アウトドアで、ベッドルームの役割を果たす、テント。
少人数向けの軽量・コンパクトなものから、家族・グループ向けのゆったりとしたものまで様々です。
日差し・寒さ・雨・風から守ってくれる、大自然の中でのくつろぎ空間を作ります。
さあ、帰りたくなくなるくらいの快適な空間をつくりましょう。
テントのよくある疑問
テントはそのまま収納すればいい?
晴れた日のキャンプの後でも、フライトシートの内面についた結露や、地面からの湿気で濡れたボトム部分など、テントは意外に湿っています。キャンプから帰ったら、それぞれを裏返して陰干ししましょう。完全に乾いていないまま収納すると、カビや臭いの原因となります。
また、汚れを落とすのはもちろんのこと、小さな穴などの破損をチェックし、補修をしておくのも忘れずに。
テントはどうやってたたむの?
テントをたたむ際に苦労するのが、空気を抜くこと。たたむときに出入り口などのファスナーをすべて閉じてしまうと、 空気が抜けにくくなるので、必ず空気の抜け道を残しておきましょう。
また、同じ折り目でたたんでいると、その部分の生地が弱くなりますので、なるべく折り目を変えてたたむようにすると、長持ちします。
フライシートのたたみ方
インナーテントのたたみ方
最後にフライシートとインナーテントを重ね、ポール袋を芯にして巻くと、コンパクトにまとまります。
撥水加工と防水加工の違いは?
テント生地の加工には撥水加工と防水加工の2種類があります。
通常、テント(フライシート)の外側の面には撥水加工(水をはじく加工)、内側の面には防水加工(水を通さない加工)が施されています。
生地のメンテナンスをする上でこの2種類の加工の違いを理解していないと誤ったメンテナンスをして、かえってテントの性能を落としてしまうこともあります。撥水剤はテントの外側の面に塗布し、防水剤はテントの内側の面に塗布してください。
また、寝室の壁や天井の生地には絶対に防水剤を塗布しないでください。生地の通気性が失われ、一酸化炭素中毒などの事故の原因になります。
ポールのたたみ方や折れた時の応急処置は?
ショックコードでつながっているテントポールは、端からたたんでいくと反対側が強く引っ張られるため、ダメージが大きくなります。
たたむ際には中央から二つ折にし、常にコードが同じ力で引っ張られるようにしましょう。
もしも折れてしまったら、割り箸や枝などを添え木にして、布製のガムテープで固定します。
防水性が落ちてきたような気がします。
直接雨にさらされるタープは、使用頻度が高くなるにつれて防水性が低くなっていきます。
そんなときは防水スプレーをかけ、低温でアイロンをかけると防水性を回復します。
グランドシートには、スキーの固形ワックスを塗ってアイロンをかけると効果的です。
「600㎜防水」ってどういうこと?
この表示方法は、防水性試験に関係があります。
防水試験はテント生地にメモリの刻まれた直径10インチの筒をあて、水を入れて圧力をかけていき、水が70~80%浸透した水位を計測するというものです。
つまり、「600㎜」なら筒に600㎜まで水を入れた時点で70~80%の水が染み込んだということであり、この数字が高くなるほど防水効果が優れていると言えます。
それでは、どの程度の防水効果があるものを選べば良いのかということになると、さまざまな条件があり一概に言えませんが、通常の雨程度なら「600㎜」位の防水効果で十分です。
また、生地の劣化などにより防水効果は衰えていきます。「1,000㎜だから何もしなくても大丈夫」ではなく、時々テント用の防水スプレーなどでメンテナンスするように心がけてください。
テントを上手く畳むにはどうすれば良い?
いざ畳もうとしたら空気が抜けなくて一苦労…。よくあるお話です。
テントは防水効果を高めるために気密性にも優れており、畳む際などは空気を抜くのに苦労します。
あまり丁寧に畳もうとしすぎて出入り口や窓のファスナーを全て閉めてしまったりしてはいけません。
必ず空気の抜け道を確保しましょう。
メッシュと普通の生地が出入り口(窓)にある場合には、メッシュだけを全閉し、普通の生地は半分位までファスナーを閉じます。そして出入り口と逆方向から空気を押し出すように畳んでいきます。最終的に、収納バッグのサイズに合うように調整すればOKです。
また、折り畳む箇所にも注意が必要です。あまり同じ箇所でばかり折り畳むようにするとその部分の繊維が引っ張られて小さい隙間が開くようになります。こうなると防水効果は勿論、テント生地自体も弱くなってしまいます。
畳む際にはその都度折り目を変えるように心がけましょう。
テントのたたみ方はコチラ>>>
テントに関する用語集
- インナーテント
- テントの内側に張るテント。
- キャノピー
- 日本語でいうと天蓋。テントでは、張り出し付きフライの張り出した屋根の部分を指す。
- グランドシート
- テントの床部分と地面の間に敷くシート。汚れ防止、フロアの保護に効果がある。
- 自立型
- 英語でセルフスタンディングという、ペグや張り綱を使わずに張れるテントの機能。
旧式の三角テントと区別するためにこう呼ばれるが、設営が簡単で収納もコンパクトなことから現在はほとんどがこのタイプ。構造的にはクロスポール型とジオデシック型のドームテントなどがこれにあたる。
- シーリング加工
- テントのフライシートなどにも施されている縫い目を塞ぐ加工。
通常シームテープを張り付けてあるが、その作業は手仕事なのでムラがある場合もある。
- シームテープ
- 防水用のテープ。テントのような防水の必要な生地の縫い目の部分から浸水を防ぐために使う。同機能の道具で目止め剤がある。
- スクリーンテント
- 全面にメッシュを施し、蚊帳のようになっているテント。虫の侵入を防ぎながらも、通気性に優れている。日没後の食事時などに便利。
- スリーブ
- テントを張るためにポールを通す袋状になったトンネルのこと。
ポールを通すとき、スリーブをひっぱると通りがよくなる。
フライシートとテント本体の通 気を確保するために、メッシュ素材が使われていることが多い。
- 耐水圧
- 防水性を数値に換算したもので、JISで計測方法が定められている。
素材の上に水の柱を立て、3滴染みだしてきた時の高さがその素材の耐水圧。
通常の雨ならば1000mmあれば十分とされる。
- テントサイト
- テントを設置する場所のこと。
- フライシート
- インナーテントを雨や霧から守るための防水シート。全体を覆うフルフライと、出入り口にヒサシがあるだけのハーフフライの2タイプがある。
- フロントドアパネル
- ファスナーで開閉するテントの出入り口。メッシュパネルと二重構造のものが一般的。
- ペグ
- タープやテントを設営する時に張り綱を地面 に固定する杭。形状としてはピン、T字、V字、H字などがあり、材質もアルミ、スチール、ジュラルミン、プラスチックなどさまざま。
これらを地面 の状況や使用目的に応じて使い分ける。
ペグを地面に固定することはペグダウンという。
- ベンチレーター
- 内部と外部の空気を入れ換える換気口。
虫などの侵入を防ぐためにメッシュになっており、雨を防ぐために拭き流し型のものもある。
- ポール
- テントを形づくる骨。FRPやジュラルミン、スチール、アルミなどでできている。
中には伸縮性のあるコードが入っており、ポールが抜けない仕組みに。
- リペアテープ
- テントに開いた小さな穴などを、簡単に補修できる布製のテープ。