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健康コラム

健康食品と医薬品の相互作用

ラットおよび健常成人における濃縮ウコンエキス単回同時投与は、
ニフェジピンの体内動態に影響を及ぼさない

池畑美香*1 大西憲明*1 江上優*1 岸久人*1 新康憲*1 高良恒史*1
横山照由*1
 土下喜正*2 徳田奈緒子*2 堀哲史*2 矢谷裕子*2 藤村保夫*2
楠本正明*2
 多々見良三*3 吉岡睦展*4 黒田和夫*4 山田小百合*5



はじめに

 ウコンは、一般に健胃・利胆・抗炎症作用等をもつ民間薬として古くから復旧しており*a)、香辛料としてもカレー粉の主体として使用されている*b)。また近年、本品はサプリメントとしても汎用され、飲酒対策のために接種されることが多い。従って、ウコンは種々の医薬品と併用され、可能性が高いものと考えられる。
 一方、薬物相互作用の機序としては、代謝過程におけるものが最も多く、そのほとんどがシトクロムP450(CYP)に起因している*c)。さらに、小腸および肝臓におけるCYP分子種の中でCYP3A4は主要な薬物代謝酵素であり*d,e)、CYP3A4を介した相互作用は、最も発現頻度が高いと推測される。しかしながら、CYP3A4により代謝される薬物の体内動態に及ぼすウコンの影響については未だ不明である。そこで今回、CYP3A4の基質としてニフェジピン(NFP)を選択し、ウコン添加によるラット及びヒト小腸・肝CYP3A活性(in vitro) 、ウコン単回経口処置後のラット小腸・肝CYP3A活性(ex vivo)ならびにラットにおけるウコン同時経口投与後のNFP体内動態(in vivo)の変動について検討した。さらに、健常成人におけるNFPの体内動態に及ぼすウコン同時投与の影響も評価した。


方法

 In vitro試験ではWistar系 雄性ラット(9週齢)及びヒトの小腸・肝ミクロソーム(BD Biosciences)並びにex vivo試験の場合は、濃縮秋ウコンエキス末(クルクマキュア、100mg/kg:山田健康堂)投与3時間後に調製した小腸・肝ミクロソームを用いた。ミクロソーム中NFP酸化(CYP3A)活性は、NPDPH生成系存在下、上記ミクロソーム(小腸:300µg蛋白、肝臓:150µg蛋白)、NFP(10µM)及びクルクマキュア(in vitro試験のみ)を37℃でインキュベート(小腸5min、肝臓3min)して測定した。ラット体内動態試験では、NFP(5mg・kg)及びクルクマキュア(100mg)を同時経口投与後、径時的に4時間まで採血した。また、ヒト体内動態試験の場合、同意文書が得られた健常成人10名(平均年齢、23.8歳;平均体重、61.2kg)を無作為にNFP単独投与群(アダラートカプセル10mg)並びに純正濃縮ウコン粒6ヶ(濃縮ウコン粒、総クルクミン量として480mg:山田健康堂)及びアダラートカプセル(10mg)同時併用群の2群に分け、クロスオーバー法により実施した。採血は、径時的に8時間後まで行い、両試験には、約2週間の休養期間を設けた。なお、NFP及びNFP代謝物(NFPO)濃度はHPLC-UV法により測定した。


結果

図 クルクマキュア添加実験により、ラット及びヒト小腸・肝ミクロソーム中NFPO生成速度は、いずれも濃度依存的に低下した。IC50値はラット及びヒト間でほぼ同等となり、小腸での値は肝臓より若干低値を示した。しかしながら、ラットへのクルクマキュア(100mg/kg)の単回経口投与3時間後における小腸・肝ミクロソームのNFPO生成速度は、コントロール群の場合とほぼ同等であった。
 また、クルクマキュア単回同時投与により、ラットにおけるNFP経口投与後の血漿中NFP濃度に優位差は見られず、酷似したNFP濃度推移が観察された(図)。さらにいずれの動態学的パラメーターにおいても両群間の値に優位差は認められなかった。


考察

 In vitroにおいてクルクマキュアは、ラット及びヒト小腸・肝ミクロソームのCYP3A活性を濃度依存的に阻害したことから、何らかのCYP3A活性阻害成分を含有していることが示唆された。しかしながら、ラットを用いたex vivo及びin vitro実験において、 クルクマキュア単回投与はNFP代謝に影響を及ぼさないことが示された。さらに、健常人の体内動態試験の結果から、NFPとウコン粒の単回同時投与により、動態学的相互作用は発現しないことが明らかになった。

参考文献

a) Ammon HP, Wahl MA. Pharmacology of Curcuma longa. Planta Med 1991;57:1-7
b) Grant KL. Schneider CD. Turmeric. Am J Health-Syst Pharm 2000;57:1121-1122
c) Lin JH, Lu AY Inhibition and induction of cytochrome P450 and the clinical implications. Clin Pharmacokinet 1998;35:361-390
d) Wilkinson GR. The dynamics of drug absorption, distribution and elimination. In Goodman and Gilman's the Pharmacological Basis of Therapeutics, Tenth Edition. eds. hardman JG, Limbird LE> New York : McGraw-Hill Press, 2001:3-29
e) Doherty MM, Charman WN. The mucosa of the small intestine : how clinically relevant as an organ of drug metabolism? Clin Phramacokinet 2002;41:235-253

1) 京都薬科大学病院薬学教室
2) 舞鶴共済病院薬剤部
3) 舞鶴共済病院循環器科
4) 宝塚市立病院薬剤部
5) (株)山田健康堂


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