【アジア雑貨】 ラクダの隊商で荷を運ぶように、主にインドから生活雑貨やアクセサリー類をせっせと輸入しております 【インド雑貨】

ここでは「町工場的」なドクラ制作の現場を紹介致します。

ドクラ制作・分担作業その1
その工房は車一台がようやく通れるほどの狭い道沿いにありました。

ガイド氏の案内で中に入ると、ただ屋根があるだけの作業場で4人ほどの人が黙々と作業をしていました。

ドクラ制作・分担作業その2
このときここで作られていたのは、このようなカメの置物でした。

実はここでは、同じデザインのもの(このときはカメですが)を大量に作っているのです。

ドクラ制作・分担作業その3
作業方法は大量生産に適した「分業制」です。

たとえばこの男性は、

ドクラ制作・分担作業その4
このようにカメの首だけをせっせと作っています。

ドクラ制作・分担作業その5
そしてこちらの男性は、

ドクラ制作・分担作業その6
装飾用のパーツをどんどん作っています。

ドクラ制作・分担作業その7
そんな風に分業で作られたパーツを合わせて、ひとつの作品に仕上げて行きます。

ドクラ制作・分担作業その8
しかしこれもやはり「ドクラ」ですから、蜜蝋で形作られたものはこうして粘土で覆われ、最終的にはひとつひとつ鋳込まれて行くのです。

このように同じものを分業で大量に作ってはいても、その制作にはやはり時間と手間がかかり、そしてもちろん経験と技術も要求されるのです。

ドクラ制作・分担作業その9
そもそもドクラとは、村から村へ渡り歩いては、金属加工のできない村人に代わって作品を作って来た人たちなのです。
ところが独立後の政府の定住化政策によりそれができなくなってしまい、今ではこうして置物などを作って生活をしているのです。

ドクラ制作・分担作業その10
確かにこうした作り方では、作り手の個性はあまり作品に表れて来ないかもしれません。
しかしすべての工程は手作業で行われており、根本的な「ドクラの技術」はしっかり継承されているのです。

そんな町工場的な工房でしたが、作業場にはこんなに大きな馬(たぶん)の型が乾燥のために立てられていて、鋳込みの時を待っていました。

ドクラ制作・分担作業その11
またかたわらに目をやれば、いろいろな形をした型たちが、その胎内に命を吹き込まれる日を静かに待っております。

そんな風に独自の作品(もちろん依頼を受けての制作でしょうが)を手掛けるかたわら、その技術を存分に利用して、せっせと量産にも励んでいる現場をご紹介させて頂きました。