溶剤系、水性系の屋根用塗料がご利用いただけます。
素地の状態により下塗り材を使い分ける必要があります。
※下塗り材の有無および種類は商品により異なりますので、上塗り商品の塗装仕様をご参照ください。
★該当塗料:屋根用塗料 > 洋瓦・スレート
乾式コンクリート瓦への塗装は、専用塗料で塗装するか、専用の下塗り剤を塗装しないと、
早期に塗膜が剥がれてしまいますので注意が必要です。
また、高圧洗浄(水圧15MPa以上)でカラースラリー層をよく取り除く必要がありますので、
高圧洗浄ができない場合は塗装を避けて下さい。
※乾式コンクリート瓦は、セメント瓦や厚形スレート瓦と形状や見た目が似ていますので、
間違わないようにご注意下さい。
★該当塗料(専用下塗り剤):スラリー強化プライマー
溶剤系、水性系の屋根用塗料がご利用いただけます。
素地の状態により下塗り材を使い分ける必要があります。
※下塗り材の有無および種類は商品により異なりますので 上塗り商品の塗装仕様をご参照ください。
※薄型化粧スレートへの塗装後は、必ず「縁切り」を行ってください。
縁切りを行わないと雨漏れの原因なる場合があります。
★該当塗料:屋根用塗料 > 洋瓦・スレート
石綿を含まないノンアスベストのスレートへの塗装は、養生期間が過ぎても、片面のみの塗装で割れる可能性があります。必ず両面塗装もしくはバックシールが必要となります。
※新設の波形スレートに塗装することは避けてください。養生不足で塗装することにより割れる可能性が出てきます。
※石綿を含まないノンアスベストのスレートは、片面のみの塗装はできません。
★該当塗料:屋根用塗料 > 洋瓦・スレート
シングル材への塗装では、溶剤系塗料を塗装するとタールがブリードします(にじみます)。
よって、シングル材への塗装では、水性系の屋根用塗料をご利用ください。
※シングル材への塗装では、吸い込みが激しいため、通常の倍以上の塗料および工程が必要となります
のでご注意ください。
※シングル材に塗装する場合は、艶ムラになりやすいため、上塗りは艶消しをお奨めします。
★該当塗料:屋根用塗料 > 洋瓦・スレート > 水性タイプ
金属系屋根材への塗装は、金属の種類により適した塗料または下塗り材(プライマー)を使用する必要があります。基本的には錆びに強い溶剤系(油性系)の塗料をお奨めします。
※亜鉛鉄板やカラートタンなどの塗り替えでは、トタン専用の塗料(屋根用塗料 > トタン・金属屋根)
を使用したり、トタンに塗装できる専用下塗り材(さび止め)(屋根用塗料 > さび止め材)を使用
します。
※ガルバリウム鋼板などの非鉄金属に塗装する場合も専用の下塗り材を使用してください。
※金属系の屋根材の塗装では、「塗膜のちぢみ」や「結露によるつや引け」、「塗膜のはく離」などの
塗り替え時の失敗が起こり易いので、適切な塗料の選択や工程の管理が必要です。
★該当塗料:屋根用塗料 > トタン・金属屋根
遮熱タイプの屋根用塗料は、太陽光に対する反射率の優れた着色顔料の使用や熱放射率に優れたセラミックを採用することで遮熱性能を高めた塗料です。各種の屋根材(鋼板屋根、トタン屋根、薄型スレート、波形スレートなど)に塗装することができ、室内への熱の侵入を遮断し、室内温度の上昇を抑えることができます。
※各種屋根材に塗装する場合は、商品毎に下塗り材を選択する必要がありますのでご注意下さい。
※塗料の色や屋根材の種類、屋根の形状により遮熱効果は異なります。
★該当塗料:遮熱塗料
(1)図面や実寸により、屋根勾配を確認します。
(2)勾配が確認できたら、右下の表から伸び率を求めます。
勾配 | 底辺の長さと比率 |
---|---|
3寸勾配 | 約 1.05 |
4寸勾配 | 約 1.08 |
5寸勾配 | 約 1.12 |
6寸勾配 | 約 1.18 |
7寸勾配 | 約 1.23 |
8寸勾配 | 約 1.29 |
9寸勾配 | 約 1.35 |
(3)AとBの長さを求め、面積を出します。
(例)切り妻屋根の面積例(外壁の長さが10m×10mの場合)
外壁の一辺の長さ(10m)×1.12×勾配比率(4寸勾配なら1.08)=12.096
外壁の一辺の長さ(10m)×1.12=11.2
12.096×11.2=135.4752m2
切り妻屋根の面積=約135m2
