5月16日・5月17日 (1日目・2日目)
（ﾓｽｸﾜ国際線ｴｱﾎﾟｰﾄ）
現地時間早朝５時（日本時間午前７時）ノヴォシビルスク空港に降り立つ。
あの有名なエアロフロートでトイレは臭ってくる、着陸すると座席の背もたれは前にばたばた倒れてくるという古い機体で無事に到着した幸運を心からかみしめる。
（ﾓｽｸﾜ国内線ｴｱﾎﾟｰﾄ）
前日の午前５時に自宅を出発して伊丹―成田、成田―モスクワ、モスクワ−ノヴォシビルスクと乗り継いで８時頃シビルホテル（インターネット接続・ダイヤルアップのみ、両替はドルとユーロのみ円はだめ、コンセントもヨーロッパＣタイプのみ）にチェックインするまで２９時間にわたる大移動である。
お陰で肩はばりばり、口内炎が３つもできてしまった。
（ﾉｳﾞｫｼﾋﾞﾙｽｸｴｱﾎﾟｰﾄ）
（荷物の受け取り場は盗難防止のため鉄格子におおわれている）
このノヴォシビルスクは距離的に東京とモスクワのほぼ中間地点ともいえる場所で日本との時差は２時間。オビ川の畔でこの100年余りシベリア鉄道と共に発展してきた街である。日本での知名度はあまりないが、ロシア第三の人口140万を擁するシベリアの首都的位置づけの都市である。
今回、こんなところまで足を運んだのは最近の原毛価格の高騰に原因がある。
平成１５年におこった中国での鳥インフルエンザに端を発し、その後の中国国内でのダウンジャケットの大消費等いくつかの原因が関わり合い平成１５年以前と比べると原毛価格はものによって２倍を超えている。
（ノヴォシビルスクのオペラハウス→）
このままでは高品質でお買い得な原毛を安定して確保することが非常に困難になると感じ、思い切ってロシア原毛の買い付けに踏み切ったのである。
ロシア特にこの地域の冬はマイナス４０度、夏は３０度を超える気温差に加えオビ川の流域ということで水鳥を飼育するために必須条件である真水もふんだんにあるためよい原毛を生み出す要素は揃っている。
実際、寝具業界ではこの辺の原毛がポーランドの業者たちに買い付けされポーランドで製毛後、ポーランド産として販売されているのは知る人ぞ知る秘密である。
ホテルにチェクイン後、さすがに疲れたので２時間ほど仮眠をとり１２時に昼食をとってから最初の目的地であるＰ農場へ向かう。
（シビルホテル）
（シビルホテル玄関）
車で１時間半ほどの距離である。このあたりでは600�劼曚瀕イ譴疹貊蠅任發修鵑覆鳳鵑�ないというのでこれぐらいは近い方なのだろう。
果てしなく真っ直ぐに続くかと思える道を時速100�劼任屬暖瑤个后�
当然、高速ではない一般道だが市街から少し離れると本当に車も少ない。
２時過ぎに最初の目的地であるＰ農場に到着する。
この農場では約5,000羽の鵞鳥のみを飼育している。
雛の孵卵に力をいれ周辺の零細農場や農家に雛鳥を供給しているとのことである。
農場を３０分ほど見学した後、また１時間半かけて今度は製毛工場に向かう。
この製毛工場の企業名はＩ社、社長の名はＵ氏である。
Ｉ社は共産ソ連崩壊と相前後する1990年に設立、原毛の集荷業から出発し現在ではロシア最大級の製毛工場へと成長している。
このＵ氏は原毛の集荷業から出発しているだけあって自身が原毛の目利きにも長け非常に信頼できる人物とのこと。
ロシアで最初に原毛を海外に輸出し現在も大量の原毛を取り扱いしている。
１時間ほど社長から直接Ｉ社の説明を受けた後工場を見学する。
工場見学後、社長のＵ氏から晩餐に招待され６時半頃から食事を始める。
典型的なロシア料理の店で非常に感じがよい店である。
料理が出てきて量は少なめだが非常に美味しくおなかいっぱいになったなあと思っていると実はまだ前菜だけで次々と料理が出てきて食べられない上にウオッカでの乾杯も始まる。
結局、晩餐は約４時間、１０時半頃まで続く。
驚くのはこの時間でも夕方のように少し明るい。
ホテルに帰ると１１時頃になる。
この長い一日をやっと終えて泥のように眠る。
（レストランの玄関）
5月18日 (3日目)
３日目はＵ氏の運転で８時半にホテルを出発しＣ農場を目指し時速140�劼任屬暖瑤个后�またまた、果てしなく真っ直ぐと続く道を途中、トイレのない場所でトイレ休憩を挟み約３時間半かけて農場に到着する。
このＣでは街の開闢以来、日本人が訪れたのは私で１０人目くらいとのこと。
なぜか農場の関係者とは違う地元の名士まで出てきて歓迎の宴となる。
昨日と同じで終わったかと思うとやはり前菜で次々と料理が出てくる。
地元のミネラルウォーター（ガス入り）、地元の手作りハム、地元のウォッカ？
