よもぎ麩、わらび・【一汁一菜】お味噌汁中心の食事 |
【一汁一菜】お味噌汁中心の食事奈良国立博物館前に「下下味亭」というごはん屋さんがあったのを覚えていらっしゃる方もあると思います。そのお店の一汁一菜は絶品で、何とか記録に残すために本にしたいと思っているうちにごはん屋さんは止めてしまわれました。さまざま思い起こしながら少し私の想いも入れつつ、お味噌汁を中心とした食事の基本、一汁一菜を始めてみたく思います。 工芸店ようび 店主 真木
File No.24 よもぎ麩、わらび
今年は四月十二日が旧暦の三月三日、即ち上巳の節句です。平安時代、三月初めの巳の日に無病息災を願う祓いの行事があり、その時人形(ひとがた)を作って厄災を託して流したのが起源といわれています。 このところは旧暦での習慣が無くなりつつあって、新暦三月三日がおひなまつりと季節感が変わってしまっていますが、ちょうどその頃からさまざまな春の食材が出始めます。 今日は大人のひなまつりとて、すべて少し小ぶりの食器を使って軽くおしゃれに組んでみました。 蒸し寿司は具を少し吟味して、酢飯に焼あなご、しいたけ、きくらげ、のりを混ぜ、のせるものは錦糸卵と木の芽だけのシンプルなものにしました。(私はお客様用に多めに作ったちらし寿司を冷蔵または冷凍しておいて蒸しなおしたりします。) お菜はみつば・帆立貝柱・新わかめのごまあえ、椀は白味噌仕立でよもぎ麩(京・麩嘉)を温めて入れ、小さなわらびをのせています。 箸置に小さな巻貝を使ったことで三月が強調され、一汁一菜に少し変化をもたらしています。お漬物もビードロ釉の合わせ貝の鉢に菜の花の糠漬けと西瓜の奈良漬けを盛りました。蒸し寿司が盛ってある蓋物は粟田の土で作りました京焼で、蒸しものがふんわりとやわらかな感じになります。 日常的な一汁一菜も控えめながら出来るだけ季節の変化を感じさせるものにしたいものです。 工芸店ようび 店主 真木
価格に消費税は含まれていません。(外税)
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