ダイナミック型マイクロフォン(以降ダイナミック・マイク)は、「ムービング・コイル」原理で駆動しています。ダイナミック・マイクでは、小さな直径の薄いアルミニウムやマイラー・フィルム製のダイアフラムが、細い髪の毛の様なワイヤー線のコイルに接続され、強力な磁場の中に留められています。音の波(the acoustic sound waves)がダイアフラムにぶつかる毎に、磁場の中にあるワイヤーによるコイルは、産み出された電気信号を発生しながら、振動しています。この電気信号は、元の音の波と同じ周波数です。

強固な構造上の剛性と、低価格であること、外部電源を必要としない点、そして非常に高いSPL(Sound Pressure Level/耐音圧レベル)が、ダイナミックマイクに共通した利点となります。ライブ・イベントやコンサートにおいて、アンプ・キャビネットの前や、トロンボーンやトランペットの様な大きな音の楽器といった用途から、学校や協会の様な、激しい取り扱いが予想される場所にも理想的です。そして、抑えられた価格設定は、より多くの本数のマイクの所有を可能とし、そのことは、音響会社にとって非常に有益です。

一般的なダイナミックマイクのトランスデューサーの直径は、1インチ以下です。それらの音響特性は、誤った帯域でのピークやディップを持ち、鼻のかかった、または濁った、あるいはその両方のサウンドを引き起こしています。そして、それらの不完全なデザインのダイナミック・エレメントを電気的に“調整する”為、常に過剰なEQ補正が必要とされています。

オーディオのルール その一:電気的な“調整”では、音響の問題を解決することは出来ません!

この数年、HEiL Sound社は、ダイナミック・マイク界において、素材、技法、そしてデザインに関わる新たな
技術を提示して来ました。2005年、HEiL Sound社はPRシリーズとして
“ラージ・ダイアフラム・ダイナミック・マイクロフォン”を新たに紹介し、
これまでのダイナミック・マイクが生来抱えていた多くの問題点に焦点をあてます。

そして初期反応と周波数特性は劇的に進化し、コンデンサー・マイクの代わりに
HEiL PRマイクを使用可能とするレベルに達しました。この新たな技術は、HEiL Sound製1.5インチ径の
超大型ダイアフラムを使用し、一般的なダイナミック・マイクに使用されている1/2から7/8インチ径の
ダイアフラムと大きく異なります。

HEiL製のこれら、質量の小さなラージ・ダイアフラムは、初期応答をより早くさせ、
これまでダイナミック・マイクでは聴いた事の無い音を獲得させました。
そして、精確に配されたフェイズ・プラグ(the phasing plugv)と
独特なレア・メタルの配合(ネオジム、テツ、ホウ素)による磁石は、
これまでのダイナミック・マイク史上で見た事の無い、最も広い周波数特性を生み出しました。



これらの新たなHEiLラージ・ダイアフラム・ダイナミック・マイクは、伝統的にリボン・マイクの特徴とされる、ナチュラルで、スムースな中域特性を持ちます。
HEiL Soundのマイクは、スタジオやライブ・イベント、そしてブロードキャスト・ブースにおいて、なかなか見つからない、あるいは、これまで聴いた事が無いマイクとして、際立った賞賛を得ています。
HEiL Sound ダイナミック・マイクの革新は、これまではリボン・マイクまたはコンデンサー・マイクしか使用されて来なかった領域において、ダイナミック・マイクの利用を可能としました。HEiLダイナミック・マイク群は、あらゆる場所での比較テストにおいて、競合機種に勝る結果を残して来ました。是非、お試し下さい。




我々は、HEiL Sound PR 30とPR 40が、メジャー・スタジオにおけるプロジェクトで、リード・ボーカル用のレコーディング・マイクとして使用された事例を聞き、非常に喜びました。本来、ダイナミック・マイクがそうした場面で使用される事は、極めて異例なのです。

text from "What is a Microphone? " by Bob Heil