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2010/08/20 15:49
ミャンマー 最新情報です。
ミャンマー総合研究所の「ミャンマーニュスレター8月号」から
◎ 翡翠産地パカンで豪雨
ヒスイ産地として知られるカチン州パカンが豪雨に見舞われ1100世帯が被災した。
政府職員によると低地では水は3,3メートルの高さまで達し、ロン・キン村で66の家屋が水没した。
ビルマ民主の声によると橋の崩落で8人が死亡した。
(パカンはエーヤーワディー川上流チンドウイン川の支流ウル川に沿った地域で最大の翡翠鉱山がある。
ヒスイ採掘シーズンの乾期には数万人の採掘従事者がいるといわれる。
数年前までは河川敷の採掘もおこなわれたが最近はその支流の河川敷も掘り尽くされ現在は山間部での採掘が
主流である。
山を切り崩し、ヒスイをとった後の残土は近くに捨てられるが雨期になると河川敷に流れ込み河床が高くなり
水害が起こりやすくなっている。
洪水や雨による道路の通行不能などは毎年のように聞かれるようになっている)
◎ 中国人移民の流入、地元住民との緊張に高まり 要約
カチン州では中国がミャンマーに対する影響力を強めるに従い、ミャンマーに流入する中国人と地元住民との間に
あつれきが生じてきており、民族間紛争に発展する恐れもあるという。
雲南省の実業家が労働者を引き連れて進出する例が多く、彼らはミャンマー語を話す。
ミャンマーに溶け込んだ2,3世とは異なり彼らはミャンマーへの帰属意識はほとんどなく自分たちの言語、文化を
保持しており現地住民の反発を受けやすい。
あるミャンマー人農村出身者は「ビジネス機会はすべて彼らに奪われてしまう。彼らが金持ちになる一方、我々が
貧乏になっている」と語った。
ミャンマー市民権取得は極めて容易で中国人移民の数は2~300万人に及ぶとの推測もあるという。
2008年の調査によれば少なくとも69の中国企業がミャンマーで水力発電、鉱業、石油、ガス事業に投資している。
(過去にこのブログで書いたようにカチン州の中国化は著しく、ミッソンのダム建設だけでも10万人の労働者が従事
するという。その多くが中国人移民に頼るとすれば影響力はより増すであろう。
カチン州は所属する国名はミャンマーだが生活実感は中国国内と同じという様相を強めていくようである)
写真説明: ミャンマー最大の川 エーヤーワディー川上流、カチン州州都ミッチーナから約48Kmの場所にある。
メカ川、マリカ川が交わるところで風光明美で多くの人に愛されているがダム建設により水没の運命にある。
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恒例の秋の翡翠オークションは新首都ネピドーで開催されることはほぼ確実のようである。
ヤンゴンの鉱山省関係者もネピドーに移動準備をしているという。
最終更新:2010/08/20 15:49