四季咲き大輪系 HT (ハイブリッド.ティーローズ)「
ブラックバッカラ」独特の花色が印象的。
バラ栽培を安心してお楽しみいただくため、12ヶ月計画を立てよう! |
はじめてのバラ栽培(バラの育て方)5月編、もうご覧いただけましたか?
バラに限らず植物にとって一番やっかいな季節「梅雨」がやってきましたね。
気温も湿度も高く、雨が多いのに暑くて汗が出て過ごしにくい。人間と同じで植物たちも過ごしにくい毎日を送っています。私たちの手で少しでも快適に過ごせるよう、枝を間引いて風通しをよくしたり消毒したりのお世話が必要。言葉が話せない植物たちだからこそ、手をかけてあげればこんな梅雨も元気に乗り切ることができるでしょう!
【6月のバラはどんなことに気をつけるの?】
さて、6月頃のバラ栽培でおさえておきたいポイントは「枝の処理」です。え!?今までずっと良い枝を残すように言われてきたし、枝の成長が元気な花を咲かせることにつながるはずじゃ・・・。
そうです。それは間違い無いのですが、元気が良すぎて周りの枝との協調性が無い自由奔放な枝は、やはり適切な処理をしてあげたほうが良いです。今月号はもうそれだけです (笑)
あとは6月なので気温も高く、病害虫対策も本格的に必要になってくる時期です。 |
シュートとは若い枝のこと。根元から伸びた勢いのある若枝は「ベーサルシュート」と呼びます。
休眠期にしっかり根に養分を蓄えたバラは、生育期になるとドンドン根から水分と養分を枝先へ送ります。たまった養分がいき場所を失い、養分を送る場所を求めて勢いよく伸びる枝がシュートです。シュートは次の開花や株を充実させるために大切な枝ですが、度が過ぎると他の枝の生育を邪魔する「ワンパク小僧」になりかねないので、若い(子供)のうちからしっかり「しつけ」をしてあげることが重要です。
シュートとは枝のこと!
バラの枝はこんな風に伸びてきます
勢いよく伸びたシュート (枝)は放っておいても良いことがありません。 あえて残す方もいらっしゃいますが「はじめてのバラ栽培」では初心者の方がバラの花を長く楽しむために、心を鬼にして 「切る」ことを推奨します。伸びすぎたシュートを残しておくと、頂部の枝や花芽に養分が行きにくくなったり、不必要に日陰を作ってしまい花付きも悪くなります。。そして、ここがポイントですが、とにかく樹形が乱れてカッコ悪い! 見つけたら、なるべく早めに根元から切り落としてしまうのが得策です。
バラの状態別!
シュートの対処法はコレだ!
バランスを整える剪定は、とにかく「根気」が重要
くどいようですが、この作業は、秋の開花に向けてのバラにとって、非常に
重要な作業になります。暴れん坊の枝を強剪定し、他の枝とのバランスを取る
ことで、養分が均等に分散されるだけで無く、株が充実し、花の数も増えます。
それと、バランスを整える剪定を行う上で、もうひとつ重要なのが、
「太陽の位置」つまり、日光がしっかり当たるかどうか。
バラは太陽の光が大好きなので、光るを受ける面を できるだけ広く確保するこ
とも、重要なポイントです。生育が旺盛なバラは、1本 切り戻すと、他の枝が
次々と出てきて キリがありません。ベーサルシュートを剪定すれば、サイドシュート
が出てきて、サイドシュートを切ると、また ベーサルシュートが出てくる。
これの繰り替えしなんです。でも、根気良く めげずに これを繰り返すことで、
花数が増え、秋の開花が より楽しめるわけですから、ご褒美は 後に取っておきましょ♪
梅雨の時期は、病害虫たちにとって野球でいう「オールスター戦」みたいなもの。やっかいで嫌な病害虫が勢揃いしてくるので6月~7月初旬は病害虫対策を強化しましょう! 万が一 発生してしまっても大丈夫!落ち着いて対処すれば大切なバラが枯れてしまうことはありません。人間と一緒で「早期発見」が大切。 症状にあった薬剤を散布しまん延を防ぐことが、 病害虫対策にとって最も重要なことです!
