デザインインテリア特集

art + technology (芸術と技術)

1935年にアルヴァ・アアルト自信が設立した北欧モダンを代表する家具ブランド。アートとテクノロジーの融合により、モダン家具を追求するという先進的な試みでした。正確なフォルムと安定した品質を供給し、現在でもその技術を引き継いでいます。木材を近代的な素材として確立した、まさに芸術的な技術の功績は現在でも高く評価されています。アアルトの意志を継承するアルテックの歴史は、これからも続きます。

Alvar Aalto

フィンランドの建築家で自然素材を近代建築へ巧妙に取り入れ、温もりのある作品で知られるモダニズム建築の巨匠です。人の生活を中心に考えられた建築・家具・照明器具・ガラス器など自然なフォルムでどんな空間でも調和するデザインで幅広く活躍しました。フィンランドをこよなく愛し、素材を活かした温かなオーガニックデザインでモダンな作品を数多く残しました。

アアルトチェア

アアルトがデザインした家具の特徴は、木を曲げる独特の手法にあります。
アアルトの家具に使われている木材は、フィンランド産です。同国で産出される木材は、松やモミ、白樺がほとんどで、一般に家具材として使われる堅木はありません。このため、アアルトは積層合板の成形と曲げ技法を開発する事で、堅牢な家具を作り上げました。

たとえばアアルト家具の原点とも言える「スツール60」の場合、脚部の曲げ成型する部分には無垢のバーチ(樺)材の一部に筋目を入れ、さらにラメラと呼ばれる薄い木片を挟み込み、ラミネート状にした物を曲げます。これはフィンランド伝統の「挽き曲げ」技法を応用したもの。それまでの蒸して曲げる技法に比べて強度があり、狂いが少なく、テーブルの脚など大型材にも適用できます。スツールには、このシンプルな「L脚」を基本に2本を接合させた「Y脚」、さらに多数の脚を扇型に組み合わせた「X脚」など、バリエーションがあります。

アアルトテーブル

新しい製造法は家具デザインに革新をもたらしました。スツール、チェア、テーブルの脚はネジでしっかり固定され、ジョイントやサポートといった余計な部品は一切必要としません。その結果、見た目もすっきりとしたデザインを可能とし、耐久性と時間を超えた独自のクオリティを実現したのです。