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テント

アウトドアで、ベッドルームの役割を果たす、テント。
少人数向けの軽量・コンパクトなものから、家族・グループ向けのゆったりとしたものまで様々です。
日差し・寒さ・雨・風から守ってくれる、大自然の中でのくつろぎ空間を作ります。
さあ、帰りたくなくなるくらいの快適な空間をつくりましょう。

テントのマメ知識

ペグの種類

ペグとはテントやタープが風で飛ばされないようにするため押さえる杭(釘)のことです。
通常はテントやタープを購入するときに付属品としてついてくるものですが、テント本体に付属しているペグの多くはピン状のものです。

地面に刺し止める用途から考え、できるだけ長いものの方が抜けにくいといえますが、その反面、長いと収納や持ち運びに困るといったことがあります。
土質によっては、ペグが刺さらなかったり、逆にゆるすぎて風で抜けてしまうことなどがありますので、設営場所の地面状況に対応できるスペアのペグを用意しておくと現場での設営がスムーズになります。

材質は金属製とプラスチック製に大別され、金属製は比較的軽いジュラルミン製やチタン製、アルミ製といったもがから、スチール製や鋳鉄性まであります。
軽いものは持ち運びに楽な反面、破損や湾曲しやすいといった弱点もあります。

ピンペグ
比較的硬く、締まった地面で効果的。柔らかい地面は苦手

固い地面向けでテントのボトム用などに付属することが多いペグ。
柔らかい地面だと長さが無いと直ぐ抜けるので不向きです。

ネイルペグ
打ち込みやすくどんな地面でもあう、いわゆる万能タイプ

釘のように打撃点と、石突きが1直線になっているペグ。
ネイルペグは打ち込みやすいので、比較的どんな地面でもあう、いわゆる万能タイプです。ピンペグでは歯が立たない砂利交じりの地面にもおすすめします。

ハンマーでたたいた力がまっすぐにペグの先に伝わるのでしっかり打ち込めます。頑丈なのでかなり乱暴に扱ってもOKですが、ピンペグ同様、柔らかい地面には抵抗が少ないので抜けやすいという弱点も。

Vペグ
断面がV字になった抜けにくいペグ

断面がV字になっているので、ピンペグやネイルペグに比べて抜けにくいです。
やや硬い地面から芝生などの柔らかい地面まで対応します。

プラペグ
やわらかい土や細かい砂の多い地面はで威力を発揮

芝生や土の柔らかい地面向きのプラスチック製のペグ。
メーカー製のテントやタープに付属しているのはこのタイプが多く、軽量で扱いやすいのが利点。

V字やT字型にすることである程度の保持力はありますが、鉄製のハンマーを使ったり、堅い地面に無理やり刺そうとすると破損するので注意が必要です。

ペグの打ち方

地面に対して60度の角度で、上から3~4cm残してしっかりと打つ。

ペグは地面に対して60度の角度で打ちます。これはテントの裾を固定する時も 張り綱を固定する時も同様です。 上から3~4cmくらい残し、しっかり打ち込んでください

テントの裾止め(裾ゴム)は、先にぺグを打ち込んでから引っ掛けましょう。先に掛けてから打つと、裾ゴムをハンマーで打ち切ってしまう原因になります。

テントを建ち上げて、どこも固定しない時に強い風が吹いた場合、凧のように 風で飛ばされてしまう恐れがあります。 風で飛ばされないように、早めに固定しましょう。

ペグの抜き方

付属の金づち等を使って抜きます。

付属の金づち等を使って抜きます。 ペグ抜けにくいときは、石や木片を利用してテコの要領でやってみましょう。
ペグについた土や泥は落としてから収納しましょう。

テントの多彩な機能

テントの本体であるインナー、結露からテントを守るフライシートには、様々な工夫や機能が盛り込まれています。

インナーテント フライシート装着時 サークルベンチレーション

テント&タープのグレードはポール素材で決まる

テントの本体であるインナー、結露からテントを守るフライシートには、様々な工夫や機能が盛り込まれています。

アルミ合金
ジュラルミン
強度と弾性にすぐれた
最高峰素材
強度と柔軟性を兼ね備え、さらに軽量な素材。
そのうえ、節目もフラットにできるので、テントポールに最適な素材だといえます。
ただし、ほかの素材と比べると高価なため、上級モデルに多く採用されています。
スチール
スチール
頑丈で、
直線的に使用されるパーツに採用
十分な強度がありますが、重く、柔軟性がありません。
そのため、柔軟性が必要な天井部分に使われることはなく、テントのサイドポールやキャノピーを立ち上げるポールなどに採用されています。
グラスファイバー(FRP)
グラスファイバー
リーズナブルなのが
最大の魅力
鉄と比べ軽量で弾力性があり、コストパフォーマンスに優れているのでベーシックなモデルに多く使われている素材です。
ポールの節目に金具が付くので、スリーブを通すときに引っ掛かりやすいという短所もあります。

テントレイヤード術

「テントは寒いし、寝心地があまりよくない」なんて話をたまに耳にします。
でも、よくよく話を聞いてみると、そんな人のほとんどが、基本的なテントレイヤードを知らないようです。
そこで、キャンプのテントレイヤード術を紹介しましょう!

