基本の靴のお手入れ
起毛革 編

スエードやヌバックの靴を長く履くためのメンテナンス方法。

日常のお手入れから汚れ落とし、
補色など徹底解説。

スエードやヌバック等の起毛革のお手入れの基本は「汚さないこと」です。

防水スプレーで予防し、ホコリや汚れが浸み込む前に日々のブラッシングで落とすこと、汚れを早めに落とすことが、スエード靴を長く美しく保つ秘訣です。

基本のお手入れ
(防水・ブラッシング)

スエード(スウェード)やヌバック等の起毛革靴を汚さないために大切なお手入れは、「防水スプレーで汚れを防ぐこと」「帰宅後のブラッシングでホコリを落とすこと」の2点が非常に大切です。

1. 防水スプレー

▲ 動画:防水スプレー

新品時、履き下ろす時は防水スプレーを噴きましょう。3回ほど履いたら、シワになる部分(足首の下や足指の根本辺り)を中心に再度噴きます。その際、汚れていたら先に汚れを落としてから噴いてください。

2. 帰宅後のブラッシング

▲ 動画:ブラッシングの様子

履いた後はホコリが固着しないうちに、ブラッシングでホコリを落とし、毛並みを整えましょう。些細な作業ですが効果は大きいです。

Q)「防水スプレー」と「栄養入り防水スプレー」どちらが良いですか?

靴の状態によって使い分けます。

  • 新品・状態が良い時: 栄養が入っていない「防水スプレー(ヴィオラ防水スプレー等)」がコスパが良くおすすめです。
  • 乾燥している・色が薄い時: 栄養が入っている「栄養入り防水スプレー(スエードコンディショナー等)」をお使いください。

オススメは乾燥していない時、通常時は栄養が入っていない「防水スプレー」を使用し、乾いてきたり、乾燥で色が薄くなってきた時は「栄養入り防水スプレー」を使用する等、2種類を使い分けするとコスパが良く綺麗な状態を保てます。

Q)防水スプレーの掛け方にコツはありますか?

靴を手に持ってスプレーと平行にし、スプレー裏面の離す距離を保ってかけることがコツです。

平行に保つとスプレーからの液だれでシミになることを防げます。また、距離を保つことで必要な溶剤がベストな状態で革に届きます。
※防水スプレーは吸い込まないように屋外で風上に立って作業をしてください。

オイルスエードの質感
Q)起毛革用ブラシは持っている方が良いですか?

起毛革専用ブラシは細かいパーツがついており、それぞれが起毛革のお手入れに最適です。

  • ナイロンブラシ: 全体のブラッシングに。起毛革の毛並みを整えるのに最適です。
  • ラバーブラシ: 線維の細かいヌバックのブラッシングに。スエードの毛足がつぶれた時にもお勧めです。
  • ラバーパーツ: 縫い目やコバなど細かい部分に。
防水スプレーの使い分け

汚れた場合
クリーナーの使い方

防水が効いていれば軽い汚れはブラッシングで落ちることも多いです。ブラッシングで落ちない汚れには「スエード用クリーナー」を使用します。

部分汚れや軽い汚れは、まず「消しゴムタイプ」や「ゴム素材」のクリーナーを使用してください。消しゴムを強く使うと革が痛みますので、軽く擦って落ちない場合は「溶剤タイプのクリーナー」をお使いください。

溶剤タイプを使用すると、起毛の風合いが損なわれることがあります。そのため「防ぐ、汚れないお手入れ」「汚れが軽いうちのお手入れ」がベストです。

軽い汚れ・部分汚れ

▲ 動画:起毛革用ブラシ・消しゴムクリーナー

起毛革用ブラシを持っている場合は、ゴムパーツで優しく擦ります。

落ちない場合は消しゴムタイプやクロスタイプのクリーナーをお使いください。※消しカスはブラシで丁寧に落としてください。

それでも落ちない場合は次の項目「全体汚れ・ひどい汚れ」をご覧ください。

全体汚れ・ひどい汚れ

泡や液体等の溶剤タイプのクリーナー

全体的な汚れや消しゴムで落ちない部分汚れの場合は、泡や液体、ローションなど溶剤タイプのクリーナーを使用します。
(部分ではなく全体にお使いください)

乾いた後ブラシで丁寧に毛並みを整えます。

Q)スエードの靴にカビが生えてしまいました。どうすればいいですか?

