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2016/03/07 17:53
『石展 〜かながわの歴史を彩った石の文化』
(神奈川県立歴史博物館)へ行ってきました。
実は、大して期待せずに行ったのですが、
実際に会場に入ってビックリ。
旧石器時代から最近の研究まで充実したものであり
大変勉強になりました。
この充実ぶりで、私のような高齢者ですとたったの100円!
ボランティアの説明員の方もいまして大満足でした。
私個人として今回初めて知ったこと
黒曜石が神奈川県でも採掘されていたこと
今まで長野県和田峠周辺だけと思っていましたが、
箱根畑宿他、関東周辺でも東京都神津島、伊豆、栃木県高原山などからも。
縄文時代 スタンプ石というのがあったこと
割合と軟らかい石が多いようでした。
神奈川県にも大きな翡翠製垂飾があった
神奈川県最大級とのこと。
形も良く素晴らしい。
鎌倉時代、奈良から石工が鎌倉に来たこと
見事な五輪の塔製作。
鎌倉の見所が一つ増えました。
江戸時代、高遠藩から石工が出稼ぎに来ていたこと
私と生まれ故郷が同じ信州伊那谷から
長い間連続してきていたんですね~
江戸城築城と江戸の町づくりに使われた箱根・伊豆の石
日本銀行本店の花崗岩
全て花崗岩だと思い込んでいたのに・・・・。
樹木伐採具 鉄斧と石斧の効率の差
などです。
『樹木伐採具 石斧の効率の差』
樹木伐採具 鉄斧と石斧の効率の差については、以前からあんな石斧では
大きな木、太い木は切り倒せないだろうなと思っていたのですが、
石斧で木を切り倒すビデオが上映されていまして、
思い込んでいたより切れ味が良いのにびっくりしました。
鉄製斧に比べて倍の時間がかかるようですがこれは結構速いと思います。
木を切り倒すのに十分使える道具だったと思います。
鉄器が使われていなかった頃の三内丸山遺跡の物見やぐらとも推測される柱は
直径1メートルはあったと推測されています。
その太い木を石斧で切り倒せるのだろうか?と疑問に思っていたのですが
切り倒せる可能性がありそうだと思い改めました。
『日本銀行本店、旧東宮御所、旧横浜正金銀行本店に使われた石 (白丁場石)』
いずれも明治30~40年代に竣工し、
現在も威風堂々とした品格を保っている名建築であるが
この建物にも湯河原産出の当時白丁場石が使われている。
当時ようやく茨城県産真壁石(花崗岩)が
交通の便などが良くなったこともあり
東京でも使われるようになった時期です。
強度は当然のことながら花崗岩の方が強く、
大部分は花崗岩が使われ
建物上部などには白丁場石が使われた。
理由は白丁場石は花崗岩に近い白色で加工がしやすく、
かつ、工賃が安かったからと言われる。
ご存知の方が多いと思いますが、
馬車道にあります横浜歴史博物館は旧横浜正金銀行
(国の重要文化財として史跡に指定)です。
「石展」神奈川歴史博物館 は3月27日まで
入場料大人900円
*本文中の写真は石展図録より
最終更新:2016/03/07 17:53