デザインインテリア特集

デンマークが生んだ北欧家具の代表ブランド フリッツ・ハンセン

フリッツ・ハンセン社の創業は1872年。20世紀に入ると、アルネ・ヤコブセン、ハンス・J・ウェグナー、ポール・ケアホルムをはじめ、優れた建築家、デザイナーと協働し、近代的北欧デザインを世界に定着させ、多くの歴史的名作家具を生み出しています。そのデザインコンセプトは「シンプル」「機能性」「革新性」「永遠性(時代を超越したデザイン性)」。どの作品を見ても、この4つのコンセプトが誠実に貫かれているが分かります。また、デザインだけではなく、高度な製造技術、品質管理システムにより保証された製品の信頼性も、フリッツ・ハンセンならではの魅力です。

Arne Jacobsen

建築、家具、食器、カトラリー、照明、テキスタイルと生活に関わるあらゆるモノに関わった建築家、デザイナーです。当時、新素材だった成形合板、スチールなどを活かした作品でデンマークに新しいモダンスタイルを確立する先駆者になりました。機能美だけではなくフォルムの美しさ、心地よい使用感などぬくもりのある美しいデザインで制作された代表作となった有名なアントチェア、セブンチェアは没後30年以上経た現在でも人気は衰えることなく、数多く製造され、多くのファンに愛用され続けています。

アントチェア ( Ant chair )

1959年にアルネ・ヤコブセンがデザインしたアントチェアは、3本脚のチェアに2本足である人が座る事により合わせて5本の脚で安定感のある機能を満たすという独特のコンセプトを元にデザインされています。

世界で初めて座面、背面を1枚の3次元9枚レイヤーの成形合板で作られ、4本脚には見られない成形合板のシートと脚の美しいバランスが魅力のチェアです。

スタッキング機能を持ち、積み重ねたときに座面が痛まないようにパイプ脚が座面に当たる部分にクッション材をつけているという細やかな配慮もされています。

セブンチェア ( Seven chair )

アントチェアの後継モデルとして1956年に発表されました。

座面は薄い9枚レイヤーの積層合板で構成されており、外側を美しい木目の仕上げ板で挟み、3枚目を横目使い、中央はたれ目使いにし、それぞれの板の間に2枚のコットンテキスタイルを挟み込み、椅子の形に3次元成型した高度な技術で作られています。その結果セブンチェアの特徴でもある軽さと強度に優れたチェアを生み出したのです。

14mmと細いミラークロームまたはサテンクローム仕上げのスチールパイプで支えられた軽快な姿はバタフライチェアの愛称を持ち、アントチェアと同様にスタッキング機能もついています。