★切り妻屋根で約1.4倍、寄棟屋根で約1.6倍、入母屋屋根で約1.8倍となります。
※大波スレートは約1.15倍、小波スレートは約1.20倍、
※瓦棒は約1.24倍、折り曲げ鋼板は約1.72倍
(注意)上記の計算方法は、概算となりますので、あくまでも目安としてご利用下さい。
勾配率や屋根の標準長さは実際の数値と異なる場合がございますことをご了承ください。
(参考:オリエンタル塗料工業パンフレット)
●清掃不良
[状態]塗膜の裏面に素地、ホコリ等が付着している。
●旧塗膜に発泡、ワキがあった状態で塗装した。
[状態]旧塗膜から剥離し旧塗膜がクレータ状、発泡した半円状態になっている。
●一度に厚塗り塗装したか、高粘度塗装により、ワキ・発泡が発生し、その塗膜がはく離してきた。
[状態]カニの泡状態になっている。発泡部分がクレータ状にはく離している。
補修方法(対策)
サンダー、ワイヤー、ブラシ等で塗膜をはく離し、高圧水洗で洗浄後、適切な塗装仕様で塗装する。
●旧塗膜が溶剤に溶ける塗膜なのに、二液硬化型の塗料を塗装した場合に発生する。
[状態]塗膜表面がミミズ状の線か、クレータ状になっている。
補修方法(対策)
サンダー、ワイヤー、ブラシ等で塗膜をはく離し、高圧水洗で洗浄後、適切な塗装仕様で塗装する。
●下地に細かい凸凹がある。
●吹き付け粘度が高い。
●一度に厚塗りをしている。
●高温時に塗装したか、塗装直後に高温になったか。
●塗装時に表面が水分を含んでいた。
補修方法(対策)
サンダー、ワイヤー、ブラシ等で塗膜をはく離し、高圧水洗で洗浄後、適切な塗装仕様で塗装する。
●吹き付け粘度が高い。
●一度に厚塗りをしている。
●高温時に塗装したか、塗装直後に高温になったか。
補修方法(対策)
サンダー、ワイヤー、ブラシ等で塗膜をはく離し、高圧水洗で洗浄後、適切な塗装仕様で塗装する。
●塗料の撹拌不足。
●塗装パターン幅が不適切
●素地の吸い込みムラ。
●ハケムラの場合は粘度が高い。
●不適切なシンナーの使用。
補修方法(対策)
原因を究明し、解決してから再塗装する。
硬化途中の塗膜に重ねたり、密着の弱い旧塗膜の上に強溶剤の入った塗料を塗装すると旧塗膜が膨潤して浮き上がり「ちぢみ」が生じることがあります。
補修方法(対策)
・下地を侵しにくい弱溶剤系や水系を使用した塗料を使い塗り替える。
・塗り重ねをする時は塗装間隔を適切にとる。(12時間以上)
塗装後、塗膜が乾燥しないうちに夜間になり、気温が低下すると、結露による「つや引け」が生じます。
特に乾燥が遅い油性系塗料に多く見られます。
補修方法(対策)
・乾燥が早い塗料で塗装する。
・結露が発生しそうな場合は塗装しない。
亜鉛版に直接一般の油性系塗料を塗装すると、塗料中の脂肪酸と亜鉛が反応し、
界面に金属セッケンが生成し、「はくり」の原因になります。
その他、塗装面の清掃不良や旧塗膜の発泡・浮きなどがある状態での塗装の場合にも「はくり」の原因となります。
補修方法(対策)
・亜鉛鉄板に直接塗装するときは、一般の油性系塗料は使わずトタンペイントを使用する。
・トタン用さび止めを下塗りする。
・塗装面についているゴミ・ホコリ・コケ等はよく落とす。
(高圧洗浄かデッキブラシによる水洗い)
屋根材を塗装するときは、下地処理として必ず高圧洗浄またはデッキブラシによる水洗いを行うこと。
浮いている旧塗膜や汚れ、カビ・藻などが付いたまま、塗装すると直ぐに塗装した塗膜が剥がれてしまいますので注意してください。
※粘土瓦を高圧で洗浄すると雨漏り・土葺き土が出てくるので注意。
屋根材(旧塗膜)は、長年の風雨や紫外線により傷んでいる場合が多いので、下塗りせずに上塗り塗料だけを塗ると剥がれやすかったりしますので、必要に応じて下塗り材を塗るようにします。
下塗り材は、素地に浸透して傷んでもろくなった屋根材を固めたり、上塗り塗料の余計な吸い込みを防いだりします。
また、上塗り材との密着をよくしますので出来る限り下塗り材を塗るようにしましょう。
最近の密着力が優れているシリコン塗料では、下塗りをしなくても良い塗料もありますが、屋根材が古く特に傷んでいる場合は、必ず下塗り材が必要となりますので注意が必要です。
旧塗膜が残っている状態では、塗装する塗料の種類によっては、リフティング(塗装したと小の溶剤が旧塗膜を侵し、ちぢれたりする)を起こしますので旧塗膜の種類を確認することが大切です。
