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第1回のレポートテーマは「ロブスター」です。結婚式やホテルのディナーなどでしか馴染みのない「ロブスター」という食材を、少しでも身近に感じていただくために、つづるスタッフが実際にロブスターを料理してみました。また生きたままのロブスターを観察て気づいたことや発見、楽しかったことや難しかったことなどを綴っていきます。

ロブスターは発泡スチロールの箱に入ってやってきます。重さは梱包数によって異なりますが、今回は約2kg。耳を澄ますと中からカサカサと微かな音が…

恐る恐るフタを開けてみると、
濡れた新聞紙(※1)があります!
微妙に動いています!!
めくってみると…

ジャーン!!
生きたロブスターが4匹登場です!

何か黒いです!!
密集してます!!
第一印象は正直、怖かったです。これから彼らを料理していくんだと思うと少し重い気分になります。。

えっ、かわいいよ!

いきなり手掴みするスタッフのあや…
いつもは大人しいのに意外な一面が知れました。

※1 ロブスターの鮮度を保つため活きたままお届けします。またロブスターを保存する際は、たっぷり水を含んだ新聞紙で軽く包んで冷蔵庫で保存してください。(到着後1日〜2日程度)


オマールとロブスターの違いは、わかりますか?実は、どちらも同じものです。違いは、オマールはフランス語で、ロブスターは英語だという点。また、ヨーロッパ産とアメリカ産で大きく2種に分かれており、前者は高級食材として扱われております。今では混乱を防ぐために「オマールロブスター」などと呼ばれることもあります。

改めて、まじまじとロブスターを観察してみると、いろいろと気づくことがあります。

1.クラッシャー爪
主に物を砕くときに使う爪。

2.ピッチャー(ビンサー)爪
主に獲物を挟む時に使う爪。

3.顔
何とも言えない表情。実は歯は口ではなく、胃にあります。

4.尻尾
よく見ると尻尾の先に細かい毛が生えています。海底や岩場を移動する時に傷付けないためのようです。

爪を広げてみると、こんな感じです。
強そうです!!男らしいです!!

両爪を全開まで広げて見ると、全長より長くなりました。どこの部分が一番美味しいのでしょうか?早くも食べるのが楽しみです!

ちなみにロブスターの寿命はきわめて長く、100年とも言われています。

今回のロブスターは4匹ともオスだったので、性別による味の違いは分かりませんでしたが、オスの方がメスよりもハサミが大きく、肉も大きめだと言われています。また、胴と尾の境目にある二本の触覚のようなものがオスの生殖器です。

やはり、一番気になるのは爪の強さ!巷では簡単に指を折ってしまうほどの力があると言われています。その爪の強さを検証してみます!

ゆっくりと爪のゴム(※2)を外します。

おお!

さすがに指を入れるのは気が引けるので、割り箸で作った旗を持たせてみました。

けっこう力強いです! が、さすがにお疲れ気味なのか、すぐに離します。。。

また外殻は非常に固くザラザラしています。 爪でかるく弾くとコンコンなります。

ちなみに、若いロブスターは年に数回脱皮(オスが2回、メスが1回)すると言われ、脱皮するごとに10〜15%ほど大きくなるそうです。ちなみにメスが脱皮して殻が柔らかいうちは、そばでオスが外敵から守っているらしいです。

男らしいです!!

※2 安全面を考慮して、ロブスターには始めからゴムバンドが装着されています。調理の際、外したりする場合には挟まれて怪我をしないようにご注意ください。

触れ合い過ぎたのか、衰弱してきた気が… 元気を出してもらうために、保冷剤をいれてみました。新聞紙で包んで、しばらく休憩です。

次はいよいよ料理スタートです!

しかし、ここまで来ると、ロブスターに対して怖いという感情はなくなり、むしろ愛着が湧いてきます。
名前まで付けちゃったし。。

右:サバンナ(さばく用)
左:ゆですけ(ゆでる用)

今回のメニューは5つ。
1.ロブスターのソテー〜香草とガーリック風味〜
2.ロブスターのボイル
3.ロブスターのスチーム
4.蒸しロブスターとアボカドのネギマヨ醤油和え
5.ロブスターのお味噌汁

まずは生きたロブスターを半分に切ります!正直、愛着が湧いてしまっていたので、なんだか切るのが忍びない気持ちではありますが、ここは食材として残さず食べようと決意していざ!

美味しく食べるからねっ!!
グサッ!!

