【一汁一菜】お味噌汁中心の食事 わかめ、葱
奈良国立博物館前に「下下味亭」というごはん屋さんがあったのを覚えていらっしゃる方もあると思います。そのお店の一汁一菜は絶品で、何とか記録に残すために本にしたいと思っているうちにごはん屋さんは止めてしまわれました。
さまざま思い起こしながら少し私の想いも入れつつ、お味噌汁を中心とした食事の基本、一汁一菜を始めてみたく思います。
まだまだ暑い日々ですが、少し秋めいた装いにして早く秋風を呼んでみようではありませんか。そんな気持ちのお膳組です。
お味噌汁は夏は少し辛目でうすく仕上げ、寒い時ほど味の淡い味噌をたっぷりと用いるのがよろしいでしょう。一般に色の濃い味噌は辛く白味噌などは甘目でどろりとしていますので、そんなつもりでブレンドなさると良いと思います。二、三種類持たれていろいろにブレンドをたのしまれてはと思います。
お味噌の材料はお豆(大豆)が主体です。発酵させるために用いる麹の種類によって色も味も違うものになります。麦味噌は麦麹を米味噌は米麹を豆味噌は豆自体の麹を用いて作ります。豆自体の麹でつくる味噌が一番色が濃く発酵に長期間を要するもので、その代表は八丁味噌です。麦麹で作られるものは田舎味噌と呼ばれるものが多く、味も少しやわらかくなり赤味の褐色が多いようです。九州地方のものにこの麦みそが多いようです。
一番多いのは米麹の味噌で、米麹の含有量によってさまざまな地方の味の特長があります。京風の白味噌の場合は米麹の量が豆の量の二倍ほどと聞いています。
今回は少し塩分の多い信州味噌を使い、少しさらりめに仕上げました。
味噌汁
わかめの味噌汁はどちらのお家でも定番でいらっしゃることでしょう。わかめもお味噌汁も煮すぎないことが大切です。おねぎはなるべく細く斜め細切りにします。長い間不在になっていた黒のまり椀が来て嬉しく使ってみました。
飯
おじゃこご飯は少しよく干したちりめんじゃこを入れ、お昆布出汁で炊きます。おじゃこの塩分を考慮して塩と薄口しょうゆでお加減して下さい。生姜を千切にして少し多めに入れるとさっぱりいたします。
土っぽい大きめのお茶碗がよろしいかと思います。少し醤油の色のついている御飯を入れると初秋の感じが漂うように思います。
一菜
炒りどうふと炒り玉子と枝豆のお菜は、バター味を加えることで味に変化がつきます。お好みで味醂と薄口しょうゆ少々で味付けします。
葡萄実る季節、入荷したての染付葡萄文向付に盛りました。
漬物
水なすのおつけものをお客様からいただきました。さすが泉州の水なすは美味しく、包丁を少し入れて縦にさきました。
これも新しく来ました備前の片口鉢をちょっとぜいたくに使ってみました。
黒まり椀
「まり椀」から漆器入門されると、漆器の良さを十二分に会得されることでしょう。漆器初心者にお勧めの一品です。
奥田志郎
22,000円
染付葡萄図向付
正木春蔵さんに季節にあわせてお願いしている器があります。このうつわもその一つ。秋の器です。
正木春蔵
13,200円
灰釉ビードロ小判皿・小
お皿の上に桜が満開!桜の模様はひとつずつ丁寧に丁寧に描かれています。
有松進
3,080円
錫箸置・まくら
「にちにち箸」と共に頻繁に登場願っている錫の箸置です。
ゆり工房
2,420円
にちにち膳
気軽に「和」の時間を過ごしていただけるよう、「和」の美しい空間を身近に作っていただけるお膳を作りました。
奥田志郎
30,800円