1966年、HEiL Sound(ヘイル・サウンド)設立。
Bob Heilは、ライブ用サウンドシステムの専門家として、地元St.Louisを中心にいくつもの現場をこなしていました。 そして、1970年2月、Bob Heilに一本の電話が掛かってきます。

「やぁ。君が、凄く大きなPAシステムを持っていると訊いて、電話したんだ。」

それは、Greatful Dead(グレイトフル・デッド)のJerry Garcia(ジェリー・ガルシア)からの電話でした。

事実、Bob Heilは、地元のFoxシアターから譲り受けた、巨大なAltec Lansing A-4スピーカーキャビネットに15”のJBL D140sを仕込み、更には4基のラディアル・ホーンを組み合わせた、前代未聞の大型サウンドシステムを構築していました。当時、ビートルズのスタジアム公演でさえ、10”のボーカルPAシステムが使用されていた時代でした。

その後、HEiL Soundの巨大PAシステムは、Greatful Deadのツアーに帯同され、無くてはならない機材としてGreatful Deadを支えます。
現代に至る、巨大PAシステム時代の幕開けでした。


その一夜をきっかけに、Bob Heilには多くのアーティスト達からのオファーが舞い込む事になります。

The Who, The James Gang, Jeff Beck, ZZ Top, Humble Pie, Seals & Croft, Bachman-Turner Overdrive, Leslie West, J. Geils, Ike and Tina Turner, Chuck Berry etc.etc.




Bob Heilは、パラメトリックEQや、エレクトロニック・クロスオーバー回路、Peter Frampton(ピーター・フランプトン)で知られる『Heil Talk Box』等々を発明し、多くのアーティストを支え続けます。








時は過ぎ、2000年代を迎えたある日、Bob Heilは、Joe Walsh(ジョー・ウォルシュ)の自宅で、それ以前に彼にプレゼントしたHEiL Sound製のアマチュア無線用マイクを手にしたJoe Walshから、「このマイクにXLRジャックを取り付けてくれないか?」、と尋ねられます。

「The Eagles(イーグルス)が今、使っているマイクは、発音が不明瞭なんだ。」

Bob Heilは考えました。“私ならもっといいものが出来る。”

Joe Walshと共に、Bob Heilは、マイク作りをスタートします。

「私が“これはイケルのでは?”と思った試作機をJoeに送り、彼はそれを彼のスタジオで聴き、そしてステージで使いました。もちろん、The Eaglesのステージで。ベータ版のテストをThe Eaglesにやってもらう、それだけで驚きです!」


そして2003年、
HEiL PRシリーズが完成します。

「3万5千円のHEiLプロフェッショナル・マイク達は、これまで、30年以上も何も変わって来なかったフィールドにおける新たな技術の第一歩です。」



今日、HEiL Soundは、Bob Heilの長きに渡る経験と、音に対する深い造詣から生まれた、定番品の数々を遥かに凌駕したダイナミック型カーディオイド・マイクロフォンの製造カンパニーとして、世界的に認知されています。

丈夫で、優美で、良心的な価格設定。HEiL Soundマイクロフォンは、世界中のコンサート・ステージで、教会で、ストリート・パフォーマンスで、レコーディング・スタジオで、放送局で、その姿を見つけることが出来ます。