可愛い民族衣装がいっぱい!ヴィアナ・ド・カステロの夏祭り

8月はポルトガル国外で暮らすポルトガル人が帰国する時期です。フランスやスイス、ルクセンブルグなどで働いている人の多くが、夏休みを利用して3、4週間ポルトガルに滞在します。特に北部はその様なファミリーが多く、普段は空き家になっている家からもこの時期だけは賑やかな声が聞こえてきます。そして車で帰国する人が多いため、町中は外国ナンバーで溢れます。特にフランスナンバーが多く、スーパーの駐車場ではまるでフランスにいる様な感覚になります!実はポルトガルの人口第2の都市は「パリ」と言われる程、フランスに暮らす人が多いのです。そのため、8月は帰国する人たちが楽しめるように、あちこちでお祭りが開催されます。

中でもお勧めしたいのが、ポルトガル北部ヴィアナ・ド・カステロのお祭りです。フェスタ・ダ・セニョーラ・ダ・アゴニア(Festas da Senhora d'Agonia)、別名ロマリア祭と呼ばれるこのお祭りは、嘆きの聖母を祭っています。漁師を守り1年の安全を祈願するために始まったとも言われ、毎年8月の中旬に4日間様々なイベントが開催され、屋台や音楽で町が活気にあふれます。特に注目したいのが、可愛い民族衣装を来た大勢の女性が行進する圧巻の行事です。

今年は8月17日にこの大行進があり、これまでの最多参加人数630人以上と聞き、楽しみにしていました。ミーニョの衣装と言えば金線・銀線細工のフィリグラーナが欠かせないので、私にとってはポルトガルのお祭りの中でもとても重要なイベントなのです。

国内でも有名なお祭りなので、朝からテレビ局も取材に来ています

16時から開始予定の大行進は、少し遅れて16:30頃から始まりました。これもポルトガル時間です。真夏の暑い中、皆さんジッと待ちます。

イベントを待つ人たち

そして行進が始まるとまずは音楽隊のパレードがあります。音楽隊もいくつものグループに分かれていました。約10団体くらいです。演奏している年齢層は幅広く、10歳以下の可愛らしい子供たちも頑張って演奏していました。

太鼓が多いです。

そして、ミーニョ地方らしい大きな人形(中には1人だけ人が入っています)が楽しそうに踊りながら行進します。

ユニークな巨大人形。

その後、お待ちかね!民族衣装を着た女性たちの大行進が始まります。

綺麗な刺繍が入ったブラウスやジャケット、スカートにエプロンを身にまとい、その上に眩しいゴールドのジュエリーを身につけて、ゆっくりと行進します。踊りなどはなく、腰に手をあて、1歩ずつ進んでいきます。

一定の距離を保ちながらゆっくり進みます。

この民族衣装ですが、赤いものが一番有名ですが、中には緑や青、黒、白、黄色などあり、実に鮮やかです。色の違いは基本的には地域の違いと用途の違いの様です。

リマ川周辺の地域の村と民族衣装のマップです。町の民族衣装博物館にあります。

用途の違いとしては、お祭り用の煌びやかなもの、仕事用、日曜日用があります。
今回の行進で皆さんが来ているのはもちろんお祭り用です。

代表的な赤の衣装です。

緑の衣装もとても素敵です。

途中、30分以上、行進がストップし目の前で女性たちが待機する状態が続きました。そのため、目の前で心ゆくまで衣装を見させてもらうことができました。よくよく見ると同じ模様の刺繍はひとつもなく、皆さん自分の衣装に誇りを持っているようで、笑顔で説明してくれました。エプロンの様な前掛けはしっかりした織物で、ずっしりしています。気温が35度くらいある中で、とても暑そうでした。でも1つ1つビーズの飾りや刺繍が可愛いです。

似ていますが、よくよく見ると異なります。

行進は赤色の衣装を着た多くの女性が通ると、その後に緑、青、黄色と続き、最後に黒と煌びやかなゴールドを大胆に飾った女性たちが行進します。

豪華なゴールドを着こなす女性。声援も浴び、とても楽しそうでした。

彼女たちが過ぎるとこの行進は終わります。だいたい18時くらいでした。
翌日は、このお祭りで一番大きいパレードが開催されます。そして、その翌日は宗教行進、最終日は聖母像を船に乗せて海に出るユニークな行事があります。嘆きの聖母が行進した道にはお花の絨毯(フラワーカーペット)が作られます。私はこの嘆きの聖母の行進やフラワーカーペットはまだ見たことがないので、いつか見てみたいです。

ヴィアナ・ド・カステロの華やかな夏祭り、いかがでしたか。 夏休みを利用してポルトガルに行かれる際は、是非お立ち寄りください。リスボンから遠いですが、行く価値はありますよ!

それでは、また次回!