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2017/02/15 11:47
新種鉱物は1年間にどのくらい見つかり、承認されているのでしょう?
懇意にしている知人の宮脇博士(国立科学博物館 理学博士)の記事がありましたのでご紹介いたします。
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科博メールマガジン第720号
発行日:2017年2月9日
未知との遭遇
地学研究部 宮脇 律郎
鉱物の種は、どの元素がどのような割合で(化学組成)それらの原子がどのように配列しているか(結晶構造)で区別されます。
国際鉱物学連合の新鉱物・命名・分類委員会は、新種の承認や既存種の再定義や抹消などを申請に基づいて審査し、認定しています。
この1月末日で、5208の鉱物種が認定されていますが、この数字はIMA Database of Mineral Properties のウェブサイトで
「IMA Approved Minerals Only(国際委員会公認のみ)」にチェックを入れると、Minerals found:の横に表示されるので、時々のぞいてみるとその増え方が判ります。
2016年の1年間に申請された新種鉱物は117件で、その多くが承認されました。
私が2011年に松原聰名誉研究員(元地学研究部長)から日本代表委員を引き継いでから、毎年100種ほどの新種が承認されています。つまり全体5208種の約1割が、この5年で新種として加わったことになります。
この加速度的な新発見の連続は、科学の発展として喜ばしいことですが、違った見方では、私たちの自然への理解はまだまだ途上で、未知の世界がまだまだ残されていることも示しています。
昨年は、新種「bunnoite(豊石:ぶんのせき)」の記載論文が国際学術誌に掲載され、報道でも取り上げていただきました。
今年は、どんな未知との遭遇があるのか、わくわくしています。
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註 転載につきましては執筆者のご了承をいただいています。
ちなみに、一番新しく承認された鉱物「Bunnoite」を文中のウェブサイトで検索しますと、このように表示されます。
翡翠は下記の表示です。
毎年100種ほどの新種が登録されているとのことですので、新鉱物にご興味のある方は、数ヶ月に一度、IMA Database of Mineral Properties のウェブサイトをチェックされてみては如何でしょう?
店長 三石 喬
最終更新:2017/02/15 11:47