大輪つるバラ 「 ロココ」独特の花色が印象的花持ちが良く、開花期が過ぎても 長く花を見せてくれるのが、このバラ。

苗木部 (花ひろばオンライン) はじめてのバラ栽培 7月の作業 ~目次~


  ◆ 梅雨と梅雨明けの管理方法を変えよう!
  ◆ 夏のバラの管理方法について
  ◆ 元気が無い!大丈夫?
  ◆ つるバラの夏手入れ (フェンス仕立て編)
  ◆ モッコウバラは夏に切るベシ!
  ◆ 7月に注意する病害虫
  ◆ はじめてのバラ栽培 7月編のまとめ
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バラ栽培を安心してお楽しみいただくため、12ヶ月計画を立てよう!

はじめてのバラ栽培(バラの育て方)6月編、もうご覧いただけましたか?
暑い夏は気温もグングン上昇するとともに、バラや様々な植物たちも体力を消耗する季節。そんな夏だからこそ、毎日ご自宅のバラたちの様子を観察し、一緒に暑い夏を乗り切ろう! ということで今月号ではつるバラの夏管理とモッコウバラについてスポットを当ててみます。


【7月のバラはどんなことに気をつけるの?】

7月頃のバラ栽培でおさえておきたいポイントは「バラの夏管理」です。
梅雨というのは6月から始まって7月の後半まで日本列島に停滞します。雨が多くジメジメするし、人にもバラにも非常に厄介な時期なのです。不快な季節も少しの工夫でバラと一緒に乗り切ることができます。今月号もぜひお見逃しなく!


梅雨はバラたちは水分と養分をため込み枝葉を茂らす時期。しかし、梅雨があけると一転して高温と乾燥状態がやってきます。新しい枝葉は濃い緑色に変化し、株が充実して「木」のようになります。これは与えすぎていた水分が抜け、植物本来のスリムな状態になる証拠。過度な水不足はダメですが、植物の根は水分が少ないと水を求め、根を強く張り巡らせます。そうすることで、夏バテに負けない強いバラへと進化を遂げるのです。梅雨時期とその後で管理方法をガラっと変え、強いバラを育てていきましょう!
梅雨時期は水分も栄養も吸収して、プクプクの状態です。人間で例えるとぽっちゃり水太りしている様子です。
梅雨明け後は一転、強い日差しと気温上昇に伴い乾燥気味に。枝も強くシャープになります。
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暑い夏もこれで安心!
のバラの生育方法はこうえる

7月のバラの管理の一番のポイントは、梅雨中と梅雨明け後の水管理の切替です。乾湿のメリハリをしっかりつけ、夏の高温期にも耐えられる引き締まった細マッチョなバラに鍛えてあげましょう。


庭植え
基本的に不要。
※雨のあたらない場所は1週間に1度くらい
鉢植え
1日1回チェックして、
土の表面が乾いていたらたっぷりと与える

庭植え
土が乾いてぐったりしていたら
株周りにたっぷりと与える
鉢植え
1日1回たっぷりと!
(土の表面もチェック!)

バラは「乾く」「湿る」を繰り返すことで強く丈夫に育ちます。逆に湿りっぱなしでは、枝葉がフニャフニャに育ち、乾燥や病害虫に弱いバラになってしまいます。特に梅雨明けからは、高温と乾燥の厳しい季節が待っているため、過保護に必要以上に水を与えてしまっては「水太り」 の弱いバラになってしまいます。バラに限らず、基本的にどんな植物にも言えることですが、夏の時期は、土の表面をこまめに観察し、乾いていたら、株まわりにたっぷり水を与えるが基本です。

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水切れを起こしいる訳でも無いのに、なんでうちのバラ元気無いの? なぜかと言うと梅雨の間、 土の中や空気中の水分をたっぷり吸収しすぎて水太りしているからです。でも、ちょっと乾燥させたり、水を与えず数日もすれば、自然に枝葉になじんで元気の無いバラはしだいに回復していきます。心配して何度も水を与えすぎると、枝葉が強くなりきれず、真夏に水ばっかり欲しがる弱いバラになってしまいます。これまでのはじめてのバラ栽培でもお伝えしましたが「過保護」は禁物。ここでも甘やかさないことが大事です。でも、真夏は気温の上昇が激しく、 放っておくとすぐに土の表面が乾いて、枝葉がグッタリしてしまいます。ここまで放置するのもダメ。株まわりにだけたっぷり水を与えることが重要です。夏場は土の表面を定期的にチェックしてあげてください。

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つるばらは放っておくと大変なことに!
つるバラののお手入れ

