記事詳細
2014/07/31 23:47
最近出ているバラってさ、
農薬への耐性がどんどん弱くなってきている。
農薬を散布すると薬害がガツンと出る。
一番農薬への耐性が強かったのは昭和の頃のバラじゃないかな。
進化って言うのはさ、勝手に人が人の基準で決めるもので、
バラにとっては、何が進化で何が退化かは、バラのみが知っている。
まあ、人はバラがそんな事考えていないと思っているし、バラは話せないから
人の基準で言ったが勝ちなんだけど、
俺にとって、バラの進化とは、
人類が滅亡したとしても生き残るバラになることがバラの進化。
そんな偉そうな事言わなくても、
人類が絶滅した後は、自然淘汰され、バラは人なんか意識せず進化し続ける。
さて、農薬に弱いバラが増えてきた話題に戻すね。
ここ2~30年、ドイツやフランスを中心に、
世界の最先端のバラの育種は無農薬でも育てられる、オーガニックなバラを目指し舵を切ったんだ。
無農薬でも育てられるよう、
試作農場ではいっさい農薬を散布せず、
とても厳しい環境で生き残るバラを育種選抜した!
その結果、今では農薬を散布せずとも良く育つバラが増えてきた。
で、何が言いたいかと言うと、
無農薬でも育つバラを育種選抜すると、
全てではないけど、農薬に弱いバラが育種選抜されるという事。
だって、育つ家庭で農薬に慣れていないのだから。
逆に言うとオールドローズも農薬に弱いバラがちらほらと。
だって農薬がない時代に生まれたから。
ねっ面白いでしょ。
バラの育種選抜って。
ひとつの長所へのこだわりが何かを捨て去ることに。
まるで人の長所と短所が背中合わせのように、
人はそれと上手く付き合い生きなければいけないように、
バラもそれらと上手く付き合い、
そして俺らバラの育種家は、その一番の調和点を見出していく。
楽しくもとても難関な道のり。
まあ楽しむけどね^^
バラって最高!
実はそんな複雑奇怪なバラを同じく農薬管理する園芸店やホームセンターさん達の苦労はかなりのもの。
農薬を散布すると元気になるバラと、農薬を散布すると弱るバラが同時に存在するのだから。
バラを薬剤管理するという意味では今が一番大変な時代かもしれません。
ローズクリエイター 木村たくのり
最終更新:2014/07/31 23:47