■ネコ伝染性腹膜炎(FIP)
病気の猫の唾液や尿に潜むコロナウイルスが原因で、腹膜炎や腸炎を起こし、一度発病すると死亡率が高い猫の病気の中で、最もやっかいな病気です。
このウィルスをもつ母猫の子宮や産道で仔猫が感染することもあります。感染するとほとんど100%、遅かれ早かれ死ぬことになる恐ろしい病気です。
しかし、ウイルス自体の感染力は弱いとされています。
腹水や胸水が溜まる湿性タイプと、神経・眼・腎臓・肝臓等が冒され、体内に液体が留まらない乾性タイプの2つの病状があり、お腹が大きく膨らむことで発見されるウェットタイプが多いとされています。
食欲不振や発熱が続き、下痢、呼吸困難、貧血、神経症状(てんかん、性格の変化、異常な行動、歩行困難など)も見られます。
ワクチンもなく、有効な治療法もないのが現状です。
様々な症状を和らげる対処療法と薬を使った内科療法が主体となります。抗生物質を用いた治療や、抗炎症剤、インターフェロン、副腎皮質ステロイド薬などが使われます。まだ解明されていない点が多いので、治療が難しいとされています。
猫を集団で飼うほど病気が発生しやすく、新しい猫を集団に加える場合には特に注意が必要で、必ず健康診断を受けてから、少なくても1ヶ月は完全に隔離して、問題がないかどうかを確かめてから集団の中に入れます。
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