時の過ぎるのは早いもので今年もあと　何時間？　と時間で表現するほど残り少なくなりました。

さて、残り少ない時間ですが　もう一つ皆様に勉強していただきます。

題材は赤翡翠です。

「赤」と言えば中国ではおめでたい色として結婚式でもよく使われますね。

翡翠も同様の発想で赤翡翠は人気のある翡翠の一つです。


まずは下の写真を見てください。





ミャンマーの今年（２０１０年）１１月行われたオークションに出品されたものです。













何か感じることがありましてでしょうか？

実はこの翡翠たち

　　　　　　　　　　　　　　　処理されているんですよ。


加熱処理された翡翠は私がオークションに参加し始めた１０年以上前にもありました

からおそらく相当前から処理は行われていたのでしょうね。


当時は処理してもその加熱によって変色した深さが浅くまた脆くなるために彫刻には向いていませんでした。

したがってあまり評価されなかったのです。

ところが現在出品されているものを見ますと結構深くまで赤くなっています。

明らかに昔の加熱処理したものとは違います。

実は数年前からこの処理方法によると思われる翡翠はありました。

私が最初に見たものは内部までラベンダー色に染まっていました。

翡翠を仲介しているいわばプロでも最初は外見しただけでは見抜けませんでした。

おそらく加熱処理により赤だけでなく他の色にも染められると思います。

しかし　赤以外の色の場合、処理したヒスイと天然のままの翡翠との区別は

簡単にできてしまうのに対して、赤翡翠の場合は判定が極めて難しくそのため

多くの処理したものが出回るようになったのではないでしょうか？

この処理をしているのはミャンマーではマンダレーまたはその近郊だと思います。

（実際は私が知らないだけで他でも行われている可能性があります）

以前は赤翡翠を評価する場合、その面積より厚さ（高さ）が重要だと言ってきました。

理由は天然翡翠で透明度がある程度あり赤色で厚みのあるものは極めて少ないからです。

しかしこれからはそれも通用しなくなりますね。


天然の赤翡翠の色の原因は鉄分、処理した赤翡翠の色の原因も鉄分、最新の分析機器を使っても

判別は困難でしょう。

としますと・・・・・

最後は人間の「目」と「感」が頼りなんですね。

とはいっても原石を見るのはともかく加工されたものの場合、判別はきわめて困難でしょう。


これから大量に出回る可能性があります。

２０１０年のＵＰはこれでおしまいです。



今年も最後まで見ていただきましてありがとうございました。

翡翠と琥珀好きの皆様、良いお年をお迎えくださいますよう心からお祈り申し上げます。


株式会社　ジョイテック　三石　喬

　　　　　　　　　　　　社員一同