■本で読んで知りました。
早速、私も本を読んでみました。アレルギーの知識もいかにあいまいなもだったのか、よくわかりました。奥が深い分野でもあり、今現実に悩んでおられ方はもっと詳しい知識と対処療法をお持ちのことと思います。布団に関することがあればぜひお聞かせください。
参考文献:
「子どものアトピー診察室」三宅健著(集英社新書、2000年3月第1刷)
◎アトピーとアレルギー
現代病といわれるアトピーですが、決して「原因のわかっていない、治らない病気」ではないそうです。難しいと言われる理由は、患者ひとりひとりで病気の原因や背景が違う点にあります。アトピーの大きな特徴としては、
- かゆいこと
- 慢性に経過すること
- アレルギーが背景にあること
- 年齢によって湿疹の出やすい部位がちがうこと
があげられます。家族の中にアトピー、ぜんそく、スギ花粉症などのアレルギー疾患をも持った人がいれば、その体質が遺伝されたと考えられます。何に対するアレルギーがあるかはアレルギー検査でわかります。
アトピーの出来る場所も年齢やアレルゲン(アレルギーの原因物質)の違いによって異なってきます。布団で問題になるハウスダストやダニなどは、直接、皮膚につくアレルゲンは服におおわれてい部位には付着しにくく、首やひじなど、汗のたまりやすい場所にでます。食物アレルギーが原因であれば顔もかゆくなりますが全身も痒くなるはずです。
◎アトピーの原因はアレルギー
アトピーはアレルギーが原因で起きる湿疹です。普通に食べているものや、普通の人には何でもないような刺激に対して、からだが敏感なために、かゆみという不快な反応を起こすのです。アレルギーを起こす原因物質のアレルゲンには、食物やハウスダスト、ネコ毛などがあげられます。これらアレルゲンがIgE抗体(免疫グロブリンE)を持っているヒトの体内に入るとアレルギーが起き、かゆくなります。
とくに、乳幼児のアトピーの約80%は食物やダニのアレルギーが背景にあります。
◎主なアレルゲン
- 食物/卵・米・小麦・大豆・牛乳
(他にもエビ、イカ、タコ、カニ、野菜、果物まであります。私がキウイを 食べるとかゆくなるなはアレルギーだったのかぁ!)
- ハウスダスト/コナヒョウダニ、ヤケヒョウダニ、ネコ皮屑
- 他/スギ花粉、カモガヤ花粉、ブタクサ花粉、ヒノキ花粉、ヨモギ花粉
■アトピーを治す基本的な考え方
まずが原因を突き止める(アレルギー検査を受ける)
↓
アレルゲンの除去 X 日常の掃除とスキンケア
布団もアレルゲンのダニとハウスダストの発生場所のなる以上、取り扱いや手入れ、選び方には注意しなければならないのです。
◎ダニのアレルギーとは
アレルゲンは食物を食べて体内に入るだけではありません。皮膚に接触して、皮膚の表面でアレルギー反応を起こすこともあります。このような反応を「接触性アレルギー」と呼びます。ダニはその代表のアレルゲンです。
一般にダニに刺される(くわれる)こととアレルギーを混同されがちですが、刺すダニはマダニやツメダニですが、アレルギーの原因となるのは、もっと小さなチルダニの仲間で、大きさは0.3〜0.5ミリくらいです。コナヒョウダニ、ヤケヒョウダニはその代表格で、家の畳やじゅうたんの中には何十万、何百万のこれらのダニがいて、脱皮したり、糞(ふん)をしたり、死んでいったりしています、ハウスダストの主な成分はダニの死骸や排泄物で、これらが皮膚につくとかゆくなってアトピーができるのです。
ダニはどの家にいるのもあたりまえです。だれもがダニがアレルギーの原因となるわけではないので誤解しないでください。まずはアレルゲンを突き止めてからです。もちろん予防するに越したことはありません。
ダニのアレルギーによるアトピーの特徴のひとつにjかゆくなる場所があげられます。汗のたまる場所や皮膚が服におおわれず畳やカーペットと皮膚が接触する部位に良くできます。体で言うと、首、両肩からうなじにかけて、ひじの内側、ひざのうしろ、足首の前面、目のまわり、お尻など。
アトピーの特徴ではないですが、ダニアレルギーはぜんそくやアレルギー性鼻炎の原因となります。寝るときに鼻がつまることがい多いといった場合は疑う必要があります。
■ダニとふとん Q&A
Q.ダニのつきやすい寝具とは?