地元自慢から大鹿狩りの話まで多岐にわたる話がロシア語→英語→日本語の通訳で行われる。
更に地元の訛りまで考えるとロシア語（ノヴォシビルスク訛）→ロシア語→英語→日本語になっているくさい。
（昼食をとったレストランの玄関）
しかし、例のごとく何かと大義名分をつけては全員でウォッカでのいっきを始めると言葉なんかは関係ない。みんなそれぞれ好きなことをしゃべっているようだ。
人間関係を築くことが大切だとの商社マンからのアドバイスにしたがいよく食べよく飲んだが昼間からこんなに吐きそうになったのは久々だ。
食後、農場を見学するが正直言って非常に驚く。
鵞鳥の飼育数４万羽以上これはヨーロッパでもトップクラス、管理もハンガリーにかなり近い感じで良い線までいっている。
（うみたての卵）
（優秀な血統を残すため
計画的に受卵させる）
（番号でガチョウを管理）
農場見学後、また３時間半かけて戻る。
途中、またもや一般道を140�劼杷�走しているとスピード違反で警察に捕まる。
しかし、驚いたことにお咎めなし。
なんと彼は軍の免罪符のようなものを所持しており軽い違反なら犯しても見逃されるようである。
やはりロシアである。
夕食はホテルの近くで日本食もあるレストランで食事する。
日本食は現在ロシアで大人気だそうでノヴォシビルスクにも多くの日本食レストランがあるとのこと。ロシア人が箸を使って美味しそうに食べる風景にはこちらもカルチャーショックを受ける。
Ｕ氏にこの２日間アテンドして頂いて彼の真面目で親切な人柄に感動する。
彼も我々を少しは気に入ってくれたようだ。
この日も夕食は３時間以上続きホテルには２２時過ぎに帰る。
5月19日 (4日目)
この日も４時に起きて５時にホテルを出発、途中オビ川の写真を撮りノヴォシビルスク空港に向かう。
（オビ川）
7:05のエアロフロートでモスクワに向かうが今度はドアの閉まらないトイレがある。
だからエアロフロートはやめてくれって言ったのに！
ノヴォシビルスクとモスクワの時差は３時間、日本とは合計５時間である。
朝、飛行機に乗って５時間近くたってまた朝になっている。
こんな生活をしていると本当に時間の感覚が変になってくる。
昨夜、ワールドカップ予選でロシアのチームが勝ったためか、ロシアの国旗を持って走り回っている車があり道路がひどく混んでいる。
渋滞のため非常に時間がかかりホテルへの到着は１０時頃になる。
本日のホテルはメジュドゥナロードナヤホテル（インターネットはダイヤルアップのみ、両替はＯＫ、コンセントは兼用タイプ）、世界貿易センター内にあるホテルでロビー中央に金の鶏を冠した時計がそびえ立っている。
２時間ほど休憩した後、ホテル内で軽く昼食をとる。
１３時半から赤の広場のすぐ向かいにあるグム百貨店を見学。
ガレリア式のショッピングッセンターで古い建物をそのまま使用しているとのこと。
３階にホームファブリックの店が入っているとの事なので見学する。
（ショッピングセンター）
完全にヨーロッパスタイルのホームファブリックストアーでドイツからの輸入品も多い。
関税が非常に高いため値段も日本より高そうだ。
ついでに赤の広場を歩き、レーニン廟も外から見る。（中に入れるのは午前中だけとのこと）
（クレムリン）
（赤の広場）
（レーニン廟）
１７時頃にＲの事務所に向かい社長のＭ氏と懇談する。
懇談後、１８時半頃から一緒に日本食レストランで夕食をとる。
レストランに入るとロシア人が「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」「はいよろこんで」を変なイントネーションで言っているのは笑える。
日本人とまったく見分けがつかないスタッフもいるがロシア人で日本語は全く話せないということ。やはりロシアは広い。
Ｍ氏は東欧・ロシアの要職を長年歴任してＲの社長になった本格派である。
物腰の柔らかさ、他人をリラックスさせる雰囲気に加え観察眼も非常に鋭い。
一度にこの人が好きになり話も盛り上がる。
刺身、焼き鳥、お茶漬け等日本料理を楽しむ。
ロシア料理にはサーモンとイクラをよく使用するが日本料理でもやはり美味しい。
この日の夕食は２時間、２０時半頃まで続く。
２１時頃ホテルに到着するがモスクワも日が長く９時頃でもまだ明るい。
同行者が博打が好きらしくカジノに誘われる。
ホテルのすぐ前にカジノがある。
こんな場所のカジノでは勝てるわけがないと思ったが、客もほぼ我々だけで５０ドルが３０分持たない。
あらかじめ５０ドルまでに決めていたので早々にホテルに帰る。
この日は更に３０分ほどホテルのバーで一杯だけジントニックを飲み就寝する。