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2012/08/22 14:50
今回も林巳奈夫著 「古玉器総説」からの引用です。
『玉』
玉という字は翡翠(硬玉)を扱っている関係もありまして関心のある文字の一つです。
しかしこの本を読んでいていかに断片的な知識で事足れりとしていたか改めて思い知らされました。
この表を見ましても「玉也」といわれる文字も10種類、美玉也 という文字は2種類、石の玉に次ぐものが7種類、
石の玉に似たるものなり というのが20字あります。
玉(おそらく軟玉)を品質、 色、透明度など細かく観察してランク分けしそれぞれの字を割り当てたと考えられます。
その玉を切断し、磨き彫刻したものはそれぞれの民族の文化を誇示するものとしても使われたのでしょう。
玉という字は 『設文解字』では
「玉の3玉の連なるを象(かたどり)、| はその貫(つらぬく)を象る」とあるそうですが
この意味は 「三つの玉器を一本の紐で連ねた形だ」 という意味であり 漢和辞典でもそのように
記載されていたように記憶していましたがこの本ではこの説に疑問があるといっています。
甲骨文では玉という字を下図の様に書かれた。
【玉は甲骨文字を簡略化した文字に相違ない。したがって「玉」字が何を象ったかについて考察する場合、煩雑な方の字体で
考える必要がするが、どう考えるべきかについて現在のところ定案を持たない】
とあり3つの玉器を紐で連ねた説に他の見方もあるのでは?といっています。
玉字 甲骨文
中国の玉 ほんとに奥が深いですね。
※ この本には 玉の加工にダイアモンドの使用にも言及しています。
次回お伝えいたします。
最終更新:2012/08/22 14:50