A. ダニの繁殖には気温25〜30度、湿度70%以上が最適といわれています。ポリエステルのような合繊わたは比較的からっとしているので、必要条件の湿度が少なく、ダニはあまり寄り付きません。木綿わたは湿度がありますので、ダニの繁殖条件にぴったりです(木綿わたが決して悪い性質の布団ということではありません。取り扱いが肝心なのです)。羽毛は本来はダニにとっても良い条件はよいのですが、側生地が高密度であるため、ダニが入り込むことができません。
東京都立衛生研究所での実験によると、布団(主に木綿)の表面には平均100匹、内部には10万匹以上(いずれも1uあたり)いるようです。
Q.有効なお手入れ方法は?
A. 布団を干すことと、表面のそうじです。布団を干すことで、内部の湿気をとり、熱と紫外線で殺菌効果もあります。ただ、長時間干す必要はありません。
特に羽毛布団の場合は気をつけてください。湿気の低い日(雨あがりはダメ)の午前10時ころから午後2時ころまでの間の、せいぜい2時間程度でいいです。日光にほしてもダニは表面温度の低い反対側へ移動してなかなか死滅しません。表と裏をまんべんなく干すことや黒い布を掛けると全体の温度が上がるので効果的です。
表面のそうじは日干しのあとに掃除機での吸い取りと丸洗いによって洗い流す方法がよいでしょう。
また、羽毛布団のリフォームや木綿わたの打ちなおしも湿気とごみ、ほこりの除去に有効です。
Q.特に注意することは?
A. 布団は季節性の強いものです。入れ替えの時はとくに注意が必要です!押入れにしまってあった布団を出して使うときは要注意です。押入れは、あったかく湿度も高いので、ダニにとっては快適な環境です。そのような押入れにしまってあった布団を急に出してそのまま使うのアレルギーの方には危険でもあります。ぜんそくの発作やかゆみ、鼻づまりを起こす可能性があります。布団を出したときにはかならず日干しとそのあと掃除機で表面を軽く吸引してください。
季節のあとにしまうときも、できれば家庭洗濯かクリーニングをして収納してください。すくなくともよく干してから湿気のない状態でしまうことが肝心です。また、押し入れの中の湿度を下げるように、ときどき開けたり、スノコや除湿材を利用するのも有効です。布団にも乾燥剤をいれておきます。
Q.有効な寝具とは?
A. 合繊わたのものがいいです。その中でも科学的に細菌が繁殖したり、ダニが寄り付かないようにしたものがあります。ダニを近づけない忌避剤の種類はあまり公表されませんが、カルボン酸エステルなどが使われています。抗菌、防臭の薬品もそうですが、各メーカーの実験によっひて、皮膚障害など人体に悪影響を与えることはありません。効果は後加工したものは洗濯するたびに落ちていくので、3〜5年といわれています。(素材に薬品を練りこんだものは半永久的といわれています)。
ただし、ふつうの合繊わたはあまり保温性が高いものではありません。ですから当店では、「ふかふかノンアレルギー」をおすすめしています。ふかふかノンアレルギーには薬品は使用していませんが、生地にはアレルゲンと考えられるものは使っていないオーガニックコットンを使用しています。また、中わたには、保温性が高く、何回洗っても回復力のすぐれたダンフィルわたを使っています。
■皆さんの声をおきかせください。
当店はアレルギー治療などのアドバイスできる立場ではありませんが、同じ悩みをもっておられる方の対症療法やふだんの暮らしで心がけておられる注意事項はきっと他の方の参考になると思います。ぜひ、店主あてのメールでも、掲示板でもけっこうですので、みなさまのご意見やご感想をがお聞かせください。 |