つるバラは放っておくとお庭がジャングルのようになります。この時期にバッサリ切ってしまいましょう。風通しも良くなり、全体の日当りも良くなります。

フェンス仕立ての場合
昨年から誘引している親枝を枝先から1/3程度、元気なシュート(枝)の手前でバッサリ切り落とします。シュートが垂れて邪魔な場合、 シュートが上向きになるようにビニール紐で縛って固定。 この枝を冬(12~1月)に曲げて誘引することで、翌春には雑誌や近所の憧れのお庭のような豪快なつるバラの花が楽しめるってわけです。


■残したシュートを軽く縛っておくと、シュートが充実し風通しが良くなるため、バラにとってもGOOD!!
■一季咲きの以外のつるバラも庭が狭くて困った場合は開花中でもこの方法で枝を抑え込むと良いです。

オベリスク仕立ての場合
オベリスク全体の高さに対して1/4~1/3程度バッサリ切り落とすことで、株元や枝の途中から新しいシュートが伸びやすくなります。シュートが垂れて邪魔な場合はシュートが上を向くように軽く縛って(フェンス仕立てと同じ)整えましょう。こうすることで、オベリスク上部だけ元気なシュートが集中することを避け、バランス良く咲かせることができます。
アーチ仕立ての場合
アーチの天井部分 (カーブしている部分) の枝をバッサリ切り落とします。株元と上部付近からシュートが伸びやすくなり、冬に誘引するとき花つきの良い元気なシュートをバランスよく配置できます。シュートが垂れて邪魔な場合は、シュートが上を向くよ うに軽く縛って(フェンス仕立てと同じ)整えましょう。アーチの内側にもしっかり日ざしが入るようになり、内側からも元気なシュートが伸びやすくなります。(陰を作らな いことが元気なシュートを作るポイント!)
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意外と知られていない!?
モッコウバラはるベシ!

モッコウバラは放っておくとボウボウになり、切る時期を誤ると種類によっては来年花が咲かなくなります。 樹形を暴れさせず、たくさん咲かせたい場合は、梅雨明け後に太いシュートをバッサリ切り生け垣のように刈り込みましょう。勢いを抑え小枝が増やすことで、来年の春にたくさん蕾をつけやすくなります。

モッコウバラ通常白花を指します。以外でしょ?黄花のモッコウバラは「キモッコウバラ」と生産者は呼びます。どちらも一重咲き・八重咲の品種があります。
白花八重のモッコウバラは、秋から冬にかけて伸びたシュートを強めに切ったり、冬の追肥が多すぎたりすると来春の花付きが悪くなります。剪定の刺激でで樹勢が強くなることが原因です。どうしても樹形を整えたい場合は、夏(7〜8月頃)に、バッサリ切って小枝を増やすとよいです。


■モッコウバラの剪定は、種類が異なっても基本的には一緒です。ただ、白の八重咲品種は秋以降に太いシュートを切ると来春に花が咲かない場合があります。

太いシュートだけバッサリ落として小枝のシュート(新しい枝)は残す。そうすると太いシュートを切ったところから、新しい小枝が出て花数も増えます。

梅雨と梅雨明け後では「バラの管理方法が大きく変わる」


水管理ひとつにしても、降水量の多い梅雨時期と同じ管理では、日差しが強い7月は水切れを起こしてしまいます。それと、過度の施肥も禁物です。
つるバラは一季咲きのバラが多い種類なので、来年の春に花を楽しむために夏のこの時期に、できるだけ期待が持てるシュートを、上向きで管理してあげてください。(ビニール紐などで縛る)
モッコウバラに関しては、生け垣向け苗と同じような感覚で刈り込みつつ、太いシュートを夏の時期にしつけてあげることがポイントです。

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7月に気を付ける病害虫

真夏の高温と乾燥で葉焼けを起こしやすい季節です。湿気が残る7月に予防と治療を兼ねた薬剤散布が必須になってきます。特に、一枚でも黒星病の葉を見つけたら積極的に薬剤散布を。早めの対処で丸坊主にならなくて済みます。この時期になるとハダニやコガネムシの被害も出てきます。
バラの病気と害虫について
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はじめてのバラ栽培 7月編のまとめ

梅雨と梅雨明けの水管理
梅雨が明けてからの水管理が一番ですが、鉢植えと庭植えでも水やりの仕方が変わってきます。真夏のバラ栽培管理にむけ、しっかり根の成長を促し暑い夏を乗り切りましょう!

モッコウバラの種類や剪定については、以外と知らない人も多い内容です。八重咲きの白花は剪定時期に少しクセがあったり、フェンス仕立ての場合は生け垣向けを刈り込むようなイメージでお手入れしたりするなど。ちょっとした工夫で来春にキレイな花をたくさん楽しめますよ!

【バラ栽培7月編 重要キーワード】梅雨明け , 水やり, 追肥 , 中耕 , マルチング , モッコウバラ , つるバラ , シュート剪定

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