アリアニコ デル ヴルトゥレの世界を変えた造り手 『スローワイン』でバジリカータ州で唯一、カタツムリマークを獲得 |
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■ 7世代続くブドウ農家出身のジェラルド ジュラトラボッケッティ氏が一代で築いたワイナリー | | カンティーネ デル ノタイオは、バリ大学出身の農学士、ジェラルド ジュラトラボッケッティ氏が1998年に立ち上げたワイナリーです。ジェラルドの父は有名な公証人(ノタイオ)でしたが、彼は父の跡を継がず、農業を学ぶことを選択。そして大学卒業後は公的機関とともに共同研究を行ったり、大学教授として教鞭をとったりと、バジリカータの農業において重要な役割を果たしてきました。
ジュラトラボッケッティ家は7世代続くブドウ農家。祖父のジェラルドが1920年代に購入した土地を相続したジェラルド氏はブドウ栽培への熱い情熱と研究者としての経験をもとにワイナリーを立ち上げ、バジリカータの歴史と文化、そして伝統と改革の両方を共存させることでアリアニコ デル ヴルトゥレの価値を高めることに全力を注ぎました。
現在、カンティーネ デル ノタイオは3つの偉大なアリアニコデルヴルトゥレを造り、それぞれ高い評価を受けています。イタリアソムリエ協会の『ビベンダ』ではバジリカータ州で最多となる累計15個のチンクエグラッポリを獲得、スローフードの『スローワイン2014』ではバジリカータ州で唯一、カタツムリマーク(※)を獲得。「カンティーネデルノタイオほどアリアニコデルヴルトゥレの世界を変えた造り手はいない」と称えられています。
ワイナリーの名前はジェラルドの父がノタイオ(公証人)であることから付けられ、ワイン名もノタイオが用いる法律用語から付けられています。
(※)「香りや味わいなどワインそのものの品質に加え、テロワール、環境、アイデンティティを表現している造り手」に対してスローフードはカタツムリマークを与えています。 |
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■ ヴルトゥレに育つアリアニコは晩熟。ゆっくりと熟し、収穫は10月中旬から11月中旬 |
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アリアニコは古代ギリシャ時代から知られた品種でヴルトゥレ山の斜面に栽培されてきました。カンティーネ デル ノタイオの畑もヴルトゥレ山腹の標高450〜600mの高い位置にあります。プーリアとカラブリアに挟まれたバジリカータは南イタリアの温暖なイメージとは程遠い冷涼な気候で、イタリアの年間最低気温を記録するほど寒い土地。
ヴルトゥレのアリアニコはそのため、晩熟となり、だいたい10月中旬から11月中旬にかけて収穫することになります。火山性土壌の肥沃でミネラル豊富な土壌、そして地中はトゥーフォ(凝灰岩)という貯水性の高い地層が1m以上もあるため雨の少ない時期でもブドウ樹は地中から水分を吸収することができます。 |
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■ 成熟具合によって収穫時期をずらして造られる個性の異なる4つのアリアニコ |
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カンティーネ デル ノタイオはアリアニコ デル ヴルトゥレ地区内の5つのコムーネ(リオネーロ、バリーレ、リパカンディダ、マスキート、ジネストラ)に30haの畑を所有、アリアニコを中心に、土着品種マルヴァジア、モスカート、フィアーノ、さらにシャルドネ、ソーヴィニョンを栽培。所有する畑ごとに土壌タイプや気候条件、畑の向きを分析。アリアニコに最適の畑を選別、個性の異なる3つのアリアニコ デル ヴルトゥレと1つのアリアニコIGTを造っています。
フラッグシップのイルシジッロの収穫は11月下旬から12月上旬。やや過熟気味から乾燥が始まっている状態で収穫します。ジャムのようなニュアンスと甘みを感じる複雑味にあふれた味わいに仕上がります。
ラフィルマの収穫は11月上旬。十分に熟したブドウから力強く、ビロードのようななめらかさのあるワインが造られます。イル レペルトリオは成熟を迎えた段階で10月中旬から下旬にかけて収穫します。アリアニコらしい豊かな果実味と心地よいタンニンのバランスのとれた味わいになっています。
ラットの収穫が最も早く、10月上旬頃、熟し始めのタイミングで収穫されます。マセラシオンも約6日間と短く、フレッシュな果実味を楽しむことができます。 |
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■ リオネーロの市街地の地下にある1600年代の洞窟を貯蔵庫に |
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ワイナリーを始めるにあたって大切にしたことがヴルトゥレの伝統的なワイン造り。1600年代にフランチェスコ修道会が実際に使っていた古い洞窟をワイナリーの貯蔵庫として再利用することにしたのです。トゥーフォと呼ばれる火山性凝灰岩を掘って造られた洞窟は温度と湿度が年間を通して一定で、ワインを熟成させるのに最適な環境。いくつもの小さな部屋があり、その部屋同士が細い通路でつながっているこの洞窟は古くから「ファチーレ」と呼ばれた伝統的な建築です。
カンティーネ デル ノタイオは、この洞窟を購入し、その上にワイナリーを構えています。4つのアリアニコはこの洞窟内におかれた木樽でゆっくりと熟成させています。 |
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洞窟内のひとつの部屋には精巧なプレセーペ(プレセピオ)が置かれています。ジェラルド氏はかつてのヴルトゥレの人々の暮らしぶりを様々な仕事の様子を再現、当時の社会の縮図を表現しています。そこにはブドウ畑や収穫の様子も描かれていて、とても興味深いものになっています。 |
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2014年4月 ワイナリーにて |
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