雄鶏がたくさん!バルセロス

メルカード・ポルトガルのロゴでもある雄鶏は、ポルトガルの北にある町バルセロス(Barcelos)で生まれました。バルセロスに行くと、町の至るところで鮮やかな模様の雄鶏「ガロ(Galo)に出会うことができます。

町の中心では、大きな雄鶏ガロが訪問者を迎えてくれます。

こちらのコラムでもご紹介しましたが、バルセロスの雄鶏には有名な伝説があります。詳しくは以前の記事をご覧頂きたいのですが、基本的なストーリーとしては、バルセロスに立ち寄った巡礼中の修道士が銀製品を盗んだとして疑いをかけられるところから始まります。無実を主張した修道士ですが誰も信じてくれません。修道士は自分の無実を証明するため、裁判官の食事として用意されていた丸焼きの雄鶏が生き返り3回鳴くと予告します。そして、修道士が処刑される寸前に、なんとその雄鶏が起き上がり勢い良く鳴いたのです!修道士は無事解放され、バロセロスの雄鶏は幸運の象徴として、親しまれるようになりました。数年後、再度バルセロスを訪れた修道士が、石の十字架を建てたそうです。14世紀のことです。片側には首つりをされている修道士と起き上がって鳴いたと言われる雄鶏ガロ、そして反対側には聖母マリアと聖ヤコブ(サンティアゴ)が描かれています。

修道士と雄鶏ガロ

聖母マリアと聖ヤコブ(サンティアゴ)

バルセロスはサンティアゴ巡礼の道にあります。伝説の中の修道士もサンティアゴに向かっていたため、この奇跡を起こしてくれただろう聖ヤコブにこの十字架を捧げたのでしょう。

石の十字架は14世紀に建てられたと記されています。

さて、この石の十字架ですが、今では野外考古学博物館となっている15世紀の初代ブラガンサ公爵邸に残されています。

当時の建物の様子を描いたアズレージョ。

公爵邸のすぐ下には、14世紀に建設された橋があります。バルセロスとバルセリーニョ(Barcelinhos)を結んでいます。

とても趣があります。今でも頻繁に車や人が行き交う橋です。

バルセロスの町の中心には、こちらも15世紀に建てられたポルタ・ノヴァの塔(Torre da Porta Nova)がありますが、今では雄鶏ガロや陶人形が展示販売されています。

この薄い石が特徴的な家の外観を創り出します。

もともと粘土が取れ、陶人形作りが盛んだったバルセロス。この雄鶏ガロも、他の陶人形と同じくらいのサイズだったそうですが、1960年代の独裁政権時代に黒地に真赤で大きいハートが描かれるようになり、アイコン的存在になったそうです。

中にはサッカーする雄鶏も。

町中には雄鶏ガロの他に、大きな陶人形にも出会うことができます。

バルセロスの象徴だった雄鶏ガロですが、現在ではポルトガルの象徴として国内の至るところで目にすることができます。鮮やかな模様と何とも言えない愛らしさで、ガロちゃんグッズもたくさん販売されています。

ポルトガル最大規模の市場が毎週木曜日に開かれるバルセロス。市場を目指して行った後は、バルセロスの町中散策で歴史と陶人形達に出会ってみて下さいね。

バルセロスの市場。朝9時頃には行きたい場所です。

バルセロス老舗菓子店Pastelaria Colonialの人気ケイジャーダ(住所R. Bom Jesus da Cruz 9, 4750-270 Barcelos)

それではまた次回!