起毛革に使用できる「カビ取り用クリーナー」を使用してください。

いらない布にクリーナーを取り、拭うようにカビを除去します。使用後の布は胞子が付着しているため捨ててください。
※カビが深く根付いている場合、黒い跡(ステイン)が残る可能性があります。

Q)靴のつま先の起毛がはげて、ツヤが出てしまいました。

つま先は擦れることが多いため、毛が寝て固まってしまいツヤが出ているように見えたり、はげているように見えることがあります。

そういった場合は、起毛革用ブラシの先端を握りこみ、毛が固まった部分にほぐすように強めにゴムブラシ部分をぎゅっぎゅっと押し当てて固まりを少しずつ解いてください。
※そうではなく完全に剥げてしまっている場合は残念ですが打つ手がございません

カビの生えたスエード

毛が寝てツヤが出たため
禿げているように見えます

Q)オイルスエードでも溶剤クリーナーは使えますか?

いいえ、おすすめしません。

オイルスエードやオイルヌバックに強力な溶剤クリーナーを使うと、必要な油分まで抜けてしまい、風合いが損なわれる恐れがあります。
なるべく軽い汚れのうちにブラッシングや消しゴムタイプのクリーナーで落とすようにしてください。

オイルスエードの質感
Q)クリーナーを使用した後は防水スプレーをかけた方が良いですか?

はい。

クリーナーで防水効果も落ちてしまいますので、乾いた後に必ず防水スプレーで次の汚れを防ぐ準備をしてください。

防水スプレーの使い分け

色あせ・補色について

起毛革は乾燥や経年変化で色が薄くなりやすい素材です。
栄養補給(コンディショナー)である程度色は戻りますが、それでも色が薄い場合は「補色剤」で補色をします。補色は靴のみになります。

選び方:
● 全体がスエードの靴、広い範囲 → スプレータイプ(ムラになりにくい)
● 部分的にスエードの靴、パーツが細かい → ペンタイプ・リキッドタイプ

1. スプレータイプ

全体的に起毛革の場合はスプレータイプがムラになりにくく、また作業もかけるだけで済むので簡単です。乾燥して色が薄くなっている場合は、栄養入り防水スプレーでもある程度は色が戻ります。

色自体が抜けて補色の必要がある場合はカラースプレーを使用します。靴の中にカラースプレーがかからないように、新聞紙等を詰めて作業をしてください。ふんわりかけて色を見て、足りなければ再度かけて濃さを調整します。

2. ペンタイプ・リキッドタイプ

靴のパーツが細かく分かれていて、一部分だけ起毛革になっている場合や、金具や白いステッチ等補色を避けたい細かいパーツがある場合は、小回りの利くペンタイプ・リキッドタイプをお使いください。

塗りムラを防ぐため起毛部分全体にご使用ください。

ムートンブーツ
のお手入れ

ムートンブーツの手入れ

ムートン(シープスキン)はデリケートでシミになりやすい素材です。
まめに防水スプレーをかけて汚れを防ぎ、帰宅時にはブラッシングをしてホコリを落としてください。

起毛革でよくある質問

Q)革ではない人工スエード、フェイクスエード、合成スエード、スエード調の場合のお手入れは?

栄養入りや補色剤入りのスプレーはお使いいただけません。浸透しないことが多く、表面に残ってベタついたりムラになってしまいます。

消しゴムタイプのクリーナーは様子を見ながら、優しくお使いください。

下記補色ペンとクリーナーは人工スエードが使用対象になっています。

Q)ウェアやソファ等、靴以外の起毛革のお手入れ方法は?

使用対象にウェアやソファの記載があるお手入れ用品をお使いください。

下記のレザーマスターの起毛革に対応しているシリーズは、高級家具店でも取扱いがありおすすめです。バッグや靴にもお使いいただけます。

Q)撥水加工されている起毛革に防水スプレーをかけても良いですか?

撥水加工が効いているうちはお使いにならないでください。指に水をつけてちょんとのせて、すぐ染みてしまうようでしたら撥水加工が効かなくなっています。

撥水加工が効かなくなってきたら、防水スプレーをお使いください。

撥水加工の効きが部分的に残っている場合や、ご心配がある場合は栄養成分が入っていない防水スプレーのご使用をおすすめいたします。(まだ効いている場所だけ栄養成分が表面に残って、ベタ付きが出る可能性がございます)