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浅野屋丁稚塾
番頭への道「その82 袴姿の時には・・・」

卒業式には着物に袴というのが、このところすっかり定着してきました。

じゃあ、袴姿の時にはどんなシチュエーションでどんな着物を合わせたら良いのか分かっていますか?

呉服屋であるからには、その辺をシツカリ押さえておく必要があります。

一時、矢絣の着物に袴というのが流行りましたが、これは通学時の 合わせ方、卒業式などのフォーマルの席には紋付の着物を袴に合わせる のが、本当です。
宝塚音楽学校の卒業式には皆、黒の紋付に袴姿でしょ!

店長が大学を卒業した遠い昔では、袴姿より振袖姿の方が多かった記憶があります。
卒業を控えた女学生さんには袴姿に対する憧れが強いようで、ですから 振袖に袴を合わせることもあります。

元々振袖は、未婚女性の第一礼装ですから、ある意味、理に適った組み合わせです。

お母さんの着物に袴を合わせて・・・というパターンもあります。
これも、親子二代で同じ着物に袖を通すという意味では、呉服屋にとっては 嬉しいことです。

最近は、雑誌などをご覧になってこんな感じで・・・と仰る方も多くなりました。

ファショナブルにアレンジするのも素敵ですし、何よりお嬢チャンが 望むことですので、出来る限り叶えてあげたいのですが、基本ルールは こうですよと、キチンとお伝えすることが大切と考えます。
それをご了解頂いた上でのアレンジでしたら、お受けしますと。
それは、説明責任を果たすことですから・・・

それから、もう一つ
袴を着用する時には、半巾帯が必要になります。

着物を短めに着付け、半巾帯をしっかり結んでから、袴を穿きます。

中に隠れるから大丈夫・・・と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、 袴の紐の上に少しだけ覗くように着付けをする為、半巾帯をしていないと 着物について少し分かっている人から見るとばれてしまいます。

「お客様に、半巾帯はお持ちではないですか?」と尋ねると・・・
「浴衣に合わせた単の帯ならありますが」
・・・・とかえってくることがあります。

「3月に夏の帯はオススメできません」と申し上げても、
「卒業式1回着るだけだから、勿体無いのでそれを使います。」
と言われてしまいます。

呉服屋としては、チョッピリ寂しい気持ちになります。


そんなことにもめげず、頑張ってください!・・・目指せ 大番頭!!


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