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2012/09/30 00:54
イギリスバラ紀行。
今日で最後となります。
まだまだ書きたいこといっぱいなのですが、
他にも書かなければいけないことあり、
今日で無理やり完結させちゃいます(笑)
でも内容は濃いですよ~^^
その最後は今回のイギリス育種家巡りで、
一番影響を受けたクリスワーナーさん!
もう本当に優しいおじいさま^^
奥様のバーバラさんもとても可愛らしく素敵な方でした♪
敷地に入ると、
こんな可愛い看板がお出迎え^^
アットホームな看板でしょ~♪
イングランド中部の片田舎、
とてものどかでカーナビあってもたどり着けるか?
そんな桃源郷のような場所に、
ご夫婦二人で住んでいました。
まず最初にバラの事よりライフスタイルに憧れ、
「俺も老後は数字の事など考えず、こんな田舎でバラの育種して過したいな~♪」
そう思っちゃいましたよ^^v
豪華ではなく質素だけど夢のある温かな空間。
まさしくそれは思春期の頃、夢にまで見たユートピア、
桃源郷が目の前に繰り広げられていました。
もちろん生きるメインにバラがないといけませんけどね(笑)
ここが育種ハウスです!
第一印象は世界のワーナーにしては小さいな~
でしたが、
中を見たらここでは言えないような、
効率よい育種過程がいっぱい!
老後であまり体が動かなくなっても、
バラの育種を続ける工夫にあふれていました^^
見た目も大切だけど、
疲れないバラの育種も大切だな~ 思いましたよ!
僕はまだ若いけど、
忙しい時でも短時間で育種する工夫が必要ですもの^^
そして試作圃場です♪
5000本位植わってましたかね~
これから世に出す新しいバラを次々と見せて頂きました♪
もちろん農薬は一切散布しません!
これがイギリスのスタンダード。
新品種を手に取るクリス。
彼の育種選抜は何よりもバラの耐病性!
どんなに綺麗なバラがあっても、可愛いバラがあっても、
無農薬の為大きく葉を落としたバラは、
優しくだけど「あっちいちまえ~」そんな感じで話してました^^;
「ヘルシー」って言葉を何度聞いたでしょうか!
圃場にいる間に100回は話されてたと思います。。。
健康的なバラでなくてはバラではない!
デビッドオースチンや河本純子さんが花型にこだわるように、
バラの耐病性にここまでこだわる人がいるとは!!!
でも…
理想的なバラを手に取るときには、
何とも言えない優しく誇らしい顔になりました^^
バラの育種は選ぶ作業だけど、
捨てる作業がその数万倍多い!
育種として当たり前の事ですが、
その意味の深さを改めて感じた出来事でした。。。
哀愁漂うクリスの背中^^
バラの育種はある意味孤独との戦い!
自分が理想とするバラをバラの中にのみ見続けます!
ハークネスの回でも話しましたし、
オースチンのバラの育種の手順のひとつですが、
バラの強さは異なる系統や原種を交配に用いることにより、
それを成し遂げてきたのが、
ここ50年強のバラ育種の歴史。。。
クリス・ワーナーさんも同じ手法。
サラブレッドで言うインブリード(近親交配)で弱くなった現代バラを
強くしていった歴史はアウブリード(異系統交配)!
一言で言えばシュラブローズの歴史。。。
オールドローズの花型を四季咲きに、花色豊かに、
そんな人間の欲望がバラを新たなステージへと導きだしました!
そんな世界的なバラ育種の時代に、
自分は何が出来るのか?
すでに進みだしてた方向への轍を、
さらに深く刻んだ旅でした。
道を進めば…
最初の回で書いたクイーンエリザベスが強いのか?
その疑問も解消できるかもしれません。
果てしないバラの道。。。
5回に分け私の自己満足なブログを
読んでくださりありがとうございました!
バラって最高!
「強いバラを目指しながらも、しなやかなバラを目指してね!」
ありがたいお言葉を頂きました♪
ローズクリエイター 木村たくのり
最終更新:2012/09/30 09:38
コメント 3件
2012/09/30 07:27:44
しなやかさ&強さ。
バイオハザードXさん
オリエントエクスプレスに乗って、めざす方向は、オリエント方面?
凛とした、繊細で、しなやかで、美しい、
その裏にあるものは、何事にも負けぬ強さ。
そんなすてきな人間になりたいですね。
私などは、すぐにシュンをしおれてしまいます。
水が足りないようです!
2012/09/30 10:00:10
いい旅行でしたね
北の国のKさん
私のところにはクリスワーナーさんのバラはウォームウェルカムとローラアシュレイがあります。
3mくらいの高さのポール仕立てにしているウォームウェルカムは、大きなヒップが大分色づいてきましたし、ローラアシュレイは今年はすごい数のベーサルシュートを伸ばしました。
どちらもほぼ一季咲きですが、そう言えばほとんど病気にはかからずいつも葉っぱは元気ですね。
確かに耐病性は重要ですよね。花の咲いていない時期でも元気な葉っぱがあるだけで奇麗な景観が保てますから。
『イギリス育種家巡りツアー』オースチンもハークネスもたくさん育てていますが、このバラを作ったのはこういう人達だったんだと非常に楽しく拝見しました。やはり新しいモノを作っている人達には魅力を感じますね。
てんちょが大御所達の歳になったころにどんな話をするのかも聞いてみたいものだと思いました。
2012/10/01 01:25:26
熱い…
ももさん
胸に熱い物がこみ上げてきました。
文章に込められた思いが伝わってくるからでしょうか。