お手入れの一般的な知識

着る前のお手入れは?

着用前日には「シワのばし」のため、きものをハンガーに掛けて吊して置きましょう。
   陽が直接当たらず、風通しの良いところに掛けるのがベストです。きついシワにはアイロン
   がけをしますが、その際には 

  1、スチーム(蒸気)は使わない。(「ポイント1:絹の生地は湿気に弱い」参照)
  2、アイロンでこすらない(生地にテリが出ます)。
  3、金箔や刺繍の上にアイロンをあてない。

  などに気を付けましょう。

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着た後の注意点は?

すぐにたたんでしまわずに、きものハンガーなどに掛けて少しのあいだ風を通しましょう。
  また"しみ"やファンデーションによる衿の汚れなどがないか全体をチェックします。"しみ"が
  あってもなかったフリをしてそのまましまってしまう人がいますが(笑)、最初に述べたとおり
  "しみぬき"などは早く対処してしまった方が安く、キレイになります。時間が経つと落ちなく
  なってしまう汚れもありますので気を付けて下さい。それから表面的には見えなくても「汗」
  は放置しておくと後に生地を変色させてしまうことがあります。汗をかいた覚えがある場合は
  その点にも注意して下さい。(特に長襦袢の腋部分と帯の下部分など)
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保管方法を教えて

直射日光と湿気を避けることが必要です。(「ポイント1:絹の生地は湿気に弱い」下段
  参照)
  また、タンス等に入れっぱなしにして生地が変色してしまったなどの例もありますので時には
  風通しをした方がいいでしょう。(「Q:タンスに入れて置いたのに色ヤケしてしまった!?」
  参照)

  防虫剤に関してですが、絹のきものはウールのもの程防虫剤を必要としません。きものの上に  直接置くことは避け、タンスのひきだしの隅に置くようにして下さい。

  また、におい袋を直接きものの上に置くことも避けて下さい。(変色することがあります)

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ポイント1:絹の生地は湿気に弱い


きもののお手入れに触れた文章には必ずといっていいほど「風通しのよいところで」という表現が
でてきます。これは絹の生地が湿気に弱いことを表しています。具体的に見ていきますと、

1、カビが生えやすい。
2、生地が縮む。(生地が湿気を含むと一本一本の糸が撚りを戻そうとしてその前後を引っ張り、
  結果と して生地が縮 んでしまいます。)
3、シワになりやすく、取りにくい。
4、スレを起こしやすい。(生地は濡れた状態での摩擦に非常に弱く、例えば、胴の部分に汗をき、
 それが締めた帯 とこすられたりするとまれに表面が白くなることがあります。これは糸の一本一 本が細かく切れ、それが毛羽立って光の乱反射を呼び、起こるものです。)

 これらのことからも、例えば"しみ"を付けてしまったとき濡れたおしぼりなどでこすったりする
 「応急処置」がきものにとっては良くないことがわかると思います。

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