生地の耳!縫い忘れてるわけではありません!!
今、全国のお祭り関連の業者を悩ませているのが、
生地の端が縫われていないぞ〜!!
というお客様からのご指摘です。
その名も、
生地の耳問題
でございます!!
どういうことかと言いますと・・・。
股引や半だこを見ていただくと・・・。
ちょうどお尻の部分の生地の端が、
縫製されているわけでもなく、
ロックミシンがかかっているわけでもなく、
そのままなんですね。
赤い矢印のところです。
アップにしても、何も処理されていないことが分かると思います。
もうひとつ。
お客様からのご指摘の多い衣装に「法被」もあります。
ちょうど、背中部分の縫い合わさっている部分です。
ここも、やっぱり生地の端は何の処理もされていません。
これを見たお客様が、
生地の端の縫製忘れてるよ〜!!
とご指摘されるわけです。
でも!
この状態で正常なんです!!!
実はこの処理がされていない生地の端の部分は
生地の耳
と言われる箇所になります。
まだ裁断する前の生地の反物を見ていただくと分かるのですが、
生地の左右は何も処理されていないのに、糸がほつれてきません。
生地によっては、耳部分にポツポツと穴が開いている場合もあります。
これも生地の耳の特徴で、
耳の穴
と呼ばれるものです。
織り上がった生地のシワを伸ばす機械に通す時に付く穴で、
決して縫製に失敗して、糸をほどいた後ではありませんよ〜!!
法被や鯉口シャツでよく使用される小幅(幅30cmくらい)の生地も
やっぱり、左右の部分は糸がほつれてきません。
この「生地の耳」は、生地の中でも特に強く織り込まれている箇所で、
頑丈で一番ほつれにくい場所になります。
なので、股引や半だこですと、一番体とこすれあう部分である
【お尻】にあえてこの「生地の耳」を使ったります。
生地の耳ですと、縫う必要もなく、ロックミシンをかける必要もないので、
生地の段差がお尻に当たらず、 着心地が良くなるというメリットがあります。
法被も同様に、生地の耳部分はほつれないので、
あえて縫い合わせたり、ロックミシンをかけたりせずに、
そのままにしてあります!!
もちろん、これは生地の耳を使用している商品の場合です!!
股引や半だこ、法被によっては、生地の端が縫ってあったり、
ロックミシンがかけてあったりするものもあります。
生地や裁断箇所によって、端の処理の仕方が変わりますので、
すべてのお祭り衣装で生地の耳が使われているわけではありません。
つまり、
生地の耳をつかっている箇所は、
縫製したり、ロックミシンをかけていない状態が正解!!
生地の耳以外の場所を使っている箇所は、
縫製したり、ロックミシンをかけたりして、
端の処理をちゃんとしてある状態が正解!!
というわけです。
動画でも解説していますので、ぜひご覧ください。
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