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【12月15日/水曜日】

朝食、りんごの薄切り、いり卵、魚の煮物、三河地鶏のミンチ。
半分くらい食べてくれた。でも全部ではないので心配
昼前にカステラに埋め込んだモルヒネを食べさせた。
痛みが和らぐのかよく眠ってくれている。 夕食は一切食べず。 PM.10:30にまたカステラでモルヒネ2錠。 近くのペットショップが倒産。借金の形に犬たちが次々と持っいかれてしまうので、 あわてて4匹ペンションにつれてきた。あっという間にもらい手がついた。ほっ。 ばっちゃん、もうがんばらなくていいから、早く楽になってね。 今日は出血もひどい。湖までつれて出て、血のついた足を洗った。
【12月16日/木曜日】

朝食。サツマイモ一切れ。 卵のおじや、ふたくち。 牛乳少々。 バウムクーヘン。
だめもとで夕食に、コンビニで買ってきた黒糖パンをあげたら、気に入ってくれたようで たくさん食べてくれた。牛乳につけて食べた。 夜、出血が多い。 アメリカ製の大判のキッチンペーパーを、3枚重ねにして、寝ているばあやんのあごの下に敷いてやる。そうすると血膿がついたキッチンペーパーをいつも取り替えていれば、口元が清潔に保てます。 PM11時45分 キッチンで寝ていたので、寝室まで抱っこしてつれてきた。ぎこちない抱き方だったので バッチャンと惑っていた。今すやすや寝ている。痛みがないように。。。





【12月17日/金曜日】

昨日あんなによく食べてくれた黒糖パンには見向きもせず、ほとんど何も口にせず。 お昼に笠ママがみかんを上げてくれたら2房食べてくれた。
でも今日はそれで終了。
【12月18日/土曜日】

今日はワンワンクリスマスパーティー。健康なワンたちが次々とやってくる。 ばっちゃん、朝から水以外口にしない。 昨日獣医さんに教えていただいたように、モルヒネをつぶして、牛乳でといて注射器で飲ませた。私がレストランを手伝いに言っている間、大阪のアニーとベルの澤辺さんがきてくださり、ばあやんの面倒を見ていてくれた。そしたらなんと、スティックパン一本、玄米ご飯に一杯、みかんも食べてくれた。私イコール薬の人。澤辺さんイコール信頼できる人。
クリスマスパーティーの最中、ばあやんは本当によい子で眠っていいてくれた。

【12月19日/日曜日】

何にも口にしてくれないので、ひとまず牛乳でモルヒネを飲ませた。
もしばっちゃんがどこも悪くなく、老衰による寝たっきりとかであれば、このように無理をして薬など飲ませないが、痛みを取ってあげないと、生きている間かわいそうだから。。。 水を飲んだらなんと、昨日やっと2房食べてくれたみかんが口の中のどこかに張り付いていたようで、出てきた。。。がっくり。
カメラマンの木寺さん、富士の山口さん、大阪の澤辺さん、次々とお別れに見える。 スプーン一杯だけ牛肉おじや食べた。



「ばっちゃん がんばってよ。。」ばっちゃんのことが心配でたまらないピオ君。

【12月20日/月曜日】

朝から水だけしか飲まない。 思い切ってモルヒネ、鎮痛剤、お薬を牛乳に溶かしてあげた。 昼下がりに笠パパに手伝ってもらって、湖畔に日光浴に行った。 とても気持ちよさそうだった。貝を湖に投げたら急に立ち上がり、水際まで行った。 でも何も食べていないので足がふらつく。 行きも帰りも抱っこ。


【12月21日/火曜日】

薬を無理やり飲ます私のことが嫌いかも。
獣医先生来てくれた。あと一週間持たないかもと言われた。
ばっちゃんの手足の先がちょっと冷たくなっているのが気になる。 もんだら少し暖かくなってきた。 きょうで2日間何も食べない。 本人ふらふらです。
ばあやん、眠るように天国のみんなの元に行ってくれればいいのにな。。。。
いつもペンションのほうで私は夕飯を食べるが、今日に限って、何かあるといけないと思い、笠ままとめぐちゃん呼んで、自宅でラーメンと餃子を食べた。
ばあやんは私たちに背を向けて、「自分たちだけパクパク食べて、、、」とでも言いたげの様子。とてもすまない気持ちだが、悲しいかな私の食欲が優先してしまう。 モルヒネを飲ませてから抱っこして寝室へ。
もちろん自力でも歩けるが、かなりふらふらなので、抱っこした。


