地方原産のカシミヤ山羊からとった毛です。カシミヤは標高の高い山地に生息しているため、自分の身を守る為に保温性の高い毛を身につけます。毛は細くて非常に柔らかく、手触りがなめらかです。長さは38~90mm、スケールは羊毛の約半分で美しい光沢があります。羊毛に比べ、かなり高価で、高級ニット糸として扱われています。
ふたこぶらくだ(キャメル毛)
アジア毛のふたこぶらくだの毛。昼夜の寒暖差の激しい地域で育つキャメルも自分の身を守るため保温性の高い毛を身につけています。長さは50~65mmで太く、色はキャメル色で脱色できません。スケールも縮れもありますが、手触りはきわめて良く、カシミヤのようにやわらかく保温性に富み暖かい高級ニット糸です。
ビキューナ(ビキューナ毛)
南米のアンデス山脈にの高地にすむビキューナからとった毛です。ビキュナとも呼ばれます。性質が粗暴で飼育が困難な上、1頭からわずか1.5ポンドの毛しか採れないため、きわめて高価となっています。 その毛は獣毛中最も細いといわれ、手触りはきわめて柔らかです。服地、ショールなどに使われますが桁違いの高値で他の繊維とは別格の扱いになっています。
アルパカ(アルパカ毛)
南米のペルーの山地に生息する1種の山羊の毛でこの地方だけの特産です。繊維の表面はきわめて平滑でスケールは少ないです。クリンプもほどんど無く手触りが滑らか。太さは0.3~0.35mmぐらいで長さは10~23cm、時には40cmに到達するものもあります。
リャマ(リャマ毛)
南米・ペルー、チリの山野に棲む鹿のような動物で、ラクダと羊の中間に属するところからキャメル・シープとも呼ばれます。色は灰褐色で繊維は太く長いですが、弾力性に乏しいので羊毛と混ぜて使われることが多いです。
グアナコ
ペルー・アルゼンチン・チリを中心とした南米山岳地帯、半砂漠地帯、サバンナなど幅広く生息しますが、ビキューナ同様、ワシントン条約で保護動物となっていることから、年々希少価値が高まっています。繊維が細く、カシミヤを超えるしなやかと美しい光沢が魅力。また、自然で美しい茶色が珍重されています。
ポッサム(フクロギツネ)
オーストラリアやニュージーランドに生息するポッサムから採取されます。ポッサムの繊維は動物界でも珍しい中空構造になっており、非常に軽くて保温性が高いという特性があります。表面は毛皮の雰囲気が強く出ており綺麗な光沢があり、ミンクのような毛足の長いふわっとした手触りです。
いずれも希少性が高く、寝具の素材としては不向きですが、その中でもふたこぶらくだ(キャメル毛)に関しては、弊社でも取り扱いがあります。
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