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2017/07/05 16:42
先日、宮崎県のほぼ中央部にある小林市に行ってきました。
さざれし工房として弊社に作品を提供してくださっている谷山様ご夫妻とは長崎でお会いしてから5年目になり、懐かしい旅です。
都合で家内と一緒に行けなかったのが本当に残念でしたが・・・。
谷山さんご夫妻は私とさほど年齢は変わらないはずなのですが、とても若々しく、話すスピードは速いし、その時々の話題は的を射ていて、後期高齢者の資格を持つ私など、話のスピード、内容、機転の利いた言葉などなどほとんど出ないだけに申し訳ないことしてしまいました。
年齢差だけでははかれないものがありますね。
今回の目的は、谷山様のご自宅近くでの土器や石器の探索と縄文、弥生、古墳時代の遺跡の見学です。
九州の古代遺跡と言えば、吉野ヶ里遺跡や金印の出土した北九州などをすぐに思い浮かべられる方が多いかと思いますが、九州南部の古代遺跡の知識については殆どありませんでした。
それだけに、未知なるものに遭遇するのでは!という淡い期待を抱いての出発でした。
目的地の小林市は、県庁所在地の宮崎市から車でほぼ2時間、西部の平野にあります。
周囲を1100~1700メートルの山々に囲まれた平坦地です。
さぞや古代人も生活しやすい環境でであったのではないでしょうか。
谷山さんのお話によれば、昔畑だったところや森林の中からも土器や石器などが今でも見つかるとのこと。
私たちも古代の遺物(土器、石器、黒曜石)のかけらなどを見つけ出すが出来、少量ですが手に入れることが出来ました。
明らかに関東地域から出土するものとは土器の形式が違っているように見えましたが。。。。
谷山様にお聞きすれば、この地域には古代遺物がまだまだ沢山あるとのこと。
見つかる確率は非常に高いと教えていただきました。
ここ小林市にも南九州独特の古墳があります。
地下式横穴墓です。
聞くところによれば、畑の作業をしていたところ突然数メートル四方にわたって陥没したそうです。
それで「何かあるぞ」と気づき掘ってみて古墳だとわかったそうです。
陥没前の畑は一面に平地で、通常の円墳のようにこんもりと盛り上がった部分がなく、埋葬された後誰も気が付かなくて保存されてきたんですね。
地下式横穴墓(ちかしきよこあなぼ)の説明は写真をご覧ください。
ここの古墳では地下に下りて横穴をくぐり、やっとのことで首を捻じ曲げて骸骨や副葬品など観察することが出来ました。
他ではこうして観察できないだけに記念すべき日になりました。
女性であろう骸骨の腕にはこの付近では採れない貝製の腕輪がついていました。
昔から交流があったであろうことがわかります。
未盗掘の古墳は埋葬されたまま現代まで保存されてきたわけであり、その資料としての価値は非常に高いものがあると言えます。
最終更新:2017/07/05 16:42