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2009/09/27 17:06
25日に帰りました。
土産話は次回以降に譲るといたしまして本日は「赤翡翠」についてお話します。
と言いますのも最近になって赤翡翠の熱処理方法が改善されたみたいでそれが
出回り始めているようなのです。
この改善された熱処理方法はミャンマー国内で(たぶんマンダレーまたはその近辺)
のようです。
その前に多くの読者の方は赤翡翠は原石のどの部分からとれるかよくご存じない方が多いと思いますので
簡単にご説明します。
まずは写真をご覧ください。
上記3枚の写真は処理していない原石の切断部分の写真です。
ここで注意して見ていただきたいのは赤い部分です。
表皮に近い方と中心に近い方と濃さに違いがありますね。
ここが非常に重要なところですのでよく覚えておいてください。
一部判別が困難なのがありますが中心に近い方が「濃い」のが普通なのです。
ごく稀に2重、3重にリング状に赤または黄色の輪が入っているものもあります。
しかしそれは特別な場合であって、上質の翡翠にはまずありません。
それでは熱処理した翡翠の写真を見てください。
上記写真は最近マンダレー近辺で熱処理した翡翠です。
ミャンマー最大の都市ヤンゴンで開催されるオークションでも熱処理した翡翠が出品されますがそれらは一見して判る
タイプのものです。
表皮に近いほど赤くその肌も荒れている感じでよくありません。
もちろん翡翠の質も良くないものです(上質のものだったらわざわざ質が悪くなる処理はしませんものね)
従って焼いた(熱処理した)翡翠は表皮に近いほんの数ミリの深さのところまで赤色に変わるのが大部分です。
ですから翡翠特有の粘り強さが無く細かい彫刻するには不向きでした。
もう一度上の写真を見ていただきますとなかなか上質の翡翠ように見えます。
ある程度光が通りますし赤い部分の厚さも厚いようですし磨いた肌も良く透明度のあるルースも取れそうです。
また表皮に白い部分があります。
直火でしたらこうするには手間がかかります。または出来ないかもしれません。
下記写真も見てください。熱処理した翡翠の切断面に注目してください。
割合と均質な赤色が帯状にあります
表皮に近い部分と中心部の色の違いがあまりありません。
通常の焼き方ですとこうはなりません。
割れた部分も全く変色していないのがあります。
どのような熱処理の仕方なのかわかりません。
しかし一部市場に出ている可能性も否定できません。
マンダレーで事情通に聞いてみましたら最近出回り始めたとのことでした。
中国で広範にされているかもしれません。
私が知ったのが遅いかもしれないのです。
わかりません。
染色処理や含浸処理とは違いますので鑑別機関でも熱処理したものかどうか
わかりにくいかもしれません。
鑑別機関の方に実際に見ていただきまして調べていただく予定です。
またあたらしい情報が入りましたらご報告いたします。
最終更新:2009/09/27 18:04
コメント 2件
2009/09/28 14:31:26
お帰りなさいませ。
あさいさん
ご無沙汰を致します。
ブログは興味を持って拝見しております。
幼いころ、勾玉や、根付けのメノウを見て、翡翠だとばかり思っておりました。
赤メノウは、熱を加えて美しくなるが加減が難しいと云う事を聞いた事があります。
火山や、地殻変動の熱や圧力などで出来る宝石に、まだ熱をかけるのは驚きでした。
美しい色目の瑪瑙は、昔々のものでも、矢張りソレだけを見せられると、
素人の私は悩んでしまうことがあります。
ろうかんのような・・・でも・・・と。ズブの素人ゆえに、
赤いのも、緑のきれいな深い色目は、翡翠も瑪瑙も、エメラルドも、難しい。判ってないのでしょうね。
2009/10/15 05:30:52
手間暇かけて!!
ひすいloveさん
おはようございます。
大変参考にになりました!!
手の込んだ着色、熱処理など多彩な処理法で 買い手を欺く何って、あさましいですね。
買い手も、見抜く眼を養うしかないようです、残念です。趣味で勾玉作りを楽しんでいますが 安心して買い物のできるお店でと思っています。
定かではありませんが、ミヤンマー産の質の悪い翡翠を大量に仕入れ、大型バレルに入れて糸魚川産として売られているような 噂も聞いたこともあります。いわば翡翠の産地偽装でしょう(笑)
最近、オークションなどでも原石の一部分に小さな窓を作った 一見素晴らしい翡翠が出品されてますが これも疑わしいと思っています。
悪知恵も人のなせる技、その悪知恵を、良いほうに使っていただきたいものです。