気楽なふとん屋さんのカナダ出張記2

6月2日 (3日目)

2時起床。
仕事を片付けて今日も散歩に行こうと考えていたが、仕事に時間がかかったのと、今日は、移動日で荷物の片づけがあるため断念する。
7時に朝食へ行くが、昨日と全く同じメニューしかなく、やはりと思うもののがっかりする。

8時前にチェックアウトして待っていたが、アレックスはやはり時間を少し過ぎてから来る遅刻の常習犯。
我々が細かすぎるのかと思うが、国柄の違いもあるだろう。

ケベックシティまでは、3時間以上かかるので、近くのスターバックスでコーヒーを買ってから出発する。
途中、トイレ休憩を一回はさみ、ケベックシティへ一路向かう。
この間、腹痛はどんどん酷くなっていき、痛みを紛らわすために、引地さんの部署がどうやれば業績が向上するかアドバイスをする。
熱心に引地さんはメモをとっていたが、実施できるかどうかは不明。
また、引地さんは昨夜、別れてから一人で遊びに出掛けたらしく、港付近の大道芸に参加したり、チャイナタウンで美人のお姉さまから声をかけられたりと、大活躍したらしく、その冒険譚を聞かせてもらう。

11時半ごろケベックシティに到着し、昨日からヒルトンホテルに宿泊しているロマンス小杉の小杉社長をピックアップする。
さすが、ロマンスの社長は良いホテルで宿泊しているものである。

ピックアップしてそのまま船着き場へと向かうが、これも片道2時間くらいとのこと。
途中、小杉社長に昨日までのことを報告しブライアン氏から聞いた情報も含めて、今後の羽毛の戦略について私なりに提案する。

1時間くらい走ったところで、食事にしようということになり、ファーストフード店に入りミネストローネを頼むが、やはりほとんど食べられない。
スーツケースから薬を出すと、有効期限が1年以上前に切れており、逆に腹痛が酷くなるかもとも思うが、まあ大丈夫だろうと、そのまま飲む。

道中しばらく眠っていたが、2時半ごろ、港につきNPO法人であるデュベノール・ソサイエティの方々と合流し、モントリオール大学生物学の教授や設立者の一人であるエリス女史と挨拶をかわす。

ここからウサギ島(Hare Island)に渡るのは、フェリーと聞いていたが、単なる小船である。
定期的に出ているようなニュアンスだったが、これも違い、我々が行くと準備をはじめ出発するといった感じである。

今日の天気は少し荒れ気味で、雨も降っている。
気温も低くて困っていると引地さんがローソンで買ってきた、1,000円のレインコートを貸してくれたので、非常に助かる。

準備が整い出発するが、船は小さいのでかなり揺れる。 途中でブランディポット バードサンクチュアリの横を通って島へ向かうが、カモメやウミウ(?)などが本当にたくさんいて、鳥の聖域というのも納得できる。

20分ほどでウサギ島に到着し、部屋に入る。
2年前にできたばかりということで、想像していたよりもいい部屋である。
テレビやインターネット設備はないが、グローバルWi-Fiはきれいに繋がるので問題ない。

17時より歓迎カクテルということで、海沿いの建物に集合するが、腹痛でとても飲めないので、ひたすらアイダーの写真を撮る。
引地さんも一生懸命に雨の中、写真を撮っている。
私がレインコートを借りたために、雨に濡れながらの撮影なので、申し訳なく感じる。

我々が良い写真が撮れ、満足して帰ってきた頃に、飲んでいる人たちも丁度盛り上がってきて、18:30より夕食となる。

夕食はビーフかフィッシュということなので、お腹のことを考えてフィッシュを選ぶと、ポイズン フィッシュという札が置かれる。
まあ、食べられるものだとは思うが、どうせなら毒魚というより他の表現にしてもらえないかと思う。

20時半よりデュベノール・ソサイエティの活動とアイダーダウンの採取についてのカンファレンスがあり、腹痛と眠気を我慢しつつ参加する。
しかし、色々と興味深い話を聴けたので、最後まで眠らずに済んだ。

1時間ほどカンファレンスは続き、その後解散し、私は1時間くらい仕事をしてから23時に就寝する。
小杉社長や引地さんはこの後もお酒を飲みながら楽しいミーティングをしていることと思う。

6月3日 (4日目)

4時起床。
5時までに残りの仕事を片付け、トレッキングにでかける。
林の中に分け入っていくと、ところどころに綺麗な景色が現れ、鳥のさえずりも聞こえてくる。
アイダーはあちらこちらにいるので、いちいち感動するようなものではなくなっている。
しばらく歩くと林を抜け、島の反対まで到達する。
しばらく時間を潰し、帰ると丁度一時間ほどのトレッキングとなった。

7時半から朝食だが、腹痛がまだあるので、半分くらいは残すことになる。

9時ごろから岬に向かいアイダー羽毛の採取とバンディング調査に同行する。
アイスランドでは羽毛を採取した後に藁を敷き込むのだが、ここでは卵の部分をカバーできる量の羽毛を残し採取するという方法をとっている。

自然保護区の島なので、藁の持ち込みができないとのこと。
岬に到着し、アイダーの巣が、最初に見つかったときには、感動したが、いくつも見つかると当たり前になってくる。
しかし、自分でも2つほど見つけることができ、その時はうれしかった。

実際に羽毛の採取もさせてもらい、更には調査のために捕獲しバンディング(足に標識をつける)したアイダーの放鳥もさせてもらい本当に良い経験ができたと思う。

2時間ほどの採取でもかなりの量が採取でき、帰途に就く。

11時半から部屋に帰って少し休憩をとるが、疲れて寝てしまい昼食に遅れる。
昼食はスープとパンの上にチーズなどをのせたものだが、これも半分くらいしか食べられない。

食後は14時ごろから船での視察に行く。

島の周りを船で見学するが、本当に自然の豊かな島である。
アザラシの群れやベルーガという白イルカにも遭遇する。

1時間少々で戻り、18時半からの食事まで自由時間ということで部屋に帰るが、また寝てしまい今度は1時間ほど夕食に遅れる。
夕食もほとんど残してしまうので、いつものように最初から引地さんに半分以上をお願いする。
まったく引地さんはこういう時は非常に頼りになり全てたいらげていくが、全く太らないのが不思議である。

夕食のときに話を聞いたのだが、引地さんは今朝、リュックがないのに気づき、探していたものの見つからず、早朝から教授をはじめ多くの方に一緒に探してもらったとのこと。
しかし、結局、リュックは部屋の戸棚の中から見つかり大謝りしたとのこと。

21時ごろから最後のカンファレンスを始めるが、非常に議論が盛り上がり、予定を30分以上延長し22時半頃まで続いた。

カンファレンス後、すぐ部屋に戻り、明日は早いので23時過ぎには就寝する。