【12月22日/水曜日】

夜明け前の3時半。
自力で廊下を歩いて水のみ場に向かうばっちゃんに気づき、飛び起きて水をデリバリー。でも、飲もうとするとへなへなになってしまい、こぼした水の上にぺたんと寝てしまう。私も眠く目が開かない。眼をこすり、がんばれ!と自分を奮い立たせ、もう一度水を飲ませた。がぶがぶ飲んだ。 どうしよう、ここで寝させてよいものか。と妥協しそうになったが、そうは行かないぞと、 力を振り絞って寝室に戻した。

4時ころ、頭を上げるので起き上がろうとしているのか、と思い頭に手を当てたが、本人力が入っておらず、抱っこをしてみたけれど、ぐったり 首が座らない。場所を変えたいのかと思い、もうひとつのベットに苦労してやっと移動。
変な寝方になってしまったのが気になり、元のアンチバクテリアルオーソぺディックに移動。その瞬間私も気を失ったように寝てしまった。
しかし、「がんがん」という音に眼が覚める。起きようとして起きれず。 後ろの木の扉にぶつかっていたのだ。私はあまりにも眠く、夢の中でがんがんと音が聞こえた。ハッとわれに返り、眠っている場合じゃないよ!と大慌てでばっちゃんの元に。
手が少し震えていた。後でわかったが、このときにおしっこ出てしまったようだ。場所を移動したくても、体がもう動かなかったようだ。 「そうだ!移動してみよう」と、おしっこにも気づかない私は、ばあを抱っこして冷蔵庫の横のビーズリーズに移動した。抱っこをしている間、いつもと違いさらに全身の力が抜けていた。 手は冷たく震えていた。夜中にばあやんの手を握りながら、耳かきをしていたら、ぐ〜ん ぐ〜んと聞いたことのない声でうめいた。何回も。なんだろうと不思議だった。 そのころばっちゃんの目は死んだようになっていたと、後になって思う。
朝7時にもうだめかも、と思い昨日から泊まっているデイジーコレクションの田中さんに 電話してきてもらった。笠ちゃんたちも駆けつけてくれた。長かった夜を抜け、安心してしまった私は7時半ころピオ君、ウル、ゴディを連れて散歩に出た。 途中昇った太陽に向かってお祈りした。

「神様、宮崎和世と申します。愛犬のばっちゃんがもうすぐ神様の下に行こうとしています。どうか苦しまず、安らかに最後が訪れますように お願いします。」
すぐに、「バッチャンの呼吸が荒いから早く戻って」と携帯にtelあり。すぐ前にいたのであわてて家に入った。 虫の息とはこのことだ。でも水を飲ませたら飲んだ。 もういいと思った。早く楽になってと思った。 あまり覚えていないが、穏やかだったと思う。 神様はお祈りを聞き入れて下さった。目も口も閉じ、おしっこもウンチもなしで眠るような最後でした。
痛みから解放されて、今ばっちゃん姫はトナカイさんが運転するマリンジェットにまたがって、迎えに来たラリー王様、ノア姫、懐かしい仲間たちに連れられて、 天国で楽しいクリスマスを過ごすために、私より一足先に行ってしまいました。 22日の夜から、私の経営するフレンチレストランではクリスマスディナーが始まりました。本来ならば、目の離せないばっちゃん。私がいないところで苦しんでいたらどうしよう、血がたくさん出ていたらどうしようと気をもんでいました。
ばっちゃんはそんな私に、 「大丈夫だよ、おかあさん。ディナーを楽しみに来るカップルさんたちに失礼のないよう、思いっきりお仕事してね。」と言っている声が聞こえるようでした。 「ありがとう。ばっちゃん。よく頑張ったね。えらかった。」

私の元にきてくれた6年間。ばっちゃんのママに私を選んでくださった神様に感謝。 神の子といっても不思議ではない、不思議なパワーを持っていたばっちゃん姫。 できる限りのことをしてあげた。ばあやんのために燃えつくしたという感じ。。。 この世を去って、尚、皆の心に残るばっちゃん。 大好きだった子。 天国から迎えに来たサンタさんと懐かしい仲間に囲まれて、神様の下に帰っちゃった。 21日のクッチェッタのクリスマスパーティには出席できなかったけれど、 天国でラリー、ノア、チャンス、みんなで楽しいクリスマスパーティだね。



「ばっちゃん。これがあなたと一緒に見る最後に見る浜名湖になるかもね。
うちに来てくれてありがとうね。ばっちゃん。」



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