テントレイヤードって何?

インナーテントを建ててフライシートを張り、ペグダウンをしたらテントの設営は完了と思っている人はいませんか?

実はテント設営というのは、テント内にテントマットを敷いて初めて完了なのです。
テントマットを敷かないというのは、家屋でいえば床板だけを張って、畳を敷かないようなものです。これでは寒いし、寝心地もよくありませんよね。だって布1枚下は地面なのですから。

そして、このテントマットの上にパーソナルマットやスリーピングバッグを敷き重ねていくことをテントレイヤードと言います。

レイヤードの基本はテントマット

テントマット

テントレイヤードの基本となるのがテントマット。
テントのフロア全体を覆う大きめのマットで、これを敷くことによって、地面からの冷気や湿気の浸入を防ぐことができます。

コールマンの製品で言えば「 テントインナーマット 」が、それにあたるものです。
この製品には、ウレタンスポンジの中綿が入っているので、背中に小石や砂利などを感じにくく、夏の芝生のキャンプサイトならこれだけでも結構快適なものです。

さらにパーソナルマットで快適に

パーソナルマット

テントマットは薄手なので、それだけでは本当の快適な睡眠は得られません。
そこで必要になってくるのがパーソナルマット。テントマットが畳なら、これは敷き布団といったところです。これを敷くことによって、より高い防寒性とクッション性が得られます。
種類も、ウレタン製の折り畳み式マットや、バルブを開けると自動的に吸気して膨らんでくれるマットなど様々なものがありますので、人数分用意すると良いでしょう。

エアマットやフリースインナーも活用しよう

フリースインナー

上記のレイヤードの上にスリーピングバッグを敷けば、快適な睡眠空間の完成です。
もし、スリーピングバッグが薄手で寒さを感じるようなら「フリースインナー」などをレイヤードするといいでしょう。

その他

エアーマット

さらに快適な環境を求めるなら、テントマットの広さとパーソナルマットのクッション性を兼ね備えた「 テントエアーマット 」や、安定感抜群の「 コット 」などもあります。
ここまで用意すれば、もう誰も「テントは寝心地が悪い!」なんて言わないはずです。快適な睡眠は、キャンプを楽しむための必須要素です。「テントレイヤード術」をしっかりマスターして、キャンプをたっぷり楽しんでください!

あなどるなかれベンチレーション

使用する人数に合わせたテントを選んだら、次に注目したいのがテントのベンチレーション。
実はテント内の快適性を大きく左右するのが空気の循環なのです。特に高温多湿の夏場は、閉め切ったテントの中はサウナ風呂状態。とはいえ、防犯上やプライバシーの問題で出入り口を全開にしておくわけにもいかず「暑くて朝まで眠れなかった!」なんてことは避けたいもの。

天井部にあるトップベンチレーション

そこで重要になるのがインナーテントの天井部にあるトップベンチレーション。
ここからテント内の暖まった空気を外に排出することで室内の温度を下げることができます。
さらに、積極的に外気を取り込んで室内の空気を循環させようというのが「サークルベンチレーションシステム」です。

テント下部に外気を取り入れるためのベンチレーション

そしてこちらはテント下部に外気を取り入れるためのベンチレーションを設け、トップのベンチレーションから室内の空気を排出するというもの。
インナーテントとフライシートの間を空気が循環するので、結露しにくくなるというメリットも生まれます。

上手なテントのたたみ方

晴れた日のキャンプでも以外にテントは湿っている部分が多いものです。
フライシートの内面には結露、ボトム部分には地面からの湿気で濡れています。それぞれ裏返して陰干しすれば、次のキャンプも快適に過ごせることでしょう。
完全に乾いていない状態で収納してしまうとカビや臭いの原因になるので注意が必要です。

上手なテントのたたみ方

テントは防水効果を高めるために気密性にも優れており、畳む際などは空気を抜くのに苦労します。
あまり丁寧に畳もうとしすぎて出入り口や窓のファスナーを全て閉めてしまったりしてはいけません。必ず空気の抜け道を確保しましょう。

メッシュと普通の生地が出入り口(窓)にある場合には、メッシュだけを全閉し、普通の生地は半分位までファスナーを閉じます。そして出入り口と逆方向から空気を押し出すように畳んでいきます。最終的に、収納バッグのサイズに合うように調整すればOKです。

また、折り畳む箇所にも注意が必要です。あまり同じ箇所でばかり折り畳むようにするとその部分の繊維が引っ張られて小さい隙間が開くようになります。こうなると防水効果は勿論、テント生地自体も弱くなってしまいます。
畳む際にはその都度折り目を変えるように心がけましょう。

