帯地は表地のきものと違って様々なタイプの糸によって織られています。例えば和紙に金箔や
銀箔をのせて糸状にしたものは多くのものに使われています。これらの性質を考慮しながらし
みぬき、シワのばしなどを施していくことになります。
・丸洗い、しみぬき --- きもの地と同様、着用にてうす汚れてきた場合には丸洗いをおすす
めします。しみぬきや、特に黄変(おうへん:しみや汚れが長い間に茶色く変色してしまっ
たもの)を落とすことはかなり困難になってきます。というのもこれらに使われる薬品が帯
に使われている金や銀の色を変色させてしまうことがあるからです。もちろん帯を構成する
素材によって事情が変わってきますので、きもの屋さんに相談してみるとよいでしょう。
・シワのばし --- 帯をシワのばしするときは、帯地に直接アイロンを当てないように気を
つけましょう。帯地(特に箔加工)が影響を受けることがあります。専門業者は、特殊な器具
に固定し、スチームアイロンのスチームにてシワをのばしていきます。(直接アイロンを当て
ない)前述の通り絹は湿気にて収縮してしまうこともありますから細心の注意が必要です。上
記の作業でなおらないシワは霧をかけ、当て布をして、アイロンをかけます。(このとき温度
に注意)帯のフチにアイロンを当ててしまうとふっくらとした感じがなくなってしまいますの
で気をつけて下さい。
・裏地張り替え --- 袋帯の表地と裏地の糸が長い間に縮みをおこし、素材の違いによってそ
の収縮率が違うためズレが生じて、帯の表地に大きなシワが寄ってしまうということがよくあ
ります。こんなときには帯の裏地を張り替えてやるとよいでしょう。帯によっては新品同様に
蘇生してしまうものがあります。
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