軽快なおもてなしの料理 十一月
おもてなしの料理の中には家族へのもてなしも入っているのです。
日常の中で、時にはいつもと違う発想でちょっとごちそうをと思うのは愛情であり、作る側にもいただく側にもたのしいことに違いありません。
いつもとは少し変えてその季節らしい器を出してみる、同じものでも切り方を変えてみる。いろいろとこまかな工夫があれば料理は生き生きとするのです。
この頃はおとりよせブームとかで主婦が何から何まで作らなくても美味しいものが入手可能です。少し手間をかけ、しっかり作ったものと市販のものの組み合わせで軽快におもてなしの方法を覚え、あまり負担にならないようにすれば時々やってみたくなるのではないでしょうか。
今年は九月に入っても暑くて暑くて望月(お月見九月二十二日)の準備などとてもする気持ちにはなれないのですが、どうぞどうぞ早くお月さまの美しい季節になって下さいますように祈りながら取り合わせをしてみました。
十月の満月は(今年は十月も二十二日で大安です)各地のたくさんの神社で秋の大祭がある日です。その日のためにもと思いつつ。
つぼつぼ紋のぐい呑盆は、食卓で手渡ししながらお好きなぐい呑でどうぞ一献と言うメッセージがこめられています。そのためにだけの華奢な手がついています。弱くはなく二十年位毎日使っていただいている本湖月さまでもまだ少しも傷みはございません。高いの、低いの、開いたもの、立ち上がったもの、耳付きのもの、染付、色絵、白磁、青磁、そして土もの(粉引、刷毛目、井戸、信楽)等々楽しく取り合せてのせて下さいませ。お客様には出来るだけこすらない様に取っていただけるとよろしいのですが。
栗の葉の深皿(向付として)には秋らしく赤身まぐろの醤油漬け長芋かけや、季節のお造りを。福森さんの焼〆の徳利を取り合せてみます。地味な取り合せながらはれやかです。
月兎の皿には白ずいきのごま酢かけ・枝豆ちらしを少々たっぷり。徳利には長森さんの織部を合わせました。
一献済みました後には焼き茄子とにしん棒煮とオクラの煮合せ、芋ごはんでお月見の情感を少々。美味しいおつけもの、かいわれの糠みそ漬と煎茶を少し濃く出して。
デザートはもちろん月見団子です(大阪で唯一オーダーメード菊寿堂さん)。
織部葉形向付
「強い土」だからこその造形。見た目よりもずーっとタフです。
有松進
5,060円
染付吹墨月に兎6.5寸皿
形は李朝の写しで、図柄は古伊万里からのものです。
阪東晃司
7,150円
吉野杉ぐい呑
世界遺産にも登録された春日大社の赤杉で作られたものです。
中川清司
48,400円
黒ぐい呑盆・金箔つぼつぼ文
ぐい呑みの為のお盆を作りました。
奥田志郎
82,500円
椿皿No.1・黒
取り皿に、ケーキ皿、ちらし寿司のお皿・・・多方面でお使いいただけます。
奥田志郎
18,700円
麦わら三寸三分汲出
ざらざらっとした肌感の伊羅保焼です。すり鉢のような線刻がアクセントになっています。
海老ヶ瀬保
4,620円
金箔欅四寸二分筋目茶托・透漆
はんなりの引き立て役です。
奥田志郎
12,430円