固い。。めっちゃ固いです。
確かにいつものお野菜やお肉を切る感覚ではまるで切れません。包丁を立てて力を込めて勢いよく突き刺してから切っていくと上手く切れました。
また、爪や足の部分はキッチンハサミのほうが切りやすかったです。

半分に切ったロブスターを炒めたガーリックの上で焼きます。いい匂いがしてきました!

アルミホイルで旨味をを閉じ込めること少々、赤くなりました!知ってるロブスターだ!一気に美味しそうになりました!

お皿に盛りつけて1品目の完成です。

つぎは、ボイル。ロブスターが完全につかるよう、たっぷりの水を用意します。塩を少々入れて沸騰させてからロブスターを入れて15〜20分程度ボイルすれば完成です。

ボイルした後はすぐに冷水にくぐらせて、身を引き締めればさらに弾力が増します。

かなり赤くなりました!
焼きよりも赤みが強いです。

新鮮なロブスターの風味をシンプルに味わいたいならボイルが一番オススメです。

つぎは、蒸し。蒸し器が無くてもOKです。鍋の中に逆さまにしたザルを置いてその上にロブスターを置きます。蓋をして10〜15分程度蒸せば完成です。

蒸した後はロブスターを下向けに鍋の淵に頭をぶら下げて、しばらく置きます。そうすることでロブスターの不要な成分が流れ出して、旨味だけが残ります。

こちらも、かなり赤くなりました! ボイルと同じくらいの赤さです!

ボイルと蒸しとでは、味にどのような違いがあるのでしょうか。楽しみです!

2匹目は殻を外してネギマヨ醤油で和えます。この時に残った殻を器に盛りつけると、一層、華やかに!とてもプロっぽく見えます。

最後に、お味噌汁。合わせ味噌で簡単に味付けした出汁に、殻をぶち込みます!この時、殻はざっくりと切っておくと、出汁が無駄なく出ます。

隠し味に白ワインを少々加えて。味を整えると完成!ものすごく贅沢な一品です。

ロブスターには、胸や腹、尾や爪、足のすべてにおいしいお肉が詰まっています。食べられないのは胃袋のみだそうです。

ロブスターをさばく際に使用する道具は包丁、キッチンバサミ、ロブスタークラッカーが一般的です。今回は大きな部分(頭や胴)を切る時は包丁で、細かい部分(爪や足)を切る時はキッチンバサミを使用しました。また、切り口を作るために殻にロブスタークラッカーで穴を開けるとハサミの刃を入れやすくなります。

乾杯ー!!
おお〜すごい、パーティーみたい!
たくさん作ったから、かなり時間がかかってしまったけど、初めて扱った食材にしては上手く料理できたと自負しております!さっそく食べてみましょう!

焼きは素材そのものの魅力が大きく影響するので、新鮮なロブスターを豪快に食べたい方にはピッタリです!表面に焼き目を付けることで、旨味を中に閉じ込めるので焼きの香ばしさと相まって、とてもジューシーな食感を楽しめます。

注意事項としては、焼きによる料理は熱いうちに食べなければ旨味が半減してしまいます。焼きで食べる時はテーブルのセットや準備などを前もってしておく方がいいでしょう。

ボイルすることで身が引き締まり、食感はプリップリです。弾力はものすごく、ギュッとしています!

ボイルだけでシンプルに食べるのも十分に美味しいですが、これを素材にすることで幅広い料理が作れそうです。

今回は時間の都合上作れなかったですが、グラタンやパスタなどでもボイル特有の食感を活かせそうだと感じました。

蒸しはボイルに負けず、食感はプリプリ+ふっくらという感じです!

直接火や水に触れないので、形もきれいに仕上がります。また熱湯につけ込まない分、余計な旨味が流れずに、ロブスター本来の味がしっかり残っています!

いい意味で淡白な部分もあるので、他の食材や調味料と組み合わせることで、さらなる魅力を発揮しそうです!

ロブスターの出汁はカニやエビの出汁の様に、深みやコクがあるというより、あっさりしています。

かといって主張が弱いわけではなく、やさしく自然に、料理にとけ込むといった感じです。故に、1杯で満足!というより、何度もおかわりしたくなるような味です。

お酒のシメに飲めたなら最高の1品になると思います。見た目とは裏腹に緩急のついた食材ですね。

今回の体験レポートで一番テンションが上がった瞬間は、テーブルセットの時かもしれません。お気に入りのお皿やグラス、ランチョンマットを並べては、「かわいい!」の声が響いていました。ただ料理を作るだけでなく、楽しみながら作った方がテンションも上がって美味しいものが作れそうですね。食器やエプロン、料理にまつわる道具のすべてが美味しさを左右することもあるのだと感じました。