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2014/04/15 18:23
「タカッ!」
翡翠が高い!
いったい、なんでこんなに高いんだ というのが、先月末マンダレーを訪れた際の第一印象でした。
確かにマンダレーの翡翠市場は数年前とは見間違えるほど活況を呈している。
此処から仕入れることは今までもほとんどなかったが相場の動きはよくわかるから
チョコチョコと訪れたものである。 難を言えば汚くて不衛生、皮靴では行けないようなところだったが。
人が多い。買う人も売る人も多い。中国人も結構多い。
一寸値段を聞いてみてもとても日本に持って行っても
商売になりそうもないほど高い。
「ナ、ナンデェ~」
古くから勾玉などを作ってもらった職人さんを訪ねる。
やはりよくわかっていて最近は良い翡翠での製作依頼はほとんどなく緑があまり入っていない
翡翠原石での製作が多くなっているという。
今年になって庭に捨てていたヒスイの切レッ端を集めて売ったら新品の軽自動車が買えたと喜んでいた。
今まではオートバイだったんですけどね。
マンダレー市内のアクセサリー屋さんに寄ってみる。なんと緑色した翡翠はほとんど見ることができなかった
のにはまたまた驚いた。
いったい何でこんなに高くなってしまったのか ? ? ? ?
原石を仕入にチョコチョコとパカンに行っている知り合いの親父を訪ねる。
この親父とはもう10年以上前から何かと面倒見てもらっている良き親父だが
最近は大変裕福になっている。「何故か?」といえば話が長くなるが翡翠で儲かっているのは間違いない。
で 最新のパカン事情を聴いた。
翡翠掘っている人いるの?
「大勢掘っているよ。 今は誰のヤマ(鉱山)とか決まっていないから掘りたいところを掘れる。
ただし、重機無しの手掘りで、沢山は掘ることは出来ないが掘る人が多いから結構翡翠はあるよ」
「今は政府やKIAの検問はないからそんなにお金をかけなくても持って来れる。だが中国国境の方に
持っていくのは検問があり難しい。それにマンダレーに持っていけるのはパカンに住んでいる人だけだ。
身分証明書がなければ駄目だ。俺は政府ともKIAとも仲良くしていて身分証明書を持っているからから大丈夫だ」
「困っているのは道が悪くてほんとに大変なんだ。ガタガタ道で! 大型トラックが通っている時は
まだ良かったがな。雨期は道が悪くて持って来れねえ。5月いっぱいまでだな」
1995年ごろのパカン鉱山 最近はこんな風に一部変わっているかもしれない???
(鉄道のあるモガウンからパカンまでの道は世界有数の悪道として知られる。ミャンマー政府も最近
になってこの道を含むカチン州の幹線道路の整備に力を入れると発表した)
更に
「俺に金貸してくれねえか。パカンから安く買ってくるんだから儲かること確実だ」という。
パカンには銀行もあり電話ももちろん通じるからいい翡翠が見つかったらすぐ連絡するからというのだ。
翡翠鉱山から直接持ってくるんだから絶対損することはないとしつこく誘う。
内心「う~ん、少し投資してみようか・・・・」と考える。
だが、無事マンダレーまで持って来れる保証がない。盗まれても文句も言えない。この世界は仏様も悪鬼もいる。日本へ持 ち出すこともできない。危ない、危ない。やはり無理だ。
しかし ヒスイで大儲けして裕福になった人は数多くいる。
聞くところによれば3月の香港ジュエリーショーで今までになく注目されたのはミャンマー人だったという。
デザインのいい宝飾品を買った人が多かったというのだ。
ま、こういう噂はどの程度ほんとかわからないが最貧国といわれるミャンマーにお金持ちが急速に増えているのは
間違いない。
これからは
ミャンマーは仕入先でもあり販売先でもある国に急速に変化し始めているといってよいだろう
最終更新:2014/04/15 18:23