テントがベッドルームだとしたら、タープはリビングルーム。
天候を気にしないで、食事や昼寝をのんびり楽しめます。
夏の暑い日差しも、タープがあればお構いなし。
アウトドアをするなら、1つは用意しておきたい必需品です。
タープのよくある疑問
タープが風で飛ばされそう…。
タープを地面に固定する張りのロープは、結び目1箇所につき1本張るのが普通ですが、強風の場合などは、結び目一箇所につき2本ずつ張ると効果的です。力が2箇所に分散されて、ペグが抜けにくくなります。張りロープの予備を持っていると便利です。
ポールのたたみ方や折れた時の応急処置は?
ショックコードでつながっているポールは、端からたたんでいくと反対側が強く引っ張られるため、ダメージが大きくなります。
たたむ際には中央から二つ折にし、常にコードが同じ力で引っ張られるようにしましょう。もしも折れてしまったら、割り箸や枝などを添え木にして、布製のガムテープで固定します。
防水性が落ちてきたような気がします。
直接雨にさらされるタープは、使用頻度が高くなるにつれて防水性が低くなっていきます。
そんなときは防水スプレーをかけ、低温でアイロンをかけると防水性を回復。グランドシートには、スキーの固形ワックスを塗ってアイロンをかけると、効果的です。
自在金具って何?
ワンタッチで張りロープのテンションを調節できる金具です。ロープの通し方を覚えて使いこなすと、強度がアップします。
ペグを刺す角度はどのくらい?
地面の状態にもよりますが、張り綱に対して90度、地面に対して60~90度の角度が、もっとも強度を発揮するといわれています。
シートの素材は何がいい?
一般的なものを挙げると、ナイロンは引っ張る強度が強く、伸長性があります。
ポリエステルなら、紫外線の影響を受けにくいため変色や劣化が少なく、吸水性がないので雨に濡れても生地の強度が落ちない、という特徴があります。使う頻度や使用する状況に応じて、選んでください。
撥水加工と防水加工の違いは?
タープ生地の加工には撥水加工と防水加工の2種類があります。通常、タープの外側の面には撥水加工(水をはじく加工)、内側の面には防水加工(水を通さない加工)が施されています。
生地のメンテナンスをする上でこの2種類の加工の違いを理解していないと誤ったメンテナンスをし、かえって性能を落としてしまうこともあります。撥水剤は外側の面に塗布し、防水剤は内側の面に塗布してください。
また、寝室の壁や天井の生地には絶対に防水剤を塗布しないでください。生地の通気性が失われ、一酸化炭素中毒などの事故の原因になります。
「600㎜防水」ってどういうこと?
この表示方法は、防水性試験に関係があります。
防水試験は生地にメモリの刻まれた直径10インチの筒をあて、水を入れて圧力をかけていき、水が70~80%浸透した水位を計測するというものです。つまり、「600㎜」なら筒に600㎜まで水を入れた時点で70~80%の水が染み込んだということであり、この数字が高くなるほど防水効果が優れていると言えます。
それでは、どの程度の防水効果があるものを選べば良いのか。さまざまな条件があり一概に言えませんが、通常の雨程度なら「600㎜」位の防水効果で十分です。
また、生地の劣化などにより防水効果は衰えていきます。「1,000㎜だから何もしなくても大丈夫!」ではなく、時々防水スプレーなどでメンテナンスするように心がけてください。
タープに関する用語集
- グロメット
- 鳩目のこと。テントの場合はポールの先端を押し込む穴(キャノピーやストームガードにも使用している)。タープの場合はポール先端を差し込むほか、張り綱を止める場合もある。いずれにしても強烈なテンションがかかるので十分な強度が欠かせない。
- テンション
- 物理学的な張力のこと。タープでは自在金具などで張り綱のテンションを調節する。
テンションは強く、しかも全体をバランスよくかけないと、うまく立たたず美しく張れない。
- ペグ
- タープやテントを設営する時に張り綱を地面 に固定する杭。形状としてはピン、T字、V字、H字などがあり、材質もアルミ、スチール、ジュラルミン、プラスチックなどさまざま。地面の状況や使用目的に応じて使い分ける。ペグを地面に固定することはペグダウンという。