ところてんの匠に聞く
伊豆の食べ物と言えば、新鮮で、豊富な魚介類が想いだしますが、忘れていけないのが、自然豊かな伊豆の海でとれた天草と、 名水百選のひとつ富士山の湧き水、柿田川湧水で作った伊豆河童の「心太(ところてん)。
その創業130年の老舗伊豆河童のところてんの伝統を守り続けながら、さらに、積極的に新しい市場開拓をしている4代目栗原康浩氏にお話をうかがいました。
ところてんの仕事をしようと思った動機は何ですか?
また、それはいつごろでしょうか。
6年位前まではスーパーマーケット相手の価格競争だけの営業をしていました。
でも、バイヤーさんはところてんを食べもせずに価格だけで採用不採用を決めるので、これはおかしいしそんなところには卸したくない。と思いました。
そして、伊豆河童の美味しいところてんをわかってくれているお客様だけに販売したいと思うようになりました。
ところてんを、伊豆で生産する理由は、何でしょうか
ところてんの原料となる天草は伊豆半島と伊豆諸島で日本の生産の1/3を占めています。
その中でも伊豆半島の海女の手づみのものが最高とされてます。
伊豆河童はその伊豆に位置しているという最高の立地にあります。
地元の最高の“特A”のランクの天草を中心に使用して、さらに日本名水百選の富士山の雪解け水“柿田川湧水”を使用していることでいやな臭いのない、すっきりとし、コシと粘りのあるところてんに仕上がるからです。
栗原さんにとってのところてんとは何ですか。
ところてんに対する思い入れがありましたら教えてください。
現在、ところてんと言うと主にスーパーマーケットで売られていますが、正直美味しいと思うところてんにであったことがありません。
これは、先にも話したように価格だけでスーパーマーケットが儲かるものしかおいてないからです。
これでは本当に美味しいところてんというものが日本からなくなってしまう。
それでなくてもところてんを製造している業者は年々少なくなってきているので、本物のおいしいところてんを後世に伝えることを使命と考えてます。
理想のところてんってどんなものですか?
本当にしっかりと作ったコシと粘りのあるところてんを、ところてん突きで突き出した直後に食べてもらうのが一番美味しいです!
ところてんの仕事をしていて楽しいこと、
また、大変なこと、苦労したことがありましたら教えてください。
やっぱりお客さんに「今まで食べていたのはなんだったの?」とか、「初めてところてんを美味しいと感じました」「ところてんは嫌いだったのですが、今まで 美味しいところてんを食べていたなったからだと気がつきました。ところてんがこんなにおいしいものなんて感動です」など、美味しかったという声を聞くのが 一番楽しくてうれしいです。
大変なことは、手づくりでつくるので仕込から出来上がりまで24時間以上かかることですね。
2005年の寒天ブームの時には本当に大変で、父が疲労で倒れてしまいました。
こんなことはもうないと思いますが、本当に大変でした。
ところてんの仕事をする上で尊敬する方は誰ですか。
自分の周りで「この人はすごい」という人はいますか。
父しかいません。
頑固にこだわってつくっている姿をいつも見てます。
将来の夢を教えてください。
ところてんといえば柿田川名水ところてんと頭に浮かぶくらいにしたいと思ってます。
また、日本中のところてんがおいしくなるようになってもらいたいです。
最後に、ところてん好きな方へのメッセージをお願いします。
ところてんは日本の伝統食品のひとつだと思います。
本当に美味しいところてんをこれからも作りつづけていきますので、ぜひ本物を食べてください。