気楽なふとん屋さんのロシア・チェコ出張記

5月20日 (5日目)

この日は4時半起床、5時半出発でモスクワ空港に向かう。
モスクワ発8:35―プラハ着9:25
2時間の時差があるので約3時間のフライトである。
日本との合計時差、7時間。

(プラハ空港)

この日も朝出てもう一度、朝を迎える。
本当に不思議な感覚である。
到着後、本来の予定はプラハ観光をするとの事であったが、道が混んでいるため中止になりそのまま精毛工場に向かう。
本当のことを言うと私はこの旅でプラハ観光を楽しみにしてガイドブックも買って熟読していたのに何だったんだろうと少し憤りを感じる。
10時にプラハを出発し一時間ほど走ったところでかみっくKというモルダウ川の畔にある精毛工場に到着する。

Kは土地の名前、ダウネンはドイツ語でダウンである。
このKは人口700人、山間をモルダウ川が流れる畔にこぢんまりとある町である。
元々は金やウランを産出し、この町の人も鉱山で主に働いていたようだが掘り尽くしてしまいその産業自体は面影もない

現在ではこのKが地元で60人の社員を採用する最大の産業である。
チェコ国内では唯一最大の精毛工場とのこと。
1970年代、国営企業Tとして出発し1996年に民営化し現在はドイツのHITCの一員である。
モルダウ川の豊富な水と長年に渡る工員の技術で洗浄の技術には特に誇りを持っているとのこと。

浄水施設

実際に工場を見学してみると精毛機が6台もあり非常にたくさんの原毛処理能力を持っている。
原毛の洗浄機も大量洗い用とローチェ社のしっかり洗い用の2種類持っており、ローチェ社の洗浄機は大量洗いタイプの6〜7倍の水が必要だということである。


精毛設備


しっかり洗い洗浄機


大量洗い洗浄機


乾燥機


原毛サンプル

工場の社員食堂でチェコの家庭料理をいただき1時半出発で農場に向かう。
農場は南ボヘミア地方にありその中心地であるバドバイズにほど近いNにある。

バドバイズとは皆さんもご存じバドワイザービールの生まれ故郷である。
ボヘミアの大地は良いビールと良い羽毛を生み出したということか。
どちらも良い水が必要なのが共通点である。

チェコの山道を快適に車は走るのだがなんせ農場に向かっているので標識も何もない。
本来は2時間ほどかかる道のりだが到着まで2時間半ほどかかり16時に到着する。
おまけに農場主が30分前までは待っていてくれたようだが遅いので病院に行ってしまったとのこと。

仕方なくもう一度次の朝に出直すことにしホテルに向かう。
ホテルは国境のオーストリア側にあるGumund(?)という町にあるGOLDENER STERNというホテルにとまる。
この町は小さいながらも広場を中心に古い町並みが残る静かな町である。

17時に到着、18時から夕食。
夕食はホテルでオーストリア料理をとる。
夕食後散歩に出かけるが広い町ではないのですぐに終わる。
他にはなんにもすることがないのでデスクワークも早めに切り上げて就寝する。

5月21日 (6日目)

この日は8時半にホテルを出発し、9時頃再度N農場に到着する。
段取りが悪いのかコミュニケーションが上手くいかないのかこの日もスムーズにいかず農場主は来ていない。
しばらくすると別の人がやってきてやっと農場の鍵を開けてくれる。
度重なる不手際に少し苛立たしく感じてはいたのだが農場と鳥を見てその気持ちも一度に吹き飛ぶ。

広大な湖に隣接した鳥舎、羽毛の品質には飼育場の広さや水への入りやすさも大きく影響する。
狭い飼育場で水にも入れずに育てられると非常にストレスが溜まり良い羽毛はできにくい。
思った通り鵞鳥を見てみてみると非常に体格も立派で羽毛の付き具合も申し分がない。
私を見ると元気に威嚇してくる。
管理もきちんとできている。

通常、鵞鳥は雄一羽に対し雌3羽で行動する。
この雄の首に年度ごとに色分けした首輪をつけて管理しているのである。

しばらく見学した後、鍵をあけてくれた人にお礼を言いウィーンに向かう。
再度、国境を越えるがEUどうしなので車の中からパスポートの表紙だけを見せるだけの国境越えである。

12時過ぎにウィーン市街に近いAMパーキング(ブロードバンドOK、両替OK、コンセントは洗面所のみ兼用)というホテルに泊まる。
ここは有名な黄金色のヨハンシュトラウス像がある市立公園のすぐ前に位置し落ち着いた感がある

昼食はラーメンをということで日本食レストランへ行く。
私は冷やし中華を食べるがまた量が多い。これでは帰ったら体重がどうなっているかが心配だ。

昼食後、ホームファブリックストアーを3軒ほど見て回る。
1件目は高級品を中心に扱う店で見るべきところがない。
2件目に行ったREITERという店は中級品を中心に取り扱いをしている業態で非常に参考になった。無地で品揃え感を出すにはこうするのかという見本のような売り場である。

3件目にはGrune Erdeという店に行く、通販を中心にオーガニックを前面に打ち出した店である。コンセプトは良いが他に見るところはない。

ウィーンでは店は日曜日休業、夕方もほとんどが18時頃までには閉まってしまうとのことで買い物しながらホテルまで歩いて帰る。

18時過ぎにホテルに到着。
夕食も和食の店に行く。
北海丼を注文する。海鮮が色々のっているのかと思ったが実は鮭とイクラの親子丼であった。
20時くらいにホテルに帰るがこのホテルはブロードバンドが繋がるので持って行ったパソコンが初めて役立ち仕事をする。(ブロードバンド使用料1時間3.8ユーロ、24時間プランもあり)
23時に就寝。

5月22日・5月23日 (7日目・8日目)

いよいよ最終日、ウィーン空港を2:15のフライトなので午前中は時間が空く。

ウィーンは通過点と考えていたため何も予備知識がない中でシェーンブルン宮殿に行く。
女帝マリアテレジアの宮殿で黄色を基調とした非常に美しい宮殿である。

邸内の撮影が禁止になっていたのが残念であるがカーテンや壁紙等インテリアが非常に勉強になる。

広大な庭園は男同士3人で馬車に乗る。40ユーロ
男同士で乗る虚しさは別にして、こんな良い天気の日に緑の庭園を馬車で走るとは非常に快適な時間が持てたものである。


植物園


シューンブルン宮殿


凱旋門

宮殿から来たときと反対のルートを通って地下鉄でホテルまで帰る。
この日は市民マラソンがありあちらこちらで道路規制が行われている。
11:45のシャトルバスにのり12:15頃空港に着く。
飛行機は少し遅れ2:45ロンドンに向かって出発
約2時間半のフライトを経て16時頃にロンドに到着する。
時差は更に1時間、合計8時間。
18:55ロンドン出発
12時間弱のフライトを経て14:30関西国際空港に帰着
16:10発徳島行きのバスで徳島に向かい18:30松茂着
18:45頃帰宅する。
本当に長い旅であった。