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2013/02/16 16:42
ネピードー オークション会場入り口(2010.10月)
首都ネピードーで例年行われる宝石オークション(MYANMA JADE,GEMS&PEARL EMPOLIUM)が中止になりました。
もし開催されれば中国以外の国の参加者にとっては非常に有利なはずだったんですが・・・・・・・。
残念です。
中止の理由ですが
今年12月首都ネピードーで開催予定の 東南アジア競技大会の為に貸すことになっているそうです。
ということは 今年の オークションは“無し”ということになります。翡翠を主とする宝石類の輸出による
外貨収入がほぼ ゼロ となることです。
それがミャンマーにとってどれだけ大変なことかミャンマーの貿易収支のデータ(ジェトロHP)を参考に見てみますと
2011年度のミャンマーの輸出総額は91.27億ドル、そのうち タイへの天然ガス輸出で約35%を占め、その次が
翡翠を中心とした宝石類で約13億ドルでした。
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参考 ジェトロHPより(2011年)
また,「その他」の項目が143 億6,030 万チャットと全体
の29.1%を占めた。ミャンマー政府から詳細品目の発表
がないものの,前年に続きそのうち約半分は宝石類,特
にヒスイの輸出と思われる。ここ数年,首都ネーピードー
で開催される宝石展には中国を中心に海外から多数の
バイヤーが訪れており活況を呈している。
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3番目はインドなどへの豆類の輸出で10.8%、
4番目は縫製品で5.4%、5番目は魚類、6番目はチーク材と続きます。
宝石オークション中止はミャンマーにとって2番目に多い輸出品目がゼロになるのですから
相当大きな決断であったはずです。
にもかかわらず決断したのは
ミャンマーへの西側諸国からの投資が飛躍的に増えていること、
中国に過度に依存することによる警戒 があるのではと思います。
また翡翠鉱山のあるカチン州では本格的に翡翠の採掘ができる状態になく採掘業者も
他の仕事に転業しておりオークション中止による経済への悪影響も最小限に抑えられると
考えているのではないでしょうか?
一方、中国の翡翠業者への影響はどうでしょうか?
ごく限られた情報ですがそう大きな影響は受けていないようです。
現在のところ価格へのインパクトはそうないものと考えています。
三石 喬
最終更新:2013/02/16 17:17