How to make
moderato mug?
イコミトでも人気、セラミック・ジャパンのロングセラー商品
"moderato[モデラート]"

やきものは、いったいどんな風に作られているのでしょう…
今回は、モデラートシリーズからマグを例に挙げ、生産工程を追いかけてみました。

#Process





#排泥鋳込み(はいでいいこみ)
石膏で作られた型に、泥漿を流しているのは"排泥鋳込み"と呼ばれる工程です。
モデラートに使うは、鉄分を多く含んだ特別な赤土。
泥漿の柔らかさは素材によって調整が必要なので、繊細な作業が求められます。
泥漿を流し、一定時間経過したら"排泥"します。
排泥後、手で触れても形が変わらないくらいまで乾燥したら、型から外します。
これは"脱型"と呼ばれる工程です。
鋳込みから脱型までの工程で、マグの形が出来上がります。
出来上がったものは"素地[きじ]"と呼び、板の上に並べて乾燥させていきます。







#仕上げ(しあげ)
素地が乾燥したら、"仕上げ"の工程に入ります。
セラミック・ジャパンでは、乾燥後に仕上げをしています。
乾燥した状態で仕上げをすることで、小さなキズやキレなどを見つけることができます。
モデラートのマグは、ボディとハンドルが滑らかにつながったデザインが特徴です。
この部分の仕上げは繊細な作業が求められます。
また、食器としての仕上げはお客様が使用したときの使いやすいさなどにも気を配る必要があります。







#素焼き(すやき)
左:素地 右:素焼き

やきものの1回目の焼成は"素焼き"です。
820℃程で焼成し、水分を飛ばして焼き固める工程です。
素焼きされたやきものは、に戻ることはありません。
素材によって素焼き後の色合いは様々です、モデラートは赤土なので、赤みの強い色合いに変化します。
縄文土器や弥生土器などは素焼きと近い温度で焼成されています。







#裏印(うらいん)

#施釉(せゆう)
素焼きした素地には、吸水性があります。
この吸水性を利用し、ロゴマークなどを貼付します。
モデラートの場合は和紙に印刷したロゴを水のついた筆で押さえます。
素地が水を吸い込むのと同時に印刷されたロゴが素地に吸着され、転写されます。
やきものの裏に貼付する印は"裏印"などと呼ばれることが多いです。
貼付後、裏印の絵具が乾燥するのを待ってから施釉します。
やきもの高台部分は、焼成時に張り付いてしまうのを防ぐため。釉薬を剥がします。
施釉後は釉薬を均一に焼き上げるため、しっかりと乾燥させます。







#本焼成(ほんしょうせい)
2回目の焼成は"本焼成""本焼き"と呼ばれます。
モデラートの場合、焼き上がりは素地より12〜13%収縮します。
収縮率は素材によって異なります。
モデラートは還元焼成という方法で焼成を行います。
赤土と釉薬が炎によって反応し、1つ1つ異なる焼きムラがあらわれる、特別な雰囲気に仕上がる焼成方法です。
ロゴマークは焼成前は釉薬によって隠れていましたが、焼成後に見えるようになります。
不透明だった釉薬焼成によって溶けてガラス化し、透け感のある色になるからです。







#完成(かんせい)
いくつもの工程を経て、完成し、お客様の元へ届くモデラートのマグ…。
見本や原型、型を作成する工程など、ここでは紹介していませんがまだまだやきものには作業工程があります。
今回紹介した鋳込み仕上げ、施釉、焼成…全ての工程には丁寧で繊細な職人の作業が求められます。
また、量産では仕事の速さも大切になるため、職人による"効率の良い作業をするための工夫"が様々な部分に隠れています。
あなたの暮らしの中のやきものにも、多くの技が隠れているかもしれません…