塗料用シンナーで希釈する弱溶剤タイプや水性タイプがおススメです。
※二液型の強溶剤タイプは注意が必要です。
※弱溶剤タイプでも適切な塗装間隔を取らないとリフティングすることがあります。
コロニアルやフルベスト等の窯業系屋根材では、塗装後に屋根材が上下に重なっている部分(水切部)が塗料で接着しやすいので、皮スキなどで必ず「縁切り(瓦の上下に皮スキを差し込んで軽く浮かす)」を行います。
※この作業は、瓦の上下に隙間がないことにより水分が外部に抜けないことによる内部素材の腐食や雨漏りを防ぐために行います。
屋根の上での作業は、高所で危険が伴いますので安全な作業を心がけます。
雨上がりや雨が降り出した場合は滑りやすいので作業をしてはいけません。
また真夏日の炎天下での作業も熱中症や日射病になりやすいので要注意です。
屋根に上るハシゴは動かさないようにしっかりと固定できる場所にかけること。
また、屋根の上では樋側(下側)に向いて作業するとバランスを崩しやすいので十分に注意します。
また、塗った塗料の上を歩くと滑りやすいので歩かないように塗る順番を事前に決めておき最後にハシゴから下りられるようにしておきます。
※安全帯を使用するなど落下防止対策を講じて作業して下さい。
●塗装面に付着しているゴミ、ホコリ等は十分に洗浄除去してください。
●屋根表面が雨や露、霜で濡れている場合は、十分に乾燥してから塗装してください。
濡れたまま塗装するとフクレ、剥がれ等の原因になりますのでご注意ください。
●塗装後、上下の瓦が塗料で接着している箇所は、必ず皮スキやカッターなどで「縁切り」をしてください。塗料で瓦が接着していると通気が悪くなり屋根素材の腐敗につながる恐れがあります。
●高圧水洗やエアレス塗装では、施工中のミスとの飛散がトラブルの原因になりますので、飛散しないように充分な養生を行ってください。
●降雨・降雪が予想される場合や外気温が5℃以下、湿度85%以上での塗装は避けてください。
気温が低くなると乾燥が極端に悪くなります。また塗料粘度が増して作業性が悪くなります。
湿度が高いときは、塗装面の水分の付着による塗膜の付着性の悪化をまねき、ツヤ引けやブラッシングなどの仕上がり不良の原因となります。
●塗装用具は使用後速やかに洗浄してください。
●溶剤系の塗料は、火気のあるところでは、絶対に使用しないでください。
●取扱い作業中は、容器からこぼれないよう注意してください。こぼれた場合は、直ちに布やウエスで拭き取るか、砂などを散布したのち処理してください。
●溶剤系の塗料の付着した布やウエスなどは自然発火や引火の危険性がありますので、廃棄するまでは
水につけておいてください。
●カラートタンの最初の塗り替えの場合は、必ずサンドペーパーなどで目荒らしをしてください。
●素地調整は十分に行ってください。これが不十分ですと密着性が悪くなります。
●屋根塗装では、塗料が十分に硬化しないうちに塗装面の上に乗るとスリップすることがありますのでご注意ください。
●亜鉛メッキ面は、一般に塗料の付着が悪く、塗膜のはく離などを起こしやすいため、素地面を物理的、化学的に処理し、付着性を向上させることが必要です。
●旧塗膜が浮き上がっていたり、錆びの発生がみられる場合には、その部分を完全に取り除く必要があります。
●強風またはホコリ、ゴミの多い時は、塗装を避けてください。
風の強い時は、乾燥の早い塗料では作業性が悪くなります。また、砂塵、塩分などが塗装中または乾燥中に付着した場合などは、塗膜の性能低下や仕上がり不良となります。
また、強風下での高所作業では落下の危険もありますので十分ご注意ください。
●炎天下での塗装は避けてください。
塗装面の温度が高いと塗装面に泡が生じ、施工不良の原因となります。
日射病により高所作業では落下の危険もありますので十分ご注意ください。
●塗料は、使用前に十分に撹拌し、内容物を均一にしてから使用してください。
特に2液型の塗料では主剤と硬化剤の混合を重量比で正確に計量してください。また、混合後は可使時間内に使い切ってください。
●銀黒系の色の塗料をハケ塗りするとムラになる可能性があります。銀黒系はスプレー塗装をお奨めします。
参考資料:オリエンタル塗料工業株式会社、水谷ペイント、大日本塗料ほか