テントの保管

テントは必ず乾燥させてから収納しましょう。
使用後、たたむ前に即、乾燥させておくのが理想ですが、テントを濡れたまま持ち帰ってしまった場合は早めに乾かしてください。 気温の高い時期、濡れたままにしておくと、臭いやカビの原因になります。

幕体を濡れたままで車のトランクのような、高温になる場所に放置しておくと、極端な色移り生地の劣化などが生じます。
なるべく早く完全に乾燥させてから日光の当たらない風通しの良いところに保管してください。また、海の近くで使用した場合には、幕体とポールをよく水洗いし、塩分を取り除いて、十分に乾燥させてください。

晴れた日にはテントをたたむ1~2時間前から、内幕の寝室床面を浮かせて湿っていたグランドシートを乾かしましょう。
内幕には砂や土が入りこんだりしますので、 たたむ前に表裏をひっくり返して出してしまいましょう。

テントのメンテナンス

幕体の汚れ落とし

幕体の汚れを落とす場合には、水で洗い流すか、乾燥した状態でブラシなどで払い落としてください。
ひどい汚れの場合には中性洗剤を水で薄め、汚れた部分をスポンジなどで軽くこすった後、水で洗い流してください。
ただし、強い液性の洗剤を使用したり、強くこすったりすると、生地外側の撥水加工(テフロン加工を含む)が極端に低下しますので、ご注意ください。

生地の外側を洗う時には、内側の防水コーティング面を傷つけないように注意してください。
洗濯機で洗濯したり地面にこすりつけたりすると、 コーティング面に傷がつく事があります。
また、シンナーやベンジンなどの薬品は絶対に使用しないでください。コーティング剤が溶ける可能性があります。

なお、濡れたままで放置しておくと、カビが発生したり、含まれている水分が腐って悪臭の原因ともなります。

撥水加工のメンテナンス

生地の撥水加工の効果が弱くなってきた場合は、まずテントを洗ってみてください。(洗い方については幕体の汚れ落としをご参照ください。)
撥水加工が劣化しているのではなく、表面に水アカの層が付着して撥水効果が落ちている場合もあります。この場合は洗うだけで効果が回復します。

また、生地にアイロンをかけるのも有効です。
その場合はテントの外側になる面から低温でアイロンを当ててください。
ただし、あまり集中してアイロンを当てると生地にダメージを与えてしまいます。ご注意ください。

撥水の効果がある生地に撥水剤を塗布しても、撥水剤自体をはじいてしまうため、定着しずらく、効果が短期間しか持続しません。その時は、上記のような方法を試してみてください。
それでも撥水の効果が回復しない場合に撥水剤を生地に塗布してください。

細かな部分の防水加工(目止め)

テントは完全防水という訳ではありません。
シームシール加工をしていない縫製部分やマジックテープ、ファスナーなどの水を吸いやすい部分からは雨水が浸入しますので、こういった箇所の防水には液体かジェル状の防水剤(目止め剤)を塗り込むことをお奨めします。
塗り込む部分のホコリや汚れを落としてからしっかり浸透させてください。市販の防水剤は乾燥時間の長いものが多いのでパッケージや説明書を良く読み正しくお使いください。

小さな破れや穴の補修

5~6cmの小さな破れや、火の粉で溶けた細かい穴などは、市販のリペアシート(シール加工された生地)を両面から張り付けるだけで十分補修できます。
キャンプ場での応急処置ではガムテープ等を張り付けるのも有効です。ただし、ガムテープ等をあまり長時間張っておくと、はがした時に粘着性が生地に残り、その後の修理が困難になるケースがありますのでご注意ください。

フレームを収納する前に

幕体と同じく土や泥を落として内側まで完全に乾燥させてから収納してください。
濡れたままで保管しておくとサビが発生し、ジョイント部が接続しにくくなったり、 接続ワイヤーが切れやすくなる原因にもなります。防錆潤滑剤スプレーなどを吹きかけておくと、サビの防止にもなります。

結露について

暖かい空気が冷たい空気(物)と接して、暖かい空気側の幕に水滴が付着することを結露といいます。

これは、暖かい空気中に含まれている水分が急激に冷やされて露となって付着したもので暖かい空気の湿度が高く、温度差が激しいほど、結露はひどくなります。
テントの場合ではフライシート・内幕・グランドシートの内側に、タープの場合は内側に結露が生じます。

結露軽減対策

換気を十分に行い、温度差をなくす」「通気性を高める」ことによって結露を軽減することができます。
ベンチレーターなどテントの機能を上手に利用してみましょう。

※結露によりテント(タープ)の内側に付着していた水滴が、急な雨などにより、 フライシート(タープ) 外側からたたかれて落ちてくることがあります。
※防水加工をしていない生地や、透湿性防水素材(ゴアテックスなど)は結露を軽減させますが、 完全に防止することはできません。