マイローズ
ベニカXファインスプレー
バラ栽培において高いパフォーマンスが期待できるスプレータイプの薬剤。アブラムシやうどん粉、黒星病に効果があります。
野菜・果樹・薔薇に
ダニ退治に!ダニ太郎
梅雨時期に発生しやすい「カビ」に対して効果がある薬剤。ハダニやサビダニに、さらに卵や幼虫にも効果があります。
花・樹木・野菜に
GFベンレート中和剤
予防効果と治療効果を兼ね備えた殺菌剤。水で薄めて使うタイプで様々な病気に効果が期待できます。
発生しやすい主な病気
基本的には5月と同様ですが、梅雨を迎える6月は1年で一番病害虫の活動が活発な時期です。バラ苗に関しては無農薬栽培にこだわらず、早期発見、早期対応したほうが必要最低限の量の農薬散布で済みますし、バラを弱らせずにすみます。
黒点病 |
うどん粉病
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発生時期 6~7月、 9月~11月頃 見つけたらすぐ病気の葉を取り除き、対処薬剤を3日間隔くらいで3~4回ほどまきます。日当たりと風通しを良くして、夕方の水やりを控える、カリ肥料を多めにあげるという予防の方法もあります。 | 発生時期 4~6月、9月~11月頃
見つけたらすぐ病気の葉を取り除き、 落葉もそのままにしないですぐ始末します。対処薬剤を3日間隔くらいで3~4回ほどまきます。 |
発生しやすい主な害虫
アブラムシ
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チョウレンジバチ |
カイガラムシ |
発生時期: 4~11月頃 (早春~初夏・秋頃)
なるべく早くに発見し捕殺や薬剤散布などをします。時々薬品を変える事も必要です。消毒散布後2日後くらいの朝、 ホースの水圧で死骸は吹き飛ばします。 | 発生時期: 4月~11月頃 成虫にも薬剤は効きますが、 飛んでくるので完全に駆除するのが難しいです。被害にあった葉は取り払い、 幼虫は見つけたら捕殺します。 数が多いときには薬剤をまいてやってください。 | 発生時期: 通年 (※幼虫の活動期は春~初夏) 風通しが悪いと多発します。古い歯ブラシなどで削り落とすのが一番効果的です。枝に多くこびりついてしまった場合は、枝ごと取り払って燃すなどしてしまいます。マシン油や乳剤などを散布すると予防効果があります。 |
病害虫が発生しやすい梅雨の時期。発生したその後が大事!
ここでご紹介したのは、数ある 病害虫 の中でも、ほんの一部です。他に有名なところで、ハダニや、べと病、がん腫病などなど。少量の害虫なら捕殺も可能ですが、バラに関しては、なるべく無農薬栽培にこだわらず、早期発見、適量の薬剤散布で、大切なバラ苗を育ててあげてください。
どの病害虫にも共通して言えることですが、梅雨のような湿度が高い時期、風通しが悪い環境が、病害虫たちは大好物です。害虫たちが好みやすい環境をできるだけ作らないことも、バラ栽培において重要なポイントです。
はじめてのバラ栽培 6月編のまとめ |
樹形を乱す枝にご用心!勢いよく伸びた枝との付き合い方と病害虫対策を!
6月編で大切なことは、勢いよく伸びた枝の処理と病害虫!
シュートは残す派と切る派に分かれますが、私は断然「切る派」です。バラは花だけを楽しむものでは無く、樹形も含めたトータルで美しさを楽しむ花木なんです。だから樹形も大切!下から生えたシュートを残しておいても日陰ができちゃうし、あまり良いことはありません。
支柱を立てて上に伸ばすこともできますが、基本的には頂部をてっぺんとした扇型の樹形になるように剪定したほうが花が咲いたときにカッコイイです。
6月は蒸し暑くなってくる季節です。風通しが悪い場所は必ずと言っていいほど病害虫が発生します。もし薬剤散布に抵抗がある方は、普段から隙間を作って風通しをよくしたり、水の与え過ぎに注意しましょう!
【バラについてのまとめ】
梅雨の時期は水やりをしなくて良くてらくちん♪
なんて思っていたら大間違いですよっ!梅雨時期は気温も湿度が高く、ジメジメムシムシしています。こういう時期は、病害虫にとって最も活動しやすい気候なんです。病害虫には早めの対処をしつつ風通しの良い環境で植物を管理してあげてくださいね。
一季咲きのバラ(つるバラなど)は、開花が終わって、花がらや、切り戻し剪定、追肥をあげる時期ですね。開花で体力を消耗しきっていると思いますので、たっぷりご飯 (肥料)をあげてくださいね!
四季咲きのバラは秋にも花が楽しめます。でも、楽しむためには晩春から夏にかけての「ひとてま」がかなり重要になってきます。お庭のバラ。根元から勢いよく伸びたシュートを放っておいていませんか?放置すると、せっかくの秋バラが 楽しめなくなっちゃいますよ!シュートの管理は、子供のしつけと同じ!早いうちから、手なずけてあげることが大事です。
【バラ栽培6月編 重要キーワード】 ベーサルシュート、サイドシュート、病害虫、薬剤散布、切り戻し、適蕾、花摘み、切り戻し剪定、梅雨 |