DEET(ディート)は昆虫などの忌避剤として用いられる化合成分でジエチルトルアミドとも言われます。
米軍が兵士用に開発した化学成分で、虫除けとして優れた効果を発揮するため世界中で広く使用されていますが、帰還兵の神経障害や皮膚への影響が見られ、またその子供たちに先天異常が多いことからDEETがそれらの一因となっている、とも言われています。
DEETの危険性としては、神経系や胎児へ悪影響を与えたり、蕁麻疹やアレルギーなどの皮膚炎を引き起こすという報告やDEET配合の虫除けスプレーを顔に使用し、吸い込んだ幼児が死亡したという例が報告されています。
カナダではディートの毒性を懸念し、30%より高濃度のディート製品の販売禁止や6ヶ月以下の子供への使用禁止など、使用が厳しく規制されています。
日本でもカナダの指針に沿って、濃度制限や使用上の注意事項などを明示することが厚生労働省から提唱されています。しかし危険性が唱えられているのにもかかわらず、DEETが使用された多くの虫除け製品が出回っているのが現状です。
まれに高濃度のDEETを輸入し、虫除け効果が高いと唱っているものがありますが、濃度の制限が設けられたことを考えれば、効果は高くとも高濃度のものほど危険ということがお分かりいただけるかと思います。
また高濃度のDEETではプラスチックを溶かしてしまうものもあり、濃度が制限されているとはいえプラスチックを溶かしてしまう成分を、自身や愛犬に使用するのは憂慮すべきではないでしょうか。
合成ピレスロイドは除虫菊に含まれる天然殺虫成分ピレトリンの構造を元に作られた化学成分です。
合成ピレスロイドはピレトリンに比べ安定性があり熱に強く拡散しやすいという性質から、ピレトリンに変わる殺虫成分として広く使われるようになりました。
この成分は害虫などには優れた効果を示す反面、人などの温血動物では体内の酵素の働きで無毒化されるため安全とされていますが、合成ピレスロイドが含まれている虫除けを使用すると「息苦しい」「目がしみる」「頭痛がする」といった症状を感じさせることもあり、毎日使い続けることで化学物質過敏症を引き起こしてしまう可能性もあります。
また虫除けの中には無臭のものもあり、気付かないうちに合成ピレスロイドを多量に吸いこんでしまうという点でも危険です。
さらに合成ピレスロイド系農薬では、胎児や幼児の脳の成長を妨げるとも言われており、
やはり使用には憂慮する必要があります。