夕暮れが訪れる前に、ライトの灯りをともしましょう。
柔らかな光で、ゆるやかな時間が流れ始めます。
使用場所や面積に応じで、必要なライトを用意しましょう。
ライト・ランタンのマメ知識
ランタン各部の名称
1.ポールナット
ベンチレーターを固定するためのナット
2.ベンチレーター
ランタンの上部を保護すると同時に、内部の熱を逃がす排気の役割も。
3.マントル
発光体となるもので、ライトでいうと電球に当たる部分。
4.ジェネレーター
燃料タンクから噴出した液体状の燃料を気化させる。
5.グローブ(ホヤ)
マントルを風や衝撃などから保護する。ガラス製が多い。
6.火力調節ノブ
火力を調整したり、消火をするためのつまみ。
7.ポンププランジャー
タンク内の圧力を上げるためのポンピングの作業で、空気を送り込むためのノブ。
8.フィラーキャップ(燃料キャップ)
ガソリンをタンクに入れる注ぎ口のキャップ。使用後タンクの圧力を抜くのにも使用。
9.燃料タンク
燃料を入れるタンク。テーブルや地面に置いて使用する場合に、本体を支える役割も。
グローブのバリエーション
一般的な透明のクリアグローブは、灯った光を直接広げることができますが、テント内などの多くの光が必要でないときには、少し眩しすぎると感じることも。そんなときは、光量を調節するのはもちろんのこと、グローブを変えることで光の加減を変えることができます。
刷りガラスのようなフロスト加工をしてあるタイプを使用すると、フィルターを通したように間接的に光が広がるので、やわらかい光がやさしく広がります。
イエローガラスなら、あたたかな印象の光を放つので、雰囲気もグッと変わるはずです。
いくつかのグローブを使いこなして、ちょっと上級のサイトづくりを楽しんでください。
明るさの単位
ランタンやライトを探しているときに、気になるのはやっぱり明るさ。
カタログなどを見ていると、明るさの単位に2種類があることに気づきませんか?
ランタンやライトの明るさの単位には、「キャンドルパワー(CP)」と「ワット(W)」があります。
キャンドルパワーとは、ロウソク1本分の明かりを1キャンドルパワーとした単位。
ワットは、光の量を電力に換算した値になっています。
どちらかしか書いてない場合は、
ワット = (キャンドルパワー + 28) ÷ 1.7
で、計算することができます。(あくまでおよその数値です。)
そのほかにも、よく聞かれる光の単位を紹介すると、光源の強度を示す「カンデラ(cd)」や、おもに机の上や部屋の中を照らした時、人が感じる光の明るさ・照度を表す「ルクス(lx)」などがあります。
マントルで明るさが変わる
ランタンの明るさは本体の大きさではなく、マントルによって決まるって知っていますか?
マントルは、袋状にしたナイロン系の繊維に、熱に反応して発光する特殊な薬品を塗ったもの。ということは、同じ火力のランタン同士なら、熱を受けるマントルの表面積が広い方が明るいはずです。
実際、タンク容量や燃焼時間、大きさがほぼ同じなのに、光量がまったく違うランタンを比べてみると、マントルの形状に違いがありました。
1つは球状、もう1つは筒状になったマントル。
球状マントルの表面積が2,300平方ミリメートル(これが2つついているので、数値は2倍)に対し、筒状マントルは、5,500平方ミリメートルでした。
この差が明るさを左右しているということ。
電球のように、このマントルは○ワット、ということはできませんが、明るさの目安になることを覚えておくと便利です。
ガソリンランタンの使い方
キャンプの夜に欠かせないのがランタン。
なかでもガソリンランタンは、大光量モデルが多く、ランニングコストが優れているということもあって、とても人気があります。でも、「なんとなく難しそう・・・」と思っている人も多いのでは?
そこでガソリンランタンを上手に使いこなすためのノウハウを紹介しましょう!
「ポンピング」ってどういうもの?
ガソリンランタン特有の点火作業として、「ポンピング」というものがあります。
ガソリンランタンの燃料は「ホワイトガソリン」で、これを空気と混合させて燃焼しやすい状態にします。このホワイトガソリンを、ジェネレーターという管に送り出すのに必要な圧力を作り出すために、燃料タンク内に加圧する作業のことを「ポンピング」と呼びます。
燃料タンク内に圧力をしっかりかけることで燃料を噴霧する力が強くなり、より気化しやすい状態になりますので、ガソリンランタンの機能を充分に引き出すためにはポンピングをしっかり行うことが大切なのです。
まずはマントルの「カラ焼き」をしよう
新しくマントルを取り付ける時には必ず「カラ焼き」という、マントルを灰状にするための作業をしなければなりません。
この作業を行わないと、いくらポンピングをがんばってもマントルは発光しないのです。そして、このカラ焼きにも正しい方法がありますので、しっかりと覚えておきましょう。
それでは、「コールマン ノーススター2000ランタン」を例に説明します。
STEP1
ランタン上部にあるナットをはずし[1]、ベンチレーター、グローブをはずしておきます[2]。
マントルを指先で袋状に膨らませたら、ヒモを二重にして仮結びしておきます[3]。片結びする必要はありません。
STEP2
マントルをバーナーチューブのくぼみ部分に取り付け[4]、シワを均等に整えます。
あまったヒモは、カラ焼き後のマントルを壊すことがありますので、ハサミなどで必ず切り取ります[5]。
STEP3
「ノーススター2000ランタン」のマントルは、ワイヤーを引っ掛けるだけのワンタッチ方式です。ねじれのないように注意して、マントルの上下を取り付けます[6][7][8]。
STEP4
マントルの下部からライターなどで均等に火をつけ、マントルを灰状にします[9][10]。
カラ焼き直後のマントルは、触れたり、ポンピングなどのちょっとした衝撃で壊れる場合がありますので、扱いには注意しましょう。
点火すればマントルは丸く膨らみ、形状を保つ強度が出ます。
ガソリンランタンに点火してみよう
「ポンピング」と「カラ焼き」が理解できたら、次に具体的な点火手順を覚えましょう。
STEP1
本体正面にある燃料ツマミをOFFの位置にセット。
ポンプノブを押し込んで、右(時計回り)いっぱいまで回しておきます。
燃料キャップをはずしガソリンを給油します[1]。
給油時には「フューエルファネル」や「ガソリンフィラーⅡ」などを使用すると便利です。その際、タンク内に加圧できる空間を残すため給油は8分目までにしておきます。ガソリンを入れ過ぎるとポンピングできなくなりますのでご注意ください。
入れ終えたら燃料キャップをしっかり閉めます。
STEP2
燃料ツマミはOFFのままで、ポンプノブを左(反時計回り)に2回転させ、ノブの穴を親指で押さえながら固くなるまでポンピングをします[2]。
回数の目安は50~60回、しっかり下までストロークさせてポンピングしましょう。
ポンピングが終わったら、ポンプノブを下まで押し込んで、右いっぱいまで回しておきます[3]。
マントルを新しく取り付ける場合は、ポンピング作業が済んでから行います。ちなみに「ノーススター2000ランタン」の場合は、ポンプノブを回転させる必要がありません[4]。
STEP3
燃料ツマミを少し左(反時計回り)へ回してみて、燃料が出る音を確認したらOFF。
10~15秒後にフレーム底部からライターで火を入れ、燃料ツマミをHigh~Lowのあいだに調節して点火します[5]。
「ノーススター2000ランタン」は自動点火装置が付いていますので、本体背面のボタンを押し込んで点火します[6]。
STEP4
点火した直後、さらにポンピングをして加圧すると明るさが安定します。
不完全燃焼を防ぐためにも、この作業は行っておきましょう。
安定したら、燃料ツマミで明るさの調節を行います。
何時間か続けて点灯しているとランタンの光量が落ちてくることがありますが、これは燃料が減ってタンク内の圧力が下がるためです。こんな時も追加ポンピングを行なうと明るさが安定してきます。
ランタンケースにしまう前に
使用後は燃料タンクのキャップを緩めて、タンク内の圧力を抜いておきます。
さらに、1カ月以上使わない場合は、タンク内のホワイトガソリンを抜き取るようにします。ガソリンの抜き取りには「残ガソリン抜き取りポンプ」があると便利です。
ガソリンを入れっ放しのまま放置すると、寒暖差でタンク内が結露してガソリンに水が混ざってしまいます。
これが原因で、ポンピングができなくなるなどのトラブルが起きることもあるのです。丁寧に扱えば道具は長持ちするし、愛着も湧いてきます。使い終わったあとのメンテナンスは、忘れずに行いましょう。
※ジェネレーター交換などメンテナンスを行うときは、必ずタンク内の圧力と燃料を抜いてから行ってください。
ランタンで香りを楽しむ
「キャンプ中も、アロマの香りで癒されたい」そんな人にピッタリのランタンもありますよ。
頭部のフタを開けて、好きなアロマオイルを入れると、中のキャンドルの熱で香りがふんわりと上がります。
今までのアウトドアの概念を越えて、こんなキャンプの楽しみ